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第一章 婚約破棄と新たなる幸せ
第四話 突然の婚約破棄
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舞台は音楽隊が奏でる演奏会へと移ります。
わたしたちは、互いが互いにゆっくりと歩み出します。
丁度、真ん中。
広間で言えば、二階へと上がる階段の入り口の手前で両者は歩みを止めます。
そして、一礼。
両国の令息同士がまず、深く挨拶を交わし、その列を入れ替わります。
そうすると、両国の身分に相応しい相手と令息・令嬢が顔合わせを自然に行えるように。
今回、枢軸連邦の提案したお見合いという名の、身分の相応しい相手を選ばせるように見せかけた、半強制的な政略結婚。
その事前の、お披露目会。
それがこの帝国領ハーベスト大公家の晩餐会の主賓たる目的でした。
そして、叔父様、もとい義理のお父様になられたハーベスト大公ユンベルト。
彼は、帝国の政治の中心となる議会のまとめ役でもある宰相職にも就いています。
つまり、このお披露目会でのわたしの失敗。
もし、そうなれば、ハーベスト大公家の恥でもあり、帝国の恥にもなります。
だから、ここでしっかりしなくてはーー!!
わたしは高鳴る胸を抑え込むと、目の前で微笑む未来のだんな様にご挨拶をー
するはず‥‥‥でした。
でも見てしまったのです。
彼の瞳に映る、わたしの容姿、身にまとうドレスへの嫌悪感。
そばによるな、下賤の存在。
そのような言葉が、いまにも投げかけられそうな気がしました。
しかし、挨拶を怠ることはできません。
「お会いできて光栄でございます。
健伯たる、フレゲード侯爵令息シルド様。
ハーベスト大公家第一公女ユニスと申します。
どうぞ、お見知りおきを」
スカートの裾を掴み、優雅に、優雅に、と。
そう念じながら、わたしは深く一礼を申し上げます。
そして彼もまた、わたしの心を射止めるような挨拶をくれたのでした。
「これは、美しい御令嬢ですな。
そなたの赤い髪、緑の瞳。
まるで南方の密林と夕焼けを思わせる程に優雅ですな。
初めまして、ユニス殿。
ムゲール王国はフレゲード侯爵家第三令息シルド、と申します。
詩歌などをたしなむよりは、馬術などに興味がある無作法な男ですがどうか、お見知りおきを」
彼のわたしを褒め称える言葉は、あまりにも大層だったとはいえーー
わたしの心をときめかせるには充分なものでした。
こうして、一応の挨拶が済むと、わたしたちは互いの列を内側と外側で四列。
それぞれ、別々のいうなれば、内側から右回り、次の列は左回り、と。
円を描くようにして、音楽隊の演奏にあわせーー
緩やかに、とめどなく。
軽やかに、優雅に。
舞踏会は始まりを告げました。
数回のペアを変えて踊ったあと。
わたしたちは再度、集まります。
同じように列を組み、挨拶をして。
そうしてそこからは、互いの婚約者であったり、気になった女性であったり。
中には政治的な会話が交わされる組も、見受けられます。
そんな中でした。
わたしをときめかせた彼。
ムゲール王国はフレゲード侯爵家、第三令息シルド様。
どこのグループにも行けず、妹と二人いたわたしたちに向かってこられた彼が発したこの言葉はーー
「ユニス、すまないが僕は運命の出会いをしてしまった。ここで婚約は破棄させてもらう」
ーーでした!!?
そして、彼の向かった先には妹がいて彼はエイシャの片手を取り、ひざまづいてこう言ったのです。
「その蒼穹を思わせる瞳。
すべての光を吸いこむような漆黒の髪。私はそなたに運命を感じました。
ムゲール王国はフレゲード侯爵家第三令息シルドと申します。
どうか、御名前をーー」
と‥‥‥
わたしたちは、互いが互いにゆっくりと歩み出します。
丁度、真ん中。
広間で言えば、二階へと上がる階段の入り口の手前で両者は歩みを止めます。
そして、一礼。
両国の令息同士がまず、深く挨拶を交わし、その列を入れ替わります。
そうすると、両国の身分に相応しい相手と令息・令嬢が顔合わせを自然に行えるように。
今回、枢軸連邦の提案したお見合いという名の、身分の相応しい相手を選ばせるように見せかけた、半強制的な政略結婚。
その事前の、お披露目会。
それがこの帝国領ハーベスト大公家の晩餐会の主賓たる目的でした。
そして、叔父様、もとい義理のお父様になられたハーベスト大公ユンベルト。
彼は、帝国の政治の中心となる議会のまとめ役でもある宰相職にも就いています。
つまり、このお披露目会でのわたしの失敗。
もし、そうなれば、ハーベスト大公家の恥でもあり、帝国の恥にもなります。
だから、ここでしっかりしなくてはーー!!
わたしは高鳴る胸を抑え込むと、目の前で微笑む未来のだんな様にご挨拶をー
するはず‥‥‥でした。
でも見てしまったのです。
彼の瞳に映る、わたしの容姿、身にまとうドレスへの嫌悪感。
そばによるな、下賤の存在。
そのような言葉が、いまにも投げかけられそうな気がしました。
しかし、挨拶を怠ることはできません。
「お会いできて光栄でございます。
健伯たる、フレゲード侯爵令息シルド様。
ハーベスト大公家第一公女ユニスと申します。
どうぞ、お見知りおきを」
スカートの裾を掴み、優雅に、優雅に、と。
そう念じながら、わたしは深く一礼を申し上げます。
そして彼もまた、わたしの心を射止めるような挨拶をくれたのでした。
「これは、美しい御令嬢ですな。
そなたの赤い髪、緑の瞳。
まるで南方の密林と夕焼けを思わせる程に優雅ですな。
初めまして、ユニス殿。
ムゲール王国はフレゲード侯爵家第三令息シルド、と申します。
詩歌などをたしなむよりは、馬術などに興味がある無作法な男ですがどうか、お見知りおきを」
彼のわたしを褒め称える言葉は、あまりにも大層だったとはいえーー
わたしの心をときめかせるには