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秘密の聖女が皇太子殿下から債権利息をふんだくる件 1
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また面倒ごとが舞い込んできた。
その朝、届けられた一通の書簡に目を通してハーミアはそうぼやく。
「ねえ、サーラ。
また帝都まで来るようにと、陛下直々の書簡が来たわよ‥‥‥」
公務室のイスの後ろに立つ侍女に、ハーミアはそう言い書簡をヒラヒラと舞わせた。
まったくあんな馬鹿な息子を追い出したという噂も聞こえてこない昨今。
まだあの元婚約者は帝都で大手を振って歩いているに違いない。
先月のあの事件を思い出すたびに、イライラと怒りがわいてくる。
書簡を持つ手が震えだすのを見て、侍女は主の怒りのとばっちりをくらわないようにしようとしていた。
「あのねえ‥‥‥。
まさかわたしだってこんな城内にいて、魔法を暴走させるわけないでしょ?
転送魔法の魔法陣なんて展開してどこに逃げる気なの?」
何なら、その転送先に全部の怒りをまとめた魔法をぶつけてもいいのよ?
ハーミアはふふん、と鼻で笑いながらそう言ってやる。
「奥様、もう勘弁してくださいよ。
そんなことされたら、あのリータップ山脈まで逃げたって‥‥‥」
「逃げたって何よ?
そんなに大した威力じゃないでしょ?
お前がお止めなさい」
「そんなあ‥‥‥ひどいですよ、奥様。
前回の時だって、あの二百エダ(一エダは一メートル換算)の小山を一撃で崩壊させたじゃないですか。
おかげであたしのウロコがボロボロに‥‥‥」
あの時は回復に二か月もかかったんですよ?
自慢のウロコなのに、おかげでオスたちにも小ばかにされるし。
そう嘆く侍女は、次の帝都行きの際には別の侍女を同行させるべきかもしれないと思い出していた。
もし‥‥‥
そう、ハーミアが聖女かどうかは別にして、あの皇太子殿下の愚行を陛下に奏上したとしたら。
その際に、陛下がああ、もう終わったことだ。
許せよ、程度にしか言わなかったとしたら。
「次はとばっちり喰らってウロコだけじゃ済まないかもしれないわ‥‥‥
まだ、好きなオスにすら出会えてないのにー」
そう小声で嘆く侍女に女公爵は呆れた視線を向ける。
全部、聞こえているんだけどなあ、この抜けた侍女は。
そう思いながら。
「あのねえ、サーラ。
そういうなら、誰に交替させるの?」
サーラ以外に竜族であり、いまは人間に変じている侍女数名をハーミアが見渡す。
誰もがサーラと似たり寄ったりの歳月を共に尽くしてくれたものばかりだ。
「レイラ、クルーゼ、アイリス、オービエ。
誰でもいいわよ?
でも、あの小山程度で済むかは知らないけどね?」
意地悪く微笑んでやると、全員が苦笑いをしていた。
その役目は是非、サーラが受けます、と。
四人は逃げ出そうとする侍女をつかまえて、ハーミアの元へと差し出した。
「あ、あんたたち!!??
ひどいわーー!!
そんな‥‥‥生贄みたいなことーー」
「はいはい。
そんなことしないから、あなたが皇太子殿下に御挨拶をした際に、軽く振れて電撃をくらわせておけば。
わたしはそれでいいのよ。
そうでしょ?」
ね?
そう微笑む主人はまるで悪魔のように微笑んでいた。
「それなら‥‥‥。
あ、そういえばあの大公様ですけど。
面白い話を耳にしましたよ」
サーラは帝都に置いてある、公爵家の別邸に姉がいる。
そこから多くの情報を仕入れていた。
またろくでもないことなんでしょ?
あのブタ大公様がなにをしようと、わたしには関係ないわ。
ハーミアはそう興味が無いと言うがーー
「ふふん、そうでもないんですよ、奥様。
あの大公様、どうも債権を売りたがっているらしいんですよ」
「債権?
あのわたしを賭けの対象にしたという、あれの話?」
「そうです、そうです。
あのブタ、あ、いえ。
ザイール大公様。
兄君であらせられる皇帝陛下に、紳士クラブの件がバレたらしいんですね」
「ふーん、だからどうなの?
お咎めを受けるか、叱責をされる程度でしょ?」
いえいえ、とんでもないんですよ、それが。
勿体ぶってサーラは面白そうに笑いだす。
「その賭けが行われた夜ですけど。
奥様を賭けの対象にすることを、大公様は最初、拒否されたんですね。
でも、皇太子殿下にどうしてもと言われるから
『次期皇帝としての命令』、の名目で受けたらしいんですよ」
え?
ちょっと待ちなさいよ?
ハーミアは途端、顔色が変わってしまった。
「それは何?
