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シナモンと

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「ただいま~」

「はい、お帰り~」

「なによ、その合いの手…シナモンも今帰ってきたんじゃないの!」クスクス

「いいだろ~その方が」

「まぁ…」クスクス

「パン食べるか?」

「食べる食べる!珈琲いれるよ」

「おう!ありがとう」


二人分珈琲をいれて、二人で
ゆっくりパンを食べる。


「なぁ、なんで俺を置いて出掛けたんだ?」

「ん?たまにはシナモンにも休みがないと可哀そうだなと思ったし、別に…一人でも平気だと思ったから…」

「なるほどな~でも俺コットンの側にいるの落ち着くし、仕事って思ってないから」


「え!?」

「仕事というよりは、大切な恋人だから守りたいって感じかな」

大切な恋人…………うっそ……

かあぁぁと赤くなる


「おい…今更赤くなるのかよ…こっちが照れるだろ!!」

「だって…シナモンが初恋だしさ~」

「は?俺の初恋もコットンだし!」

「振ったくせに!!!」ギロッ

「それは、お前の父上に命令されたんだよ!!!めちゃくちゃ不本意だったんだ!!」

「………なんでお父様ひどいわよね……」

「俺もよくわかんないんだよ…」

「そう……」

「まぁ、アレじゃね?俺達が早くくっつくと、地上の人間の婚約者を作らないと思ったんだと思うけどな」

「あーーーー確かにね」


「それしか理由ないだろ?」

「そうね」

「このパンうまい、半分食べる?」

「食べる!!」

「とろりとしたチーズが最高」

「本当!!!めちゃくちゃ美味しい」

「あそこのパン屋は当たりだな」

「そうね、全て美味しいわ」


「明日の日曜はどうする?」

「んーーー」

「予定ないならさ、俺と出掛けない?」

「ん?いいけどどこに行くの?」

「ちょっと飛んで行ってみたい所があってさ」

「飛んで!!行くいく!」

久しぶりに空を飛んで出かけたいわ~

「なら、明日約束な?ここに来るから用意をしておいて」

「はーい」

「じゃ、部屋に戻るわ、また明日な」

「うん、また明日」

パタン

明日楽しみだな~!!

ふふ!

まだ夕飯まで時間あるし

珈琲の焙煎でもして詰めよう


何袋か作り、しまっておく。

夕食を買ってきた串焼きで済ませてお風呂に入り、さっさと寝る。

おやすみなさい!!

翌朝


昨日買ってきたパンで朝食を澄ませて支度をした。

よし!!準備オッケーー!!
羽も出した。

パッ

「お、準備オッケーか?」

「オッケーよ!!」

「よし、なら飛ぶぞ」

「おー!!」

窓から二人とも飛び出す。


「ん~気持ちいい!!!やっぱり飛ぶのは最高よね!」


「だな~たまに飛びたくなるよな!」

「ね、どこに行くの?」

「ん?ちょっとコットンが好きそうな所を見つけてさ、あの山の頂上だ」

「山の頂上!!!ワクワクするわ!!」

二人で山の頂上を目指して飛んでいく。

しばらく飛んで、ようやく着いた。

「うわぁぁ、すっごく綺麗な所ね!!!」

山の頂上は、鏡のような湖と
あたり一面花畑になっていた。

「だろ?コットンが好きだと思ったんだ~」

シナモンが敷物を敷いてくれる


敷物の上に持ってきた珈琲を
カップに注ぎ、作っておいたサンドウィッチも出した。


「うぉ、うまそー!!!」

「ふふ、召し上がれ~」

「いただきまーす」

お天気もいいしピクニック最高ね。

「空気も澄んでてとても気持ちいいわ」

「ホントだな~誰もいないしな」

「ここは穴場ね」

「ま、山の頂上なんてなかなか来れないよ」クスクス

「確かに……鳥さんくらいよね」

チュンチュン

「まぁ、可愛い~肩に乗ってくれるの?」

ピッピッ

「ふふ、ありがとう」ニコッ

「ずいぶん人懐っこい鳥だな」

「愛らしいわ」

顔に頬ずりしてくれてどこかに飛んでいった。

「綺麗な鳥だったな」

「そうね、顔が黄色で体は青と黄色と少しグリーンがかっていたわね」

「どこまでも自由に飛べて俺達と同じだな」

「そうね」ニコッ
小さな小鳥さん、幸せに沢山
お空を羽ばたいてね。

「さ、どうする?」

「少し花を摘んで行こうかしら」

「俺も手伝うよ」

色とりどりの花を沢山摘んで
空を飛んで帰宅した。

「今日はありがとう、シナモン楽しかったわ」

「俺も楽しかったよ、またな」

パッ

摘んだ花を花瓶に入れて飾る。


ん~楽しかったなぁ!!

トントン

「はい?」

「コットンいる?」

「あ、まーちゃんいるよ~」

ガチャ

「今日ちょっと街に行ってきたからお土産」

「あ、ありがとう!!」

まーちゃんが今街で流行ってる
アップルパイを買ってきてくれた。

「珈琲いれるね~」

「ありがとう!」

二人分珈琲を入れて、まーちゃんがくれたアップルパイを皿に並べた。


「いただきまーす」

「いただきまーす!」

パクっ
パクっ

「すっごく美味しい!!!」

「本当ね!!カスタードクリームがいい感じ!!!」

「ん~幸せ」

「りんごの酸味とカスタードの甘さが絶妙よね!!」

「ここどこの店?」

「街のパン屋の隣の店よ」

「パン屋には行ったのに!!!今度行ってみる!!」

「私も行くわ!!一緒に!」

「じゃ、次の休みは一緒に出掛ける?」

「出掛ける出掛ける!!」

「食べ歩きしたい!!」

「いいね~!!ふふふ」

二人で色々と計画を練った。
もちろん、シナモンにも声をかけないとね~。

翌日は、一時間目からコットンの授業…。

今回の授業は魔力回復薬の
作り方。

もちろん全員成功!!!
この授業を始めてからだいぶ
皆もコツを掴んできたみたい!
何気に……いつもバゲットも
生徒にまざって授業を受けているのが気になるけど……苦笑
お陰様で、カルヴァも錬金が
上手になった。毎日の特訓のおかげね!

「コットンのお陰で!!錬金が出来るようになったよ!!ありがとう!!」

「ふふ、カルヴァが頑張ったからよ」

「コットンあっての頑張りさ!!また宜しく!」

「もう、放課後はいいんじゃない?じゅうぶんでしょ」


「!?」

「私も色々と忙しいのよ~」

「そ、そうだよな……」シュン


「まぁ…時間があるときは見るから…ねっ」

「うん、ありがとう」



こうして…毎日放課後練習からは解放され!!
すこーし負担が減ったコットン!良かったーー


「とっても嬉しそうね、コットン」クスクス

「だって、放課後のんびりしたいし」クスクス

「カルヴァンは、コットンに会える口実が無くなって寂しそうだったけど」苦笑

「毎日教室で会えるでしょ」

「それはまた少し違うと思うけど…」苦笑

「そ、そうよね…」

「クスクス 婚約者達とコットンとの温度差の違いが…面白いわ」

「えー!!!そんなにかなー」

「そんなによ」苦笑

まーちゃんと女子トークをして
この日の放課後をゆっくり過ごせたコットンだった。

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