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第48話
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シンは深緑のローブを着込み動きやすいように裾の広いパンツを履いていた。それがまた様になっていてカッコよかった。リアがひとりイライラしている所へヨモがリアに話を戻した。
「リアは商人ギルドで魔法円を作って感じ?魔法陣は取得した?」
「まだ全然よ。魔法陣は難しいの。独学は厳しいわ」
「魔法陣を作っているの?すごいのね。学びたいのなら業務ギルドに行ってみては?業務ギルドで魔法陣を教えていた教室があったはずよ。冬の間だけかも知れないけど」
「魔法陣教室があるの?」
「そうね。業務ギルドにならそんな教室もあるかもしれないわね」
ヨモはリアの返事を受け取った。
「ありがとう、シン。行ってみるわ。あ、その前に叔父さんに連絡しなきゃ」
「まだ連絡してないの?」
あ、しまった。王都に早く着きすぎて時間を潰している最中だった。
リアは思った事をすぐに口に出してしまう癖があるようだ。
「着いたばかりなの。今日はヨモに会いに来たかったから」
「そっか」
その時すぐ後ろから「紅茶を貰える」と、声がした。振り向くとオレンジ色の髪をしたイケメンがシンとリアの間に立っていた。
「キレイなお嬢様達ばかりで緊張しちゃうな」
「マオ、またあなたなの?いい加減私に付きまとわないで」
シンは現れたオレンジの髪の男に言った。
「ひどいな、シン。俺は何度も冒険者ギルドの輩どもから君を救ってあげただろう?」
「それは感謝しているけど、付きまとわれるのはお断りよ」
「冷たいな…」
やはり、シン狙いか…と、思っていたらオレンジの男はリアに向かって少し驚いた顔をしてそれからにこりと笑った。
「こちらのお嬢さんも見目麗しいね」
「え?」
リアは黒のショールを巻いているはずである。
「女なら誰でもいいのね」
シンが言う。失礼である。
「そう?」
オレンジの男はよく見ると両目が違う色だ。赤と緑だ。そしてその目がチカチカと色が変わっている。なんとも不思議で不気味だった。
「あ、俺マオって言うの。よろしくね。絶賛シンを口説き落とし中の男Bクラス、あと少しでAクラス!」
天井を指さしリアに自己紹介をした。なんとも見た目も動きも派手である。
「はぁ、リアです」
「マオやめてあげて、リアは王都に着いたばかりなんだから」
ヨモも知っている男のようだ。
「それにあんたはコーヒー派でしょう。紅茶なんて飲むの?」
「まあね、俺は鉱山に帰りだからね。あっでも罪人じゃないよ。任務でね。でもこれからは俺も紅茶派になる予定だ」
「リア、ごめんなさいね。私は帰るからヨモと楽しんで、ほらあなたもチョッカイださないで」
「はいはい」シンがマオを店を連れ出そうとした時、マオはリアに言った。
「リアはピンクの髪の方が似合うと思うよ」
と、ウィンクしてシンと店を出た。
「え?」
「リア…今のって」
「わ、分かんない」
「知り合いではないのね?」
「知らない知らない」
「…マオの瞳て両方色が違うでしょう?なにか特性があるのかも…」
「確かに…」
黒のショールを見透かして色が見えているのかもしれない。黒のショールを取るのは叔父さんに会ってからと決めている。
「でも、お似合いのふたりだと思わない?シンとマオって。美男美女よ。いずれ結婚しそうね」
「ヨモもマオと知り合いなの?」
「全然、ここによく来るシンに付いて回っているから自然と知り合いになっちゃっただけ」
「でも貴族でしょう?」
「え?貴族ってマオが?なんで?」
「え?ヨモのトイおじさん?が言ってたじゃない。イケメンがただの平民な訳ないって貴族が平民の恰好をしているだけだって」
「言ってたかも…」
ヨモはトイに言われた事を思い出す。
「でも確かに乱暴な口ぶりだけど女性には優しいし…貴族かもね、でもリアみたいなケースもあるから家を離れているんじゃない?」
「そうね」
リアの幸せをぶち壊して、自分はイケメンに恋焦がれちゃう相手になっている事にリアは正直ムカついた。ズルい…