エミリオ皇太子殿下が勝手に皇帝を名乗ったのと同じことじゃない。
しかも、ザイール大公様がそれを受けたということは‥‥‥」
「そうなんです。
殿下はとりあえずの次期皇帝。
血縁の王族にはまだ二番目、三番目もいる中で皇帝陛下の弟君である大公様が殿下の後見人になった。
そう噂されるようになったんですよ」
「つまり、帝位を継いだ後は、大公様が裏で帝国を操る。
そう見られてもおかしくないわけね‥‥‥それは一大事だわ」
そんなことになれば、皇帝陛下は暗殺を恐れ、今すぐにでも大公を投獄しようとするだろう。
でも、あの座れば腹のうえに顔が乗るような男にそこまでの度胸はーー
「ないわよねえ‥‥‥」
「へ?
なにがないんですか?」
侍女は不意の発言に問い返すが、ハーミアは何でもないわ。
そう言い、しかし、そうなると自分にも何かのとばっちりを喰らう可能性がある。
そう思い始めた。
あの場から怒りで大公を連れて去ったことが、結果的には周囲に共謀している。
そう見られてもおかしくないからだ。
「それで陛下はどうなさったの?」
「はい、皇帝陛下は大公様をきつく叱られまして。
賭けをした全てを戻すようにと。
そして、謹慎を申し付けたかったらしいんですけど。
その戻すものが問題なんですよ。
権利がですねーー」
「ああ、そういうことね。
どうせ譲渡契約書など交わしているから、物は戻っても皇太子殿下の名義ではなく大公様のまま。
殿下は借りている状態な訳ね。
ふうん‥‥‥貸主は大公様なんだ。
利息分の取り立て程度には使えるわね」
ハーミアはにやりと笑い、サーラに命じた。
この辺境国の国王の資産を甘く見た罰を与えてやるのよ、あのバカ皇太子殿下に!
そう怒りながら、大公から譲渡契約書の買い取りを申し出るように、と。
「竜族は黄金が大好き、鉱石も、宝石も。
そんなものたちが住まう土地に隣接していて、鉱山資源が豊富な我が家の財力を見せつけてやるわ!!!
いい、サーラ。
譲渡契約書作成し、大公閣下にお前の姉のレベッカを通じて打診しなさい。
このクルード女公爵ハーミアが皇太子殿下の債権を買い取るとね!!!
それで大公閣下は皇帝陛下からの怒りから逃れられる。
あの皇太子殿下から生涯に渡って搾り取ってやるわよ‥‥‥利息をね!!!」
婚約破棄の鬱憤をようやく晴らす絶好の機会だ。
ハーミアの胸は高らかに勝利を確信していた。
最高のざまあ報復を与えてやるわ、と‥‥‥!!!
その朝、届けられた一通の書簡に目を通してハーミアはそうぼやく。
「ねえ、サーラ。
また帝都まで来るようにと、陛下直々の書簡が来たわよ‥‥‥」
公務室のイスの後ろに立つ侍女に、ハーミアはそう言い書簡をヒラヒラと舞わせた。
まったくあんな馬鹿な息子を追い出したという噂も聞こえてこない昨今。
まだあの元婚約者は帝都で大手を振って歩いているに違いない。
先月のあの事件を思い出すたびに、イライラと怒りがわいてくる。
書簡を持つ手が震えだすのを見て、侍女は主の怒りのとばっちりをくらわないようにしようとしていた。
「あのねえ‥‥‥。
まさかわたしだってこんな城内にいて、魔法を暴走させるわけないでしょ?
転送魔法の魔法陣なんて展開してどこに逃げる気なの?」
何なら、その転送先に全部の怒りをまとめた魔法をぶつけてもいいのよ?
ハーミアはふふん、と鼻で笑いながらそう言ってやる。
「奥様、もう勘弁してくださいよ。
そんなことされたら、あのリータップ山脈まで逃げたって‥‥‥」
「逃げたって何よ?
そんなに大した威力じゃないでしょ?
お前がお止めなさい」
「そんなあ‥‥‥ひどいですよ、奥様。
前回の時だって、あの二百エダ(一エダは一メートル換算)の小山を一撃で崩壊させたじゃないですか。
おかげであたしのウロコがボロボロに‥‥‥」
あの時は回復に二か月もかかったんですよ?
自慢のウロコなのに、おかげでオスたちにも小ばかにされるし。
そう嘆く侍女は、次の帝都行きの際には別の侍女を同行させるべきかもしれないと思い出していた。
もし‥‥‥
そう、ハーミアが聖女かどうかは別にして、あの皇太子殿下の愚行を陛下に奏上したとしたら。
その際に、陛下がああ、もう終わったことだ。
許せよ、程度にしか言わなかったとしたら。
「次はとばっちり喰らってウロコだけじゃ済まないかもしれないわ‥‥‥
まだ、好きなオスにすら出会えてないのにー」
そう小声で嘆く侍女に女公爵は呆れた視線を向ける。
全部、聞こえているんだけどなあ、この抜けた侍女は。
そう思いながら。
「あのねえ、サーラ。
そういうなら、誰に交替させるの?」
サーラ以外に竜族であり、いまは人間に変じている侍女数名をハーミアが見渡す。
誰もがサーラと似たり寄ったりの歳月を共に尽くしてくれたものばかりだ。
「レイラ、クルーゼ、アイリス、オービエ。
誰でもいいわよ?
