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仁ある所に全ての徳集まる(2)

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「あなたのこと、気に入りましたわ! お父様、お母様、よろしいでしょうか?

 私がミラ様にお庭をご案内して差し上げても」

「ああ、構わないよ」

「ミラ、行っておいで」

「はい」



 ちょっぴりとっつきにくそうと思ったのは、ほんの初めだけ。

 私たちはすぐに打ち解けて、親しみを込めて互いに呼び捨て合うようになった。



「ねえ、不躾だとわかっているのだけれど、聞いてもいいかしら?」

「ええ、もちろんよ」

「あなたが教会に置き去りにされた孤児だったって本当なの?」

「ええ。シスター・カーラの話では冬の晩にポーチに置かれていたそうよ」

「まあ、信じられないわ。あなたって、私が会ってきた子どもたちの中でだんとつにお作法がきれいだわ。

 誰か特別な教師をつけているの?」

「そうね……。お手本にしているのはお母様かしら」

「そう、プレモロジータ家はセントライト王国の元五大伯爵家ですものね」

「アルベルティーナのお作法もとっても美しいわ。とても努力家なのね」

「やっぱり、わかってくれるのね!? うれしいわ。ようやく私のレベルに見合う友人ができたんだもの!」



 そのとき、私たちの間につかつかとやってきた同じ背丈くらいのご令嬢。



「飽きもせずに、まぁたおっしゃっているのね、アルベルティーナ」

「あぁら、ジュスティーナ……。なんの御用?」

「なんの御用って、あなたの家のお茶会に呼ばれたから来たのよ」



 小麦色の巻き髪に、深い茶色の目。

 幼な顔の上には堂々とした丸メガネ。

 ……どなたかしら?



「新しい顔ぶれを紹介するのは、招いたあなたの役目でなくって?」

「ミラ、この子はジュスティーナ・サジェッツア伯爵令嬢よ。

 頭でっかちの生意気な子なの……!」



 後半の言葉はわたしの耳の前だけでささやいた。



「ジュスティーナ、こちらはミラ・ラーラ・プレモロジータ伯爵令嬢よ。私たちお友達になったの」

「悪口を言うならもっと小さな声でおっしゃったら? コルテジア家の礼儀作法が聞いてあきれるわ」

「あらっ? そういうことは聞こえていても聞こえないふりをするのがマナーというものですわ!」



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