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奴隷編1-3
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牢屋か、はたまた外に放り出されるのかと思ったけど連れて来られたのはお風呂だった。
お風呂あるんだ……あの男達に連れられていた時は水浴びすらさせて貰えなかったから、気分が良くなったらゆっくり入りたいな……だが何故か俺はご主人様に洗われている。
優しげな雰囲気のご主人様だったけど、脱いだら凄かった。細いのに筋肉バキバキだし……アレもデカい。男として色々負けて消沈しているところにお湯を掛けられて体を流されている。
汚れを落とされ、お風呂に入りたいと湯船に入ろうとしたところをご主人様に止められた。
「○○○○○」
成る程、奴隷は湯船に浸かってはいけないのか。残念。まぁ今湯船に浸かったらまた倒れそうだけど。
「ありがとうございました。ご主人様はごゆっくり暖まり下さい」
それでも体はさっぱりしたので頭を下げて、脱衣場へ向かうとご主人様も一緒に出て来て、柔らかい布にくるまれた。
汚い奴隷がウロウロしていたら確かに目障りだろうけど、なんてマメなご主人様だろう。こんなご主人様に仕えられるなんて……地獄に仏……神様も最後の最後には見捨てないでいてくれたんだな。
「ご主人様、俺……ご主人様の為なら命なんて惜しくないです。ご主人様の為に死ねる様に尽くします」
頭を拭かれながら、言葉では伝えられないけれど、せめて表情、態度で感謝を示せたら……精いっぱいの笑顔を向けるとご主人様は嬉しそうに笑ってくれた。
「○○○、○○○○」
言葉は通じ合わないけれど、きっとご主人様も俺の命を受け取ってくれたんだろう。こうして優しくして忠誠心を植え付けるなんてご主人様は策士だな。でも喜んでその策に嵌まろう。
この世界に来て初めてホカホカした気分で笑えた。
ーーーーーー
それでもやっぱり何をすれば良いのか分からないので、ご主人様について歩く。使用人の部屋とか、俺の仕事を案内されるのかと思ったけれど……着いたところは先程のベッドの中。
ご主人様も隣に寝ている……。
うん?流石におかしな流れだ。何故かを考えてみると……そういう結論しか出てこない。
もしかしてだけど、俺は性奴隷として買われたのでは無いだろうか?そうでなければご主人様が奴隷と同じ布団で寝るなんて、いくら常識が違うとはいってもあり得ないはず。
男同士の経験なんて無いし、ヤりたいともヤられたいとも思った事はないけれど……他ならぬご主人様の要望なら叶えないと。ここまで親切にされ、命をたすけられたんだ。お尻の一つや二つ差し出さないと。
でも勿論そういうサービスの経験なんて無いし……取り敢えずご主人様の体にすり寄ってみた。
「ご主人様、経験は無いのでご満足頂けるかわかりませんが、どうぞお好きな様に扱って下さい」
通じないのは分かっているが精一杯俺の決意を伝えた。どんなに手荒に扱われても大丈夫。縛られるのも殴られるのも蹴られるのも、鞭も慣れた、首締めも経験した。怖いものは……首はねくらいかな?
ご主人様は頭を撫でてくれた。子供をあやすような行動。もう少し大きくなってからと言うことだろうか?
御主人様が大きいだけで俺はもう大人、どれだけ待ってもこれ以上大きくはありませんよ……と、ツッコんで自分で少し悲しくなる。
奴隷を育てるなんて気長なんだな。あの男達の扱いから奴隷はもっと人間扱いされないと思っていた。
「○○○○○○……」
先程も聞いた覚えのあるフレーズだった。手のひらに一文字ずつ発音しながらご主人様は文字を書いていく。
「リ、オ、ル、キー、ス?」
俺もご主人様に続いて口に出すとご主人様は嬉しそうに頭を縦に振っている。『リオルキース』ご主人様の名前だろうか?
「リオルキース」
続けて言葉にするとご主人様に抱き締められた。当たったみたいだ。俺も名乗らないと……。
「知花……知花 亮」
自分を指差し必死に名前を伝える。
「チハナロー?」
亮は発音しにくいみたいだ。
「チ、ハ、ナ……チハナです」
「チハナ?チハナ○○○○」
「はい、リオルキース様」
何とか名前を交換することには成功した。それだけの事だけど意思の疎通が取れた気がして、満足感に包まれ……いつしかご主人様の腕の中で眠りに落ちていた。
抱き枕代わりの奴隷っているのかな?
