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勇者編
タネ明かし♪
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魔物「起きて~。」
ぺちぺち
魔物「起~き~て~。」
ぺちぺち
解放の安堵と連続絶頂の疲労感から気絶していた勇者は魔物の触手で起こされた。ゆっくりと気怠い瞼を開けると、もう待つのは飽きたと言わんばかりの顔でこちらを覗き込む魔物が見えた。ピンク色の球体に単眼で口が一つの魔物。その魔物の下部から一本の細長い触手が生えていた。
勇者(最初に会った時はこんな触手生えていたか?)
頬をぺちぺち叩いていた触手を訝しげに睨みながら上体を起こす。
勇者「!///////」
それと同時に、下半身が露になっている事に気付き慌てて立ち上がると服装を整えた。部屋の隅に落ちていたはずの剣も近くに合った為、鞘に収める。
勇者(この魔物が剣も拾って来てくれたのか……?強者故の余裕か……あるいは仲間意識……?いや、油断は出来ない。)
辺りを見回すと部屋を埋めつくしていたピンク色の流動体は、見る影も無く消えていた。
勇者「ハッ!ここに来てからどれくらい経った?!」
最初に魔物から教えられた事を思い出し、焦る勇者。しかし、魔物は勇者の意図を察して軽く嘲笑った。
魔物「あ!もしかして!ダンジョン入って、1時間以内に脱出しないと、死んじゃうって話、まだ信じちゃってるのぉ?!アハッ♡ほぉんと♡面白ぉお~い♪」
勇者「嘘だったのか?!」
魔物「そぉんな、こ・と・よ・り!♡身体、キレイになってるでしょぉ~♪」
怒りでどうにかなりそうだったがぐっと抑え、もう一度確認した。
勇者「1時間以内に脱出出来なければ死ぬという話は嘘なんだな。」
魔物「そ~だよ~。」
もはやその話題には興味が無いと言わんばかりの返事をされた。ひとまず勇者は安堵した。一番厄介なタイムリミットの問題は解決した。しかし何が起きるか分からないダンジョンだ。一刻も早く僧侶を救わなければならない事に変わりは無い!険しい顔で考え込む勇者に魔物がもう一度話題を振る。
魔物「かぁ~らぁ~だぁ~♡」
勇者(?)
魔物はまるで指をさすように触手で勇者の身体を示した。そして自慢げに言う。
魔物「キレイになったと思わなぁい?♪」
勇者(そういえば、汗やら涙やらでぐちゃぐちゃになってると思ったのに……。)
勇者はまるでお風呂上がりのような身体の仕上がりに疑問を持った。
魔物「さっきのピンク色ちゃん♡実は僕のペットなのぉ~♪」
勇者「なっ?!何?!」
魔物「それでぇ~♪あの子に頼んで♡君のカ・ラ・ダを……♡綺麗にしてもらったのぉ~♡さっぱりして気持ちぃでしょ?♪」
衝撃の事実に思わず語気を荒らげる。
勇者「騙したのか?!」
そんな勇者の態度に、魔物も不機嫌になったのか、拗ねたような煽り口調で反論して来た。
魔物「騙すも何も、そっちが勝手に取り引きを持ちかけてきたんでしょぉ~?普通、同じダンジョンに巣食うモンスター同士、仲間だって思うもんじゃないのぉ?」
後半からケタケタと笑いながら小馬鹿にしたように魔物が指摘する。全くもってその通りだと、勇者は返す言葉もなく押し黙る事しか出来ない。
勇者(どうして俺は魔物なんかを信用してしまったんだ?最初に有益な情報をくれたからか?いや、しかしあの情報が全て本当では無かった。攻撃してこなかったからか?敵意を向けられなかったからか?)
だが後悔しても、もう遅い。いくら思考がままならない状況であったといえ、取り引きを持ちかけたのは自分自身だ。反故にする事も考えたが、ここでこの魔物とやり合うのは得策じゃない。
勇者(内容次第では、結局戦う羽目になるかもしれないが……。)
勇者「要望は…なんだ?」
睨みながら、精一杯、威嚇しながら、問う。
魔物「んふふぅ~♡僕の要望はねぇ~……。」
魔物はとても楽しそうに口を動かした。
───。
勇者「そっ!そんなの無理だ!!」
先刻、伝えられた要望に拒否反応を示す勇者。
魔物「断るのぉ~?いいのぉー?断っちゃってぇー。」
すると魔物は明らかに不機嫌を態度で示しながら、触手の先をくるくると円を書くように回し始める。空中で動くソレに反応するかのように、部屋中から半透明の物体が湧き出て来る。
勇者(ひっ!さっきのピンクの流動体!!)
魔物「今度はぁー、どんな指示、だそうかなぁー?」
勇者(?!今までのこの流動体の動きは、この魔物の指示だったのか?!)
