世界一の彼女として、愛してくれますか?──俺は求めてないのだが、ラブコメ展開になるのはどうしてだろうか?

R.K.

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一章

週末は、妹とラブラブ遊園地のはずだった……6

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「とりあえず、そこから出てきてくれる、お兄ちゃん? ようちゃん大丈夫? なにもされてない?」

 俺は何もしてないし、こいつにも何もされてない。
 いや、パンツを見せられた。
 そして、その下を見せられかけた。

「あやちゃん……! 助けてください! お兄さんに襲われそうです!」

 やりやがった、この女。
 いや、言いやがった。
 友達のピンチに、妹はトイレのドアを開けようとして、ガチャガチャする。
 幸い、鍵が閉まってて、開く気配はない。
 て、そんなことを考えてる場合ではない。

「お兄ちゃん、今すぐこのドアの鍵を開けて。そうしないと、警察に通報する」

「お兄さん、やめてください! そんなに、そこをせめられたら……」

「俺は何もしてない!」

 とりあえず、鍵を開けようと手を伸ばす。
 しかし、その手を止めるように、旭川さんの手が伸びてきた。

「ちょっ……なんでっ……!?」

「お兄ちゃん、私は本気だからね?」

 ドアの鍵を開けるために旭川さんの手を振り解く。
 なんとかして、トイレのドアの鍵を開けることに成功する。
 今度は、旭川さんが俺に抱きついてくる。

「ちょっ……! 旭川さん抱きつくのを──」

「ようちゃん、もう大丈夫だからね!」

 タイミングが悪く、ドアは開いた。


「それで、お兄ちゃん。何であんなことになってたのか、もちろん、説明してもらえるんだよね? 内容によっては警察に通報するから」

 俺と旭川さんは、妹を目の前に正座していた。

 あのあと、トイレから出た俺と旭川さんは妹に手を繋がれながらリビングに連れて行かれた。
 そして、俺がなにかを話し出す前に、妹はこう言った。

「大体はようちゃんが悪いのはわかってるから」

 そんなわけで、妹に誤解一つされてなかったのは不幸中の幸いだ。
 なんで、わかってるのかはよくわからないが、たぶん、それだけ気心の知れた友人なんだと思う。
 で、普段からそんな感じだからわかるとかそんなところだろう。
 ただ、正直、俺としてはこの状況はめちゃくちゃ辛いのだが、旭川さんはなぜか楽しそうにしている。

「なんか楽しそうにしてるけど、ようちゃんにもちゃんと説明してもらうからね」

 はぁー、そう、一つため息をつくと、妹に一から説明することにした。


「──そういうわけなんだ。これで、納得してくれるか?」

「まあ、わかったわ。それで、ようちゃん。内容は今お兄ちゃんが言った内容で間違いはないのよね?」

「ええ、大方間違いはないですよ。ただ……」

 ただ、なんなんだろうか? 言うか迷っているような感じはない。
 なぜ、そこで切ったのかわからない。
 そこで、旭川さんは俺の方を一瞥する。
 俺はそこで、とても嫌な予感がする。
 このあと、なにか俺にとって問題になりそうなことを旭川さんは言おうとしてる気がする。
 それも、結構な爆弾を投下していきそう気がする。

「ただ、なに?」

「あやちゃんのお兄さんは、満更でもなさそうでしたよ? 実際、今も時々、私の胸の方に視線を送ってるようですし……」

 かなりの爆弾を投下していきやがった。
 あいつ、俺の予想の斜め上のことを言いやがった。
 てか、なぜ胸をチラチラ見ていたのがバレたんだ。全くわからない。

「へぇー。お兄ちゃん、この状況でよくそんなことをする勇気があったね。それじゃ、私は警察に通報しなくちゃいけな──」

「すいませんでした!」

 迷わず土下座した。
 そんな俺のことをクスクス笑いながら旭川さんは見てる。
 なんてやつだ。いや、俺が悪いのだけども。

「それじゃ、お兄ちゃんは認めるっことなんだね、さっきようちゃんが言ったことを」

「えっ……? あっ……」

 そこで言われて、始めて気づいた。
 さっきだって、俺の話を聞いてすぐに妹は決めつけなかった。
 ちゃんと、内容が本当かどうかを旭川さんにも確かめてから、それが事実であるとしていた。
 今、俺が謝ったということは、さっき旭川さんが言ってたことが本当であるからだ。
 てか、それならなぜあんなことを言うんだよ。
 いや、そもそもそのことに心当たりが一つも無ければ、あの状況でもノータイムで否定できた。
 なのに、俺はノータイムで謝った。

「ねえ、お兄ちゃん。黙ってたらわからないよ? ちゃんと、話してくれなきゃ。で、ようちゃんが言ってたことを認めるってことでいいんだよね?」

「それは……」

「それは?」

「み、認め、ます」

 こんなの、もはや言い逃れなんてできるような状況じゃない。
 どうしたって、こんなの認める意外ない。
 それなら、見苦しい言い訳をするぐらいなら、認めてしまった方がましだ。

「はあ。まあ、今回は特に変なことはおきなかったようだし、通報はしないけど、次は許さないから。二人とも、わかった?」

 俺の潔さがよかったのか、なんか許された。
 そこで、俺は時計の針を見ると、俺が帰ってきてから大体、一時間は経とうとしていた。

「それじゃ、ようちゃんこれ、忘れもの」

「あっ、はい。ありがとうございます」

 旭川さんはそれを受け取ると、帰る準備を整えていく。

「それじゃ、私は夜ごはんの準備をするから、お兄ちゃんはようちゃんを送ってきて」

「えっ、俺が? まだそんな時間でもないだろ」

「お兄ちゃん、今なんか言った?」

 有無を言わせる気がないことがひしひしと伝わってくる満面の笑みに、俺は恐怖を覚える。
 とりあえず、ここは妹に従っておくことにしよう。
 正直、旭川さんは苦手なんだがな。

「そんなわけだから、旭川さん。家まで送ってくよ」

「ありがとうございます~」


「なあ、スカート短くしてて冬とかって寒くないのか?」

 とりあえず、話す話題もないので、なんとなく疑問に思ってたことを聞いてみることにする。

「もちろん、寒いですよ」

「それなら、なんで?」

「それは、簡単な話です。女の子にとってお洒落というのは命のようなものですから」

 なるほど、それは確かにそうなのかもしれない。
 実際、妹の彩華もよくお洒落をしてる。
 私服はどうなのか知らないが、妹は俺が昔あげた髪留めを未だに使って、学校に行っている。

「お兄さんさんは、あやちゃんのことをどう思ってるんですか?」

 唐突なその質問に、俺は少したじろぐ。
 今まで、そんなことは考えたことはなかった。
 でも、答えはこれ一つだろう。

「そりゃ、妹だけど」

「そうではありません。あやちゃんのことが好きですか?」

「えっ、好き!? まあ、妹なのにすごく頼りになるし、嫌いじゃないと思うけど……」

 今の俺にはよくわからないが、きっと嫌いではないはずだ。
 それが、今の俺の出せる最高の答えなのだと俺はそう思う。
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