転生幼児は夢いっぱい

お祖母様

「カシウス、迷惑かけたわね」
お祖母様



「お祖母様！！わたくしは迷惑などかけていませんわ！従兄の所に遊びに来ただけよ……」
シンシア

ｺﾞﾎﾝ


「カシウス様、こちらは陛下からになります」
側近



「父上が？」
カシウス


側近は微笑みコクンと頷いてから１つの箱をカシウスに手渡す。



「後で部屋で開けるね」
カシウス



「はい、その方がよろしいかと」
側近




「カシウス様……」
シンシア




「シンシア姫、ごめん。自分でもよく分からないんだけどさ。僕と君は近づかない方がいいと僕の心が言っているんだ。本当申し訳ない」
カシウス



「そんなぁ…」ｸﾞｽｯ
シンシア



カシウスの発言に祖母も側近も息を飲む。　

だってあの事実はカシウスは知らされていないから。



「まだ、帰りたくありませんわ……わたくしは」
シンシア



「シンシア……」
祖母


兄と知らないシンシアを少しだけ不憫に思う祖母だがここはカシウスとシルビアの為に心を鬼にしなければならない。


「んーー。」
カシウス


カシウスは少し考える。何か特段嫌な事をされた訳ではないのにここまで避けるのは自分が彼女に対して何故か嫌悪感があるからだ。


「では、今回だけあと1日なら許可を致します。」
カシウス


シンシアはぱあぁぁぁと笑顔になる


「カシウス、ごめんなさいね。私もあと1日滞在するわ」
祖母


カシウスは困ったような笑顔を祖母に向けて
部屋に戻った。





まったくあの子（シンシア）には困ったものねぇ

どうしてあそこまでカシウスに執着するのかしら。


あの子にない色をもっているからなのか、それとも血かのかしら。父違いとはいえ、双子だものね


カシウスが絡まなければ真面目でいい子なのに。


アミリアは侍女がいれた紅茶を飲みながら溜め息をついた。




その頃カシウスは



「カシウス様、姫にあと1日許可されて良かったのですか？」
カミル




「んーー。だってさそもそもシンシア姫に何かされた訳ではないのに、なんか可哀想な気がしてきて」
カシウス



「優しいのはカシウス様の良いところですが…」
カミル



あの手の女は一度優しくするとろくなことにならないような気がする。


カミルの額にシワがよる。
　　


「やっぱり微妙な選択だったかな」
カシウス



「カシウス様の言うことも一理ありますし、私たちがフォローしますので大丈夫です」
カミル



「ありがとう」
カシウス　



ふぅ～と息を吐きベッドに寝転んだ。



「では私は下がらせていただきます」　
カミル



「うん、カミルありがとう」
カシウス



部屋に一人になったカシウスはシンシアの事を考えていた。


どうしてあんなに嫌悪感があるのか自分の中にある気持ちが理解出来ない不思議な現象



あのストーカーの女なのだろうか？


カミルやディアは似ていると言うけど、まだ
そこはピンときていない。


あのストーカー女の方がしたたかなイメージだからかなぁ。



結局カシウスは答えにたどり着くことはできるはずもなくそのままスヤスヤと昼寝をしてしまったのだった。