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ストックがなくなりそうです^^;
明日から1話づつになります。
「リアは商人ギルドで魔法円を作って感じ?魔法陣は取得した?」
「まだ全然よ。魔法陣は難しいの。独学は厳しいわ」
「魔法陣を作っているの?すごいのね。学びたいのなら業務ギルドに行ってみては?業務ギルドで魔法陣を教えていた教室があったはずよ。冬の間だけかも知れないけど」
「魔法陣教室があるの?」
「そうね。業務ギルドにならそんな教室もあるかもしれないわね」
ヨモはリアの返事を受け取った。
「ありがとう、シン。行ってみるわ。あ、その前に叔父さんに連絡しなきゃ」
「まだ連絡してないの?」
あ、しまった。王都に早く着きすぎて時間を潰している最中だった。
リアは思った事をすぐに口に出してしまう癖があるようだ。
「着いたばかりなの。今日はヨモに会いに来たかったから」
「そっか」
その時すぐ後ろから「紅茶を貰える」と、声がした。振り向くとオレンジ色の髪をしたイケメンがシンとリアの間に立っていた。
「キレイなお嬢様達ばかりで緊張しちゃうな」
「マオ、またあなたなの?いい加減私に付きまとわないで」
シンは現れたオレンジの髪の男に言った。
「ひどいな、シン。俺は何度も冒険者ギルドの輩どもから君を救ってあげただろう?」
「それは感謝しているけど、付きまとわれるのはお断りよ」
「冷たいな…」
やはり、シン狙いか…と、思っていたらオレンジの男はリアに向かって少し驚いた顔をしてそれからにこりと笑った。
「こちらのお嬢さんも見目麗しいね」
「え?」
リアは黒のショールを巻いているはずである。
「女なら誰でもいいのね」
シンが言う。失礼である。
「そう?」
オレンジの男はよく見ると両目が違う色だ。赤と緑だ。そしてその目がチカチカと色が変わっている。なんとも不思議で不気味だった。
「あ、俺マオって言うの。よろしくね。絶賛シンを口説き落とし中の男Bクラス、あと少しでAクラス!」
天井を指さしリアに自己紹介をした。なんとも見た目も動きも派手である。
「はぁ、リアです」
「マオやめてあげて、リアは王都に着いたばかりなんだから」
ヨモも知っている男のようだ。
「それにあんたはコーヒー派でしょう。紅茶なんて飲むの?」
「まあね、俺は鉱山に帰りだからね。あっでも罪人じゃないよ。任務でね。でもこれからは俺も紅茶派になる予定だ」
「リア、ごめんなさいね。私は帰るからヨモと楽しんで、ほらあなたもチョッカイださないで」
「はいはい」シンがマオを店を連れ出そうとした時、マオはリアに言った。
「リアはピンクの髪の方が似合うと思うよ」
と、ウィンクしてシンと店を出た。
「え?」
「リア…今のって」
「わ、分かんない」
「知り合いではないのね?」
「知らない知らない」
「…マオの瞳て両方色が違うでしょう?なにか特性があるのかも…」
「確かに…」
黒のショールを見透かして色が見えているのかもしれない。黒のショールを取るのは叔父さんに会ってからと決めている。
「でも、お似合いのふたりだと思わない?シンとマオって。美男美女よ。いずれ結婚しそうね」
「ヨモもマオと知り合いなの?」
「全然、ここによく来るシンに付いて回っているから自然と知り合いになっちゃっただけ」
「でも貴族でしょう?」
「え?貴族ってマオが?なんで?」
「え?ヨモのトイおじさん?が言ってたじゃない。イケメンがただの平民な訳ないって貴族が平民の恰好をしているだけだって」
「言ってたかも…」
ヨモはトイに言われた事を思い出す。
「でも確かに乱暴な口ぶりだけど女性には優しいし…貴族かもね、でもリアみたいなケースもあるから家を離れているんじゃない?」
「そうね」
リアの幸せをぶち壊して、自分はイケメンに恋焦がれちゃう相手になっている事にリアは正直ムカついた。ズルい…
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明日から1話づつになります。
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