42 / 45
ずっとそばにいる
ページ42
しおりを挟む
意外だった。
「……え? ほんと?」
予想していない答えが返ってきたのだった。
すると叔母さんは、スッとその場にしゃがみこんだ。あたしの目線に近づけるために叔母さんはよくこうしてくれる。その時は決まってあたしの目をちゃんと見つめるのだ。
叔母さんの黒いきれいな瞳。そこに、鏡のようにあたしの姿が映っていた。あたしの左肩にはマシューの小さな手が触れている。でも、その鏡にはマシューは映っていなかった。
「ゆいのそばにいる」
……あたしのそばに?
「ずっとゆいのこと、見守ってくれてるんだよ」
おだやかな、やさしい声だった。その言葉には自信があった。うそなんてついていませんよ。そう聞こえた。
「だから、お父さんとお母さんもどこにも行ってない」
「二人とも、どこかに行ったんじゃないの? いなくなったんじゃないの?」
ふるふると首を横に振る叔母さん。
「行ってない」
はっと思い出して、あたしの口は勝手に動いていた。
「おばあちゃんが言ってた。もう会えないって、最後のお別れだって」
テンゴクとも言っていた。どこなんだろう。
「天国に行かなきゃいけないから、あたしのそばにはいれないんだって」
もう会えない。そうおばあちゃんに言われた。おじいちゃんも、それが間違いだとは言わなかった。
「そうかな?」
おばあちゃんの子どもである叔母さんは、そう言った。
「そうかなぁ?」もう一度あたしにそう問いかけた。
「叔母さんはね、そうじゃないと思うんだ。お父さんもお母さんも、ゆいのことが心配で心配でたまらないと思うよ。だからゆいの近くにいて、ゆいのことを守ってくれているんだと思う」
「……え? ほんと?」
予想していない答えが返ってきたのだった。
すると叔母さんは、スッとその場にしゃがみこんだ。あたしの目線に近づけるために叔母さんはよくこうしてくれる。その時は決まってあたしの目をちゃんと見つめるのだ。
叔母さんの黒いきれいな瞳。そこに、鏡のようにあたしの姿が映っていた。あたしの左肩にはマシューの小さな手が触れている。でも、その鏡にはマシューは映っていなかった。
「ゆいのそばにいる」
……あたしのそばに?
「ずっとゆいのこと、見守ってくれてるんだよ」
おだやかな、やさしい声だった。その言葉には自信があった。うそなんてついていませんよ。そう聞こえた。
「だから、お父さんとお母さんもどこにも行ってない」
「二人とも、どこかに行ったんじゃないの? いなくなったんじゃないの?」
ふるふると首を横に振る叔母さん。
「行ってない」
はっと思い出して、あたしの口は勝手に動いていた。
「おばあちゃんが言ってた。もう会えないって、最後のお別れだって」
テンゴクとも言っていた。どこなんだろう。
「天国に行かなきゃいけないから、あたしのそばにはいれないんだって」
もう会えない。そうおばあちゃんに言われた。おじいちゃんも、それが間違いだとは言わなかった。
「そうかな?」
おばあちゃんの子どもである叔母さんは、そう言った。
「そうかなぁ?」もう一度あたしにそう問いかけた。
「叔母さんはね、そうじゃないと思うんだ。お父さんもお母さんも、ゆいのことが心配で心配でたまらないと思うよ。だからゆいの近くにいて、ゆいのことを守ってくれているんだと思う」
0
あなたにおすすめの小説
『異世界庭付き一戸建て』を相続した仲良し兄妹は今までの不幸にサヨナラしてスローライフを満喫できる、はず?
釈 余白(しやく)
児童書・童話
毒親の父が不慮の事故で死亡したことで最後の肉親を失い、残された高校生の小村雷人(こむら らいと)と小学生の真琴(まこと)の兄妹が聞かされたのは、父が家を担保に金を借りていたという絶望の事実だった。慣れ親しんだ自宅から早々の退去が必要となった二人は家の中で金目の物を探す。
その結果見つかったのは、僅かな現金に空の預金通帳といくつかの宝飾品、そして家の権利書と見知らぬ文字で書かれた書類くらいだった。謎の書類には祖父のサインが記されていたが内容は読めず、頼みの綱は挟まれていた弁護士の名刺だけだ。
最後の希望とも言える名刺の電話番号へ連絡した二人は、やってきた弁護士から契約書の内容を聞かされ唖然とする。それは祖父が遺産として残した『異世界トラス』にある土地と建物を孫へ渡すというものだった。もちろん現地へ行かなければ遺産は受け取れないが。兄妹には他に頼れるものがなく、思い切って異世界へと赴き新生活をスタートさせるのだった。
連載時、HOT 1位ありがとうございました!