ご主人様の逞しい腕に抱かれ、安心感に包まれて幸せだった。
ーーーーーー
明るい光の中、久々に良く寝たな……と満足して目を覚ました。
「○○○○、チハナ」
目の前にはご主人様の笑顔のアップが……朝から眩しすぎます、ご主人様。
あっ!!奴隷のくせにご主人様より後に目覚めるなんて!!
慌てて立ち上がろうとすると、ご主人様の腕に押しとどめられた。スリスリと頭に頬を擦り付けられる。
「……おはようございます」
昨日はまだ頭もぼんやりしてたし、あの状況から抜け出せた喜びでいっぱいで浮かれていたけど……俺のご主人様、格好よすぎないか?ドキドキしてしまう……命を助けられたこともあって、本気で惚れてしまいそう。
「チハナ、○○○○○○」
昨日と同じ何かを食べる様なジェスチャー。
「ごはん?」
「ゴ、ハ、ン?……ゴハン○○○○」
ご主人様の方が頭が良い。俺の言葉を繰り返して発音してくれる。
俺もご主人様の事を早く覚えないとな。ご主人様の世界の言葉で『ありがとう』を伝えたい。
朝食は嬉しい事に軽めのスープだった。優しい味わいが空っぽの胃に染み渡っていく。今さらながら生きている実感が込み上げて涙が頬を伝った。
「チハナ?○○○○○○○○?」
「すみません……美味しすぎて……」
心配そうにこちらを覗き込んでくるご主人様にどういうジェスチャーで伝えて良いかわからないのでとにかく笑ってごまかした。
ーーーーーー
ご主人様は仕事があるようで、俺をチラチラ気にしながら出掛けて行った。
まだまだ信用はされてない様子。ご主人様の信頼を得る為にも自分の出来る事を探さねば!!
「チハナ○○」
奴隷使命に燃えていたところを後ろから呼ばれ、振り向くと白髪のおじいさんが立っていた。如何にも出来る執事って感じだ。是非名前はセバスチャンであって欲しい。きっとこの人がこの屋敷の奴隷を束ねる人に違いない。手招きをされて執事さんの後を追いかけた。
どんな仕事が与えられるのかドキドキしていたが、書斎の様な部屋へ連れて行かれ椅子に座らされた。机の上には本が置かれている。執事さんがページを捲ると綺麗なイラストが書かれていた。執事さんはそのイラストを一つ、持っていた棒で指した。
「チハナ○○。キプダン。キ、プ、ダ、ン」
リピート アフター ミー?
「キプダン」
頭の中に英語教師の顔が浮かんできたので執事さんが言った言葉を繰り返した。当たっていた様で執事さんは笑顔で頷いた。もしかして言葉を教えてくれようとしているのだろうか?
書かれていたイラストは俺の知っている物とは少し違うけどリンゴみたいな絵。この果物は『○○○○』と言うのか……忘れないうちにメモしたい。
何か書く物は無いかと、文字を書く真似をしながら机の上を探していたら紙の束と鉛筆っぽい物を貸してくれた。羽の生えたペンとインクを渡されたらどうしようかと思ったけれどこれなら書きやすい。早速紙にリンゴ→キプダンを日本語で紙に書いた。
次は花、そして木、家、スプーン、水、火……物の名前だけだけどいっぱい教えて貰った。
今日は終わりというように執事さんが本を閉じかけたので、指で少しだけとジェスチャーしてから、本をパラパラと捲った。
思った通り物から動作のイラストもある。その中から『ありがとう』っぽいイラストを探した。
女の人が男の人からプレゼントっぽい物を貰っているイラストがあった。
この言葉を教えてくれと指差して執事さんを見上げると、執事さんは満面の笑顔で教えてくれた。
「リモルレーフ。プローニフスティメーダ」
長いな……。
何度も間違えながら、なんとか覚えた。ご主人様、早く戻って来ないかな。早く覚えたての『ありがとう』を伝えたい。
何の仕事をしているのか知らないが、昼頃にご主人様は戻ってきた。
今日覚えた言葉を一つずつ言葉にするとご主人様は嬉しそうに頭を撫でてくれた。
あぁ……ご主人様、心より感謝しております。
覚えたばかりの言葉に思いの丈を乗せてご主人様に伝えた。
「リモルレーフ。プローニフスティメーダ」
突然ご主人様に抱きしめられて耳元で囁かれた。
「リモルレーフ」
ん?そこだけで良いんだ。
「リモルレーフ」
俺ももう一度感謝を伝えると……ご主人様は優しい、優しいキスをしてくれた。このままご主人様に性奴隷として扱われてもそれはきっと幸せでしかないだろう。