でも、あの小山程度で済むかは知らないけどね?」
意地悪く微笑んでやると、全員が苦笑いをしていた。
その役目は是非、サーラが受けます、と。
四人は逃げ出そうとする侍女をつかまえて、ハーミアの元へと差し出した。
「あ、あんたたち!!??
ひどいわーー!!
そんな‥‥‥生贄みたいなことーー」
「はいはい。
そんなことしないから、あなたが皇太子殿下に御挨拶をした際に、軽く振れて電撃をくらわせておけば。
わたしはそれでいいのよ。
そうでしょ?」
ね?
そう微笑む主人はまるで悪魔のように微笑んでいた。
「それなら‥‥‥。
あ、そういえばあの大公様ですけど。
面白い話を耳にしましたよ」
サーラは帝都に置いてある、公爵家の別邸に姉がいる。
そこから多くの情報を仕入れていた。
またろくでもないことなんでしょ?
あのブタ大公様がなにをしようと、わたしには関係ないわ。
ハーミアはそう興味が無いと言うがーー
「ふふん、そうでもないんですよ、奥様。
あの大公様、どうも債権を売りたがっているらしいんですよ」
「債権?
あのわたしを賭けの対象にしたという、あれの話?」
「そうです、そうです。
あのブタ、あ、いえ。
ザイール大公様。
兄君であらせられる皇帝陛下に、紳士クラブの件がバレたらしいんですね」
「ふーん、だからどうなの?
お咎めを受けるか、叱責をされる程度でしょ?」
いえいえ、とんでもないんですよ、それが。
勿体ぶってサーラは面白そうに笑いだす。
「その賭けが行われた夜ですけど。
奥様を賭けの対象にすることを、大公様は最初、拒否されたんですね。
でも、皇太子殿下にどうしてもと言われるから
『次期皇帝としての命令』、の名目で受けたらしいんですよ」
え?
ちょっと待ちなさいよ?
ハーミアは途端、顔色が変わってしまった。
「それは何?
エミリオ皇太子殿下が勝手に皇帝を名乗ったのと同じことじゃない。
しかも、ザイール大公様がそれを受けたということは‥‥‥」
「そうなんです。
殿下はとりあえずの次期皇帝。
血縁の王族にはまだ二番目、三番目もいる中で皇帝陛下の弟君である大公様が殿下の後見人になった。
そう噂されるようになったんですよ」
「つまり、帝位を継いだ後は、大公様が裏で帝国を操る。
そう見られてもおかしくないわけね‥‥‥それは一大事だわ」
そんなことになれば、皇帝陛下は暗殺を恐れ、今すぐにでも大公を投獄しようとするだろう。
でも、あの座れば腹のうえに顔が乗るような男にそこまでの度胸はーー
「ないわよねえ‥‥‥」
「へ?
なにがないんですか?」
侍女は不意の発言に問い返すが、ハーミアは何でもないわ。
そう言い、しかし、そうなると自分にも何かのとばっちりを喰らう可能性がある。
そう思い始めた。
あの場から怒りで大公を連れて去ったことが、結果的には周囲に共謀している。
そう見られてもおかしくないからだ。
「それで陛下はどうなさったの?」
「はい、皇帝陛下は大公様をきつく叱られまして。
賭けをした全てを戻すようにと。
そして、謹慎を申し付けたかったらしいんですけど。
その戻すものが問題なんですよ。
権利がですねーー」
「ああ、そういうことね。
どうせ譲渡契約書など交わしているから、物は戻っても皇太子殿下の名義ではなく大公様のまま。
殿下は借りている状態な訳ね。
ふうん‥‥‥貸主は大公様なんだ。
利息分の取り立て程度には使えるわね」
ハーミアはにやりと笑い、サーラに命じた。
この辺境国の国王の資産を甘く見た罰を与えてやるのよ、あのバカ皇太子殿下に!
そう怒りながら、大公から譲渡契約書の買い取りを申し出るように、と。
「竜族は黄金が大好き、鉱石も、宝石も。
そんなものたちが住まう土地に隣接していて、鉱山資源が豊富な我が家の財力を見せつけてやるわ!!!
いい、サーラ。
譲渡契約書作成し、大公閣下にお前の姉のレベッカを通じて打診しなさい。
このクルード女公爵ハーミアが皇太子殿下の債権を買い取るとね!!!
それで大公閣下は皇帝陛下からの怒りから逃れられる。
あの皇太子殿下から生涯に渡って搾り取ってやるわよ‥‥‥利息をね!!!」
婚約破棄の鬱憤をようやく晴らす絶好の機会だ。
ハーミアの胸は高らかに勝利を確信していた。
最高のざまあ報復を与えてやるわ、と‥‥‥!!!
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