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ハーフエルフ
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今日は違う宿……というかマルスが
貴族用のコンシェルジュ付き宿をとってきた。
僕……また冒険者ギルドの宿で良かったんだけど。スィートルーム並に広いし、トイレもお風呂も付いて、あの値段だし……とブツブツ呟いていたら
マルスが旦那様からの指示でございますと…一言。
それ言われちゃ反論出来なくない?
ずるいよね???
渋々……高級そうな宿に入り、マルスが手続きをしている。
ほどなくしてコンシェルジュに案内された部屋は……素晴らしく貴族らしい高級感があり清潔な部屋だった。
まぁ……公爵家の自室の方が凄いから
全然平気だけど。
コンシェルジュに専属侍女を紹介され、お茶をいれてもらった。
「ご主人様、お茶でございます。本日はダージリンになります。ミルクやお砂糖はどうなさいますか?」
宿の専属侍女
「お砂糖一つに、ミルクはいらないよ~ありがとう」
カシウス
「かしこまりました」
「あのさ、名前は?」
カシウス
「あ、これは失礼致しました。私はシスリと申します。宜しくお願い致します」
専属侍女シスリ
「僕は、カシウスだよ」ニコッ
「カシウス様でございますね、お茶をどうぞ」
シスリ
カシウスはマジックバックから薄切りしてあるレモンを取り出して紅茶に入れた。
ふんわりレモンのいい香りがただよう。
「え!!!レモーネ!?」
シスリ
ん?
「美味しいよ?シスリにもあげるから紅茶いれてみたら?僕が許すよ、一緒にお茶をしよう」
カシウス
「ありがとうございます」
シスリ
シスリは嬉しそうに自分に紅茶をいれてお砂糖も一つ入れた。
「はい、シスリの分のレモン」
カシウス
「ありがとうございます!!」
シスリ
うん、元気な子だね~ふふ
嬉しそうにレモンの薄切りを受け取り紅茶に入れて一口飲むシスリ
「どう?僕はこの飲み方好きなのだけど」
カシウス
「美味しいです!!!!!今まで知らなかったなんて損をしていた気分です」
シスリ
「ふふっ、さっぱりしていて美味しいよね。このお菓子もどうぞ?僕の手作りだけど」
カシウス
「!?カシウス様の手作りなのですか?」
シスリ
「うん、僕の趣味なんだ~。お誕生日に僕の部屋にキッチンを作って貰ったんだよ」
カシウス
「凄い……。いただきます」サクッ
シスリ
なにこのクッキー!!!!
めちゃくちゃサクサク………美味しいぃ。
つい仕事を忘れて頬が綻ぶシスリ
ふふ、可愛いな~シスリってどうみても貴族の娘なんだけど。
もう仕事しているの??
「ね、シスリって貴族だよね?」
カシウス
ビクッとシスリの肩が揺れる
「あーー、なんかごめん。言いにくいならいいんだ」
カシウス
だって、シスリって僕とたいして年かわらないんじゃないの??
年下に見えるけど、7歳くらいかな?
こころなしか……耳が尖ってる?
エルフなの?????????
「その………私はその……。貴族だったのですが…。母が亡くなり…その」
シスリ
「うん」
カシウス
プルプル震えながら大きなエメラルド色の瞳には大粒の涙をためている
「母は…エルフだったのですが…。私はその…ハーフエルフでして…人間の父がまた……新たに婚姻を結びまして……放逐されました」
シスリ
放逐…………放逐………放逐!?
ちょっと待って
「シスリって何歳なの???」
カシウス
「あ、はい。見た目はまだ……子どもですが、一応エルフなので実はもう10歳くらいなんです」
シスリ
いや、10歳でも普通に子どもじゃん!!!
てゆうか僕と同じ年だし…年下だと思ったけど。
こんな可愛い子を捨てるなんて………
信じられない。
キラッキラの透けるような白銀の髪にエメラルドの瞳。
なにか力になれないかな……
誰も頼れず……なんとか一人でこの宿で働いてきたシスリ。大きなエメラルドの瞳からはポロポロと涙が溢れた。
「シスリ、良かったらここをやめて少しうちに来てみない?ここよりは安定した給金も入ると思うし、もしかしたらお父様が何か考えてくれるかも」
カシウス
シスリは少し考えてから小さな声で
「カシウス様宜しくお願い致します」グスグス…
シスリ
こうして、カシウスの仲間に初めてハーフエルフのシスリが入ったのだった。
貴族用のコンシェルジュ付き宿をとってきた。
僕……また冒険者ギルドの宿で良かったんだけど。スィートルーム並に広いし、トイレもお風呂も付いて、あの値段だし……とブツブツ呟いていたら
マルスが旦那様からの指示でございますと…一言。
それ言われちゃ反論出来なくない?
