転生幼女の愛され公爵令嬢

meimei

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その頃カリンとパンくんは……

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ガサガサ ガサガサ 

「ねぇ、パンくんここどこなの??」

「ごめん、ここがどこなのか私も分からない……。」

見渡すと木と草と岩だけ。
学園も見えない、前も後ろも左右も木と草と岩だけしかない。

「ねぇ…なんで私達ここにきたんだっけ?」

「……。ごめんそれも覚えていないんだ」

二人はさっきから同じ様な会話を繰り返していた。
「もう無理歩けないわ、少し休憩しましょ」

「そうだね、座ろうか」
はぁ…… なんでこんな事になったんだ?
授業の用意をしてイオとティアよりもちょっと先に集合場所に着いただけだったのに。
なんか分からない声が耳元で聞こえたかと思ったらいつの間にか森の中にカリンと二人でいた。

あの声は一体なんだったんだ?

「ふふふっ、ねぇ困ってる?困ってるの?」

「だ、誰だ!?」

「パンくんどうしたの?キョロキョロして」

「カリンには聞こえないのか?この声」

「声??何もしないけど。パンくんは声が聞こえるの?」

「ああ……」

「ねぇ、君は獣人なんだね、獣人だから聞こえるんだよきっとねふふっ」

「なるほどな、姿を見せてはもらえないだろうか?」

「え、嫌だよそれじゃ面白くないもの。これはかくれんぼだよふふっ」

「かくれんぼ???」

「そのうち君達の仲間が見つけてくれるさ、それまで頑張って隠れていてね!じゃぁーね」

「ちょ、ちょっと待ってくれ!!!」
あ……もう声がしないな。いなくなったのか

「カリン、かくれんぼとはなんだ?」

「かくれんぼ??パンくんしたことないの?」
「ああ、ないから聞いてる」

「そ、そうだね。ごめん。」

「いや、私こそ嫌なら言い方をした。ごめん」
お互い歩きすぎて疲労が限界だった。
もともと森に行く授業だったから、飲み物と
軽食は持たされていたのが救いだった。

「かくれんぼは、子供がする遊びで、
探し役は1人で100まで数えている間にあとの人は姿が隠れる所に身を隠すの。で、100数え終った探し役がみんなを探しにいくの。色々ローカルルールがあるんだけど、うちは20分以内に見付からなかったら隠れていた者の勝ちで、逆に全員探せたら探し役が勝ちなの」

「ほう~そういう遊びなのかなかなか楽しそうな遊びだね」

あ、カリンがようやくいつもの笑顔に戻った。良かった

「ふふっ、パンくんはすぐ見つかりそうよね」

「え!?なんで?!私は獣人だし身のこなしが早いから大丈夫だと思うんだけど」

「あーなるほど。それは一理あるけど、でもパンくん天然じゃない?」
    !!!!!!!!!!

「カリンほど天然じゃないと思う!」

カリンがキョトンとしてる。え、もしかして

「自覚なかったとか?」

「私は天然じゃないと思う。どんくさいだけよ!!」

「そこ、力を入れていうとこ?!やっぱり天然あははははは」
「パンくん笑いすぎ!!」

二人でひとしきり笑ったらなんだか、
ホッとした。
「得体の知れない声がかくれんぼと言ってたから。ティア達が見付けてくれるのを期待してもう少しここにいようか?」

「そうね、下手に動くと余計帰れなくなりそう」

しかし、せっかく気になっているカリンと二人きりなのに、この状況はちょっと求めてない……。

どうせなら、もう少し雰囲気がいい場所とかさぁ……。

そもそもこの状況って、かくれんぼと言っていたけど仲間が探しにくるってどう考えてもティア達だろ?
なんか、もしかして…俺の考えが当たっていたらこれは……。

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