諦めではなく……少し期待に似た気持ちを抱きながら、ご主人様の次の行動を待った。
お風呂あるんだ……あの男達に連れられていた時は水浴びすらさせて貰えなかったから、気分が良くなったらゆっくり入りたいな……だが何故か俺はご主人様に洗われている。
優しげな雰囲気のご主人様だったけど、脱いだら凄かった。細いのに筋肉バキバキだし……アレもデカい。男として色々負けて消沈しているところにお湯を掛けられて体を流されている。
汚れを落とされ、お風呂に入りたいと湯船に入ろうとしたところをご主人様に止められた。
「○○○○○」
成る程、奴隷は湯船に浸かってはいけないのか。残念。まぁ今湯船に浸かったらまた倒れそうだけど。
「ありがとうございました。ご主人様はごゆっくり暖まり下さい」
それでも体はさっぱりしたので頭を下げて、脱衣場へ向かうとご主人様も一緒に出て来て、柔らかい布にくるまれた。
汚い奴隷がウロウロしていたら確かに目障りだろうけど、なんてマメなご主人様だろう。こんなご主人様に仕えられるなんて……地獄に仏……神様も最後の最後には見捨てないでいてくれたんだな。
「ご主人様、俺……ご主人様の為なら命なんて惜しくないです。ご主人様の為に死ねる様に尽くします」
頭を拭かれながら、言葉では伝えられないけれど、せめて表情、態度で感謝を示せたら……精いっぱいの笑顔を向けるとご主人様は嬉しそうに笑ってくれた。
「○○○、○○○○」
言葉は通じ合わないけれど、きっとご主人様も俺の命を受け取ってくれたんだろう。こうして優しくして忠誠心を植え付けるなんてご主人様は策士だな。でも喜んでその策に嵌まろう。
この世界に来て初めてホカホカした気分で笑えた。
ーーーーーー
それでもやっぱり何をすれば良いのか分からないので、ご主人様について歩く。使用人の部屋とか、俺の仕事を案内されるのかと思ったけれど……着いたところは先程のベッドの中。
ご主人様も隣に寝ている……。
うん?流石におかしな流れだ。何故かを考えてみると……そういう結論しか出てこない。
もしかしてだけど、俺は性奴隷として買われたのでは無いだろうか?そうでなければご主人様が奴隷と同じ布団で寝るなんて、いくら常識が違うとはいってもあり得ないはず。
男同士の経験なんて無いし、ヤりたいともヤられたいとも思った事はないけれど……他ならぬご主人様の要望なら叶えないと。ここまで親切にされ、命をたすけられたんだ。お尻の一つや二つ差し出さないと。
でも勿論そういうサービスの経験なんて無いし……取り敢えずご主人様の体にすり寄ってみた。
「ご主人様、経験は無いのでご満足頂けるかわかりませんが、どうぞお好きな様に扱って下さい」
通じないのは分かっているが精一杯俺の決意を伝えた。どんなに手荒に扱われても大丈夫。縛られるのも殴られるのも蹴られるのも、鞭も慣れた、首締めも経験した。怖いものは……首はねくらいかな?
ご主人様は頭を撫でてくれた。子供をあやすような行動。もう少し大きくなってからと言うことだろうか?
御主人様が大きいだけで俺はもう大人、どれだけ待ってもこれ以上大きくはありませんよ……と、ツッコんで自分で少し悲しくなる。
奴隷を育てるなんて気長なんだな。あの男達の扱いから奴隷はもっと人間扱いされないと思っていた。
「○○○○○○……」
先程も聞いた覚えのあるフレーズだった。手のひらに一文字ずつ発音しながらご主人様は文字を書いていく。
「リ、オ、ル、キー、ス?」
俺もご主人様に続いて口に出すとご主人様は嬉しそうに頭を縦に振っている。『リオルキース』ご主人様の名前だろうか?
「リオルキース」
続けて言葉にするとご主人様に抱き締められた。当たったみたいだ。俺も名乗らないと……。
「知花……知花 亮」
自分を指差し必死に名前を伝える。
「チハナロー?」
亮は発音しにくいみたいだ。
「チ、ハ、ナ……チハナです」
「チハナ?チハナ○○○○」
「はい、リオルキース様」
何とか名前を交換することには成功した。それだけの事だけど意思の疎通が取れた気がして、満足感に包まれ……いつしかご主人様の腕の中で眠りに落ちていた。
抱き枕代わりの奴隷っているのかな?