悔しさと情けなさと怒りで爆発しそうになったが、反射的に言葉が出る。
勇者「や、やめろ!分かった!!その条件をのむ!!」
それ程までにあの強烈な体験は勇者のトラウマになっていたのだ。
魔物「そ!♪じゃあ早速~♡」
勇者はあの出来事よりはマシだろうと、腹をくくった。
ぺちぺち
魔物「起~き~て~。」
ぺちぺち
解放の安堵と連続絶頂の疲労感から気絶していた勇者は魔物の触手で起こされた。ゆっくりと気怠い瞼を開けると、もう待つのは飽きたと言わんばかりの顔でこちらを覗き込む魔物が見えた。ピンク色の球体に単眼で口が一つの魔物。その魔物の下部から一本の細長い触手が生えていた。
勇者(最初に会った時はこんな触手生えていたか?)
頬をぺちぺち叩いていた触手を訝しげに睨みながら上体を起こす。
勇者「!///////」
それと同時に、下半身が露になっている事に気付き慌てて立ち上がると服装を整えた。部屋の隅に落ちていたはずの剣も近くに合った為、鞘に収める。
勇者(この魔物が剣も拾って来てくれたのか……?強者故の余裕か……あるいは仲間意識……?いや、油断は出来ない。)
辺りを見回すと部屋を埋めつくしていたピンク色の流動体は、見る影も無く消えていた。
勇者「ハッ!ここに来てからどれくらい経った?!」
最初に魔物から教えられた事を思い出し、焦る勇者。しかし、魔物は勇者の意図を察して軽く嘲笑った。
魔物「あ!もしかして!ダンジョン入って、1時間以内に脱出しないと、死んじゃうって話、まだ信じちゃってるのぉ?!アハッ♡ほぉんと♡面白ぉお~い♪」
勇者「嘘だったのか?!」
魔物「そぉんな、こ・と・よ・り!♡身体、キレイになってるでしょぉ~♪」
怒りでどうにかなりそうだったがぐっと抑え、もう一度確認した。
勇者「1時間以内に脱出出来なければ死ぬという話は嘘なんだな。」
魔物「そ~だよ~。」
もはやその話題には興味が無いと言わんばかりの返事をされた。ひとまず勇者は安堵した。一番厄介なタイムリミットの問題は解決した。しかし何が起きるか分からないダンジョンだ。一刻も早く僧侶を救わなければならない事に変わりは無い!険しい顔で考え込む勇者に魔物がもう一度話題を振る。
魔物「かぁ~らぁ~だぁ~♡」
勇者(?)
魔物はまるで指をさすように触手で勇者の身体を示した。そして自慢げに言う。
魔物「キレイになったと思わなぁい?♪」
勇者(そういえば、汗やら涙やらでぐちゃぐちゃになってると思ったのに……。)
勇者はまるでお風呂上がりのような身体の仕上がりに疑問を持った。
魔物「さっきのピンク色ちゃん♡実は僕のペットなのぉ~♪」
勇者「なっ?!何?!」
魔物「それでぇ~♪あの子に頼んで♡君のカ・ラ・ダを……♡綺麗にしてもらったのぉ~♡さっぱりして気持ちぃでしょ?♪」
衝撃の事実に思わず語気を荒らげる。
勇者「騙したのか?!」
そんな勇者の態度に、魔物も不機嫌になったのか、拗ねたような煽り口調で反論して来た。
魔物「騙すも何も、そっちが勝手に取り引きを持ちかけてきたんでしょぉ~?普通、同じダンジョンに巣食うモンスター同士、仲間だって思うもんじゃないのぉ?」
後半からケタケタと笑いながら小馬鹿にしたように魔物が指摘する。全くもってその通りだと、勇者は返す言葉もなく押し黙る事しか出来ない。
勇者(どうして俺は魔物なんかを信用してしまったんだ?最初に有益な情報をくれたからか?いや、しかしあの情報が全て本当では無かった。攻撃してこなかったからか?敵意を向けられなかったからか?)
だが後悔しても、もう遅い。いくら思考がままならない状況であったといえ、取り引きを持ちかけたのは自分自身だ。反故にする事も考えたが、ここでこの魔物とやり合うのは得策じゃない。
勇者(内容次第では、結局戦う羽目になるかもしれないが……。)
勇者「要望は…なんだ?」
睨みながら、精一杯、威嚇しながら、問う。
魔物「んふふぅ~♡僕の要望はねぇ~……。」
魔物はとても楽しそうに口を動かした。
───。
勇者「そっ!そんなの無理だ!!」
先刻、伝えられた要望に拒否反応を示す勇者。
魔物「断るのぉ~?いいのぉー?断っちゃってぇー。」
すると魔物は明らかに不機嫌を態度で示しながら、触手の先をくるくると円を書くように回し始める。空中で動くソレに反応するかのように、部屋中から半透明の物体が湧き出て来る。
勇者(ひっ!さっきのピンクの流動体!!)
魔物「今度はぁー、どんな指示、だそうかなぁー?」
勇者(?!今までのこの流動体の動きは、この魔物の指示だったのか?!)
悔しさと情けなさと怒りで爆発しそうになったが、反射的に言葉が出る。
勇者「や、やめろ!分かった!!その条件をのむ!!」
それ程までにあの強烈な体験は勇者のトラウマになっていたのだ。
魔物「そ!♪じゃあ早速~♡」
勇者はあの出来事よりはマシだろうと、腹をくくった。
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