その他、多数投稿しています。
こちらもよろしくお願いします!
https://www.alphapolis.co.jp/author/detail/398438394
【奨励賞】おとぎの店の白雪姫
ゆちば
児童書・童話
【第15回絵本・児童書大賞 奨励賞】
母親を亡くした小学生、白雪ましろは、おとぎ商店街でレストランを経営する叔父、白雪凛悟(りんごおじさん)に引き取られる。
ぎこちない二人の生活が始まるが、ひょんなことからりんごおじさんのお店――ファミリーレストラン《りんごの木》のお手伝いをすることになったましろ。パティシエ高校生、最速のパート主婦、そしてイケメンだけど料理脳のりんごおじさんと共に、一癖も二癖もあるお客さんをおもてなし!
そしてめくるめく日常の中で、ましろはりんごおじさんとの『家族』の形を見出していく――。
小さな白雪姫が『家族』のために奔走する、おいしいほっこり物語。はじまりはじまり!
他のサイトにも掲載しています。
表紙イラストは今市阿寒様です。
絵本児童書大賞で奨励賞をいただきました。
極甘独占欲持ち王子様は、優しくて甘すぎて。
猫菜こん
児童書・童話
私は人より目立たずに、ひっそりと生きていたい。
だから大きな伊達眼鏡で、毎日を静かに過ごしていたのに――……。
「それじゃあこの子は、俺がもらうよ。」
優しく引き寄せられ、“王子様”の腕の中に閉じ込められ。
……これは一体どういう状況なんですか!?
静かな場所が好きで大人しめな地味子ちゃん
できるだけ目立たないように過ごしたい
湖宮結衣(こみやゆい)
×
文武両道な学園の王子様
実は、好きな子を誰よりも独り占めしたがり……?
氷堂秦斗(ひょうどうかなと)
最初は【仮】のはずだった。
「結衣さん……って呼んでもいい?
だから、俺のことも名前で呼んでほしいな。」
「さっきので嫉妬したから、ちょっとだけ抱きしめられてて。」
「俺は前から結衣さんのことが好きだったし、
今もどうしようもないくらい好きなんだ。」
……でもいつの間にか、どうしようもないくらい溺れていた。
生贄姫の末路 【完結】
松林ナオ
児童書・童話
水の豊かな国の王様と魔物は、はるか昔にある契約を交わしました。
それは、姫を生贄に捧げる代わりに国へ繁栄をもたらすというものです。
水の豊かな国には双子のお姫様がいます。
ひとりは金色の髪をもつ、活発で愛らしい金のお姫様。
もうひとりは銀色の髪をもつ、表情が乏しく物静かな銀のお姫様。
王様が生贄に選んだのは、銀のお姫様でした。
悪女の死んだ国
神々廻
児童書・童話
ある日、民から恨まれていた悪女が死んだ。しかし、悪女がいなくなってからすぐに国は植民地になってしまった。実は悪女は民を1番に考えていた。
悪女は何を思い生きたのか。悪女は後世に何を残したのか.........
2話完結 1/14に2話の内容を増やしました
ローズお姉さまのドレス
有沢真尋
児童書・童話
*「第3回きずな児童書大賞」エントリー中です*
最近のルイーゼは少しおかしい。
いつも丈の合わない、ローズお姉さまのドレスを着ている。
話し方もお姉さまそっくり。
わたしと同じ年なのに、ずいぶん年上のように振舞う。
表紙はかんたん表紙メーカーさまで作成
ふしぎなえんぴつ
八神真哉
児童書・童話
テストが返ってきた。40点だった。
お父さんに見つかったらげんこつだ。
ぼくは、神さまにお願いした。
おさいせんをふんぱつして、「100点取らせてください」と。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる