殿下、あなたが借金のカタに売った女が本物の聖女みたいですよ?

 聖女認定の儀式をするから王宮に来いと招聘された、クルード女公爵ハーミア。
 数人の聖女候補がいる中、次期皇帝のエミリオ皇太子と婚約している彼女。
 周囲から最有力候補とみられていたらしい。
 未亡人の自分でも役に立てるならば、とその命令を受けたのだった。
 そして、聖女認定の日、登城した彼女を待っていたのは借金取りのザイール大公。
 女癖の悪い、極悪なヤクザ貴族だ。
 その一週間前、ポーカーで負けた殿下は婚約者を賭けの対象にしていて負けていた。
 ハーミアは借金のカタにザイール大公に取り押さえられたのだ。
 そして、放蕩息子のエミリオ皇太子はハーミアに宣言する。
「残念だよ、ハーミア。
 そんな質草になった貴族令嬢なんて奴隷以下だ。
 僕はこの可愛い女性、レベン公爵令嬢カーラと婚約するよ。
 僕が選んだ女性だ、聖女になることは間違いないだろう。
 君は‥‥‥お払い箱だ」
 平然と婚約破棄をするエミリオ皇太子とその横でほくそ笑むカーラ。
 聖女認定どころではなく、ハーミアは怒り大公とその場を後にする。
 そして、聖女は選ばれなかった.
 ハーミアはヤクザ大公から債権を回収し、魔王へとそれを売り飛ばす。
 魔王とハーミアは共謀して帝国から債権回収をするのだった。
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