ずるいよね???
渋々……高級そうな宿に入り、マルスが手続きをしている。
ほどなくしてコンシェルジュに案内された部屋は……素晴らしく貴族らしい高級感があり清潔な部屋だった。
まぁ……公爵家の自室の方が凄いから
全然平気だけど。
コンシェルジュに専属侍女を紹介され、お茶をいれてもらった。
「ご主人様、お茶でございます。本日はダージリンになります。ミルクやお砂糖はどうなさいますか?」
宿の専属侍女
「お砂糖一つに、ミルクはいらないよ~ありがとう」
カシウス
「かしこまりました」
「あのさ、名前は?」
カシウス
「あ、これは失礼致しました。私はシスリと申します。宜しくお願い致します」
専属侍女シスリ
「僕は、カシウスだよ」ニコッ
「カシウス様でございますね、お茶をどうぞ」
シスリ
カシウスはマジックバックから薄切りしてあるレモンを取り出して紅茶に入れた。
ふんわりレモンのいい香りがただよう。
「え!!!レモーネ!?」
シスリ
ん?
「美味しいよ?シスリにもあげるから紅茶いれてみたら?僕が許すよ、一緒にお茶をしよう」
カシウス
「ありがとうございます」
シスリ
シスリは嬉しそうに自分に紅茶をいれてお砂糖も一つ入れた。
「はい、シスリの分のレモン」
カシウス
「ありがとうございます!!」
シスリ
うん、元気な子だね~ふふ
嬉しそうにレモンの薄切りを受け取り紅茶に入れて一口飲むシスリ
「どう?僕はこの飲み方好きなのだけど」
カシウス
「美味しいです!!!!!今まで知らなかったなんて損をしていた気分です」
シスリ
「ふふっ、さっぱりしていて美味しいよね。このお菓子もどうぞ?僕の手作りだけど」
カシウス
「!?カシウス様の手作りなのですか?」
シスリ
「うん、僕の趣味なんだ~。お誕生日に僕の部屋にキッチンを作って貰ったんだよ」
カシウス
「凄い……。いただきます」サクッ
シスリ
なにこのクッキー!!!!
めちゃくちゃサクサク………美味しいぃ。
つい仕事を忘れて頬が綻ぶシスリ
ふふ、可愛いな~シスリってどうみても貴族の娘なんだけど。
もう仕事しているの??
「ね、シスリって貴族だよね?」
カシウス
ビクッとシスリの肩が揺れる
「あーー、なんかごめん。言いにくいならいいんだ」
カシウス
だって、シスリって僕とたいして年かわらないんじゃないの??
年下に見えるけど、7歳くらいかな?
こころなしか……耳が尖ってる?
エルフなの?????????
「その………私はその……。貴族だったのですが…。母が亡くなり…その」
シスリ
「うん」
カシウス
プルプル震えながら大きなエメラルド色の瞳には大粒の涙をためている
「母は…エルフだったのですが…。私はその…ハーフエルフでして…人間の父がまた……新たに婚姻を結びまして……放逐されました」
シスリ
放逐…………放逐………放逐!?
ちょっと待って
「シスリって何歳なの???」
カシウス
「あ、はい。見た目はまだ……子どもですが、一応エルフなので実はもう10歳くらいなんです」
シスリ
いや、10歳でも普通に子どもじゃん!!!
てゆうか僕と同じ年だし…年下だと思ったけど。
こんな可愛い子を捨てるなんて………
信じられない。
キラッキラの透けるような白銀の髪にエメラルドの瞳。
なにか力になれないかな……
誰も頼れず……なんとか一人でこの宿で働いてきたシスリ。大きなエメラルドの瞳からはポロポロと涙が溢れた。
「シスリ、良かったらここをやめて少しうちに来てみない?ここよりは安定した給金も入ると思うし、もしかしたらお父様が何か考えてくれるかも」
カシウス
シスリは少し考えてから小さな声で
「カシウス様宜しくお願い致します」グスグス…
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こうして、カシウスの仲間に初めてハーフエルフのシスリが入ったのだった。
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