ご主人様の逞しい腕に抱かれ、安心感に包まれて幸せだった。
ーーーーーー
明るい光の中、久々に良く寝たな……と満足して目を覚ました。
「○○○○、チハナ」
目の前にはご主人様の笑顔のアップが……朝から眩しすぎます、ご主人様。
あっ!!奴隷のくせにご主人様より後に目覚めるなんて!!
慌てて立ち上がろうとすると、ご主人様の腕に押しとどめられた。スリスリと頭に頬を擦り付けられる。
「……おはようございます」
昨日はまだ頭もぼんやりしてたし、あの状況から抜け出せた喜びでいっぱいで浮かれていたけど……俺のご主人様、格好よすぎないか?ドキドキしてしまう……命を助けられたこともあって、本気で惚れてしまいそう。
「チハナ、○○○○○○」
昨日と同じ何かを食べる様なジェスチャー。
「ごはん?」
「ゴ、ハ、ン?……ゴハン○○○○」
ご主人様の方が頭が良い。俺の言葉を繰り返して発音してくれる。
俺もご主人様の事を早く覚えないとな。ご主人様の世界の言葉で『ありがとう』を伝えたい。
朝食は嬉しい事に軽めのスープだった。優しい味わいが空っぽの胃に染み渡っていく。今さらながら生きている実感が込み上げて涙が頬を伝った。
「チハナ?○○○○○○○○?」
「すみません……美味しすぎて……」
心配そうにこちらを覗き込んでくるご主人様にどういうジェスチャーで伝えて良いかわからないのでとにかく笑ってごまかした。
ーーーーーー
ご主人様は仕事があるようで、俺をチラチラ気にしながら出掛けて行った。
まだまだ信用はされてない様子。ご主人様の信頼を得る為にも自分の出来る事を探さねば!!
「チハナ○○」
奴隷使命に燃えていたところを後ろから呼ばれ、振り向くと白髪のおじいさんが立っていた。如何にも出来る執事って感じだ。是非名前はセバスチャンであって欲しい。きっとこの人がこの屋敷の奴隷を束ねる人に違いない。手招きをされて執事さんの後を追いかけた。
どんな仕事が与えられるのかドキドキしていたが、書斎の様な部屋へ連れて行かれ椅子に座らされた。机の上には本が置かれている。執事さんがページを捲ると綺麗なイラストが書かれていた。執事さんはそのイラストを一つ、持っていた棒で指した。
「チハナ○○。キプダン。キ、プ、ダ、ン」
リピート アフター ミー?
「キプダン」
頭の中に英語教師の顔が浮かんできたので執事さんが言った言葉を繰り返した。当たっていた様で執事さんは笑顔で頷いた。もしかして言葉を教えてくれようとしているのだろうか?
書かれていたイラストは俺の知っている物とは少し違うけどリンゴみたいな絵。この果物は『○○○○』と言うのか……忘れないうちにメモしたい。
何か書く物は無いかと、文字を書く真似をしながら机の上を探していたら紙の束と鉛筆っぽい物を貸してくれた。羽の生えたペンとインクを渡されたらどうしようかと思ったけれどこれなら書きやすい。早速紙にリンゴ→キプダンを日本語で紙に書いた。
次は花、そして木、家、スプーン、水、火……物の名前だけだけどいっぱい教えて貰った。
今日は終わりというように執事さんが本を閉じかけたので、指で少しだけとジェスチャーしてから、本をパラパラと捲った。
思った通り物から動作のイラストもある。その中から『ありがとう』っぽいイラストを探した。
女の人が男の人からプレゼントっぽい物を貰っているイラストがあった。
この言葉を教えてくれと指差して執事さんを見上げると、執事さんは満面の笑顔で教えてくれた。
「リモルレーフ。プローニフスティメーダ」
長いな……。
何度も間違えながら、なんとか覚えた。ご主人様、早く戻って来ないかな。早く覚えたての『ありがとう』を伝えたい。
何の仕事をしているのか知らないが、昼頃にご主人様は戻ってきた。
今日覚えた言葉を一つずつ言葉にするとご主人様は嬉しそうに頭を撫でてくれた。
あぁ……ご主人様、心より感謝しております。
覚えたばかりの言葉に思いの丈を乗せてご主人様に伝えた。
「リモルレーフ。プローニフスティメーダ」
突然ご主人様に抱きしめられて耳元で囁かれた。
「リモルレーフ」
ん?そこだけで良いんだ。
「リモルレーフ」
俺ももう一度感謝を伝えると……ご主人様は優しい、優しいキスをしてくれた。このままご主人様に性奴隷として扱われてもそれはきっと幸せでしかないだろう。
諦めではなく……少し期待に似た気持ちを抱きながら、ご主人様の次の行動を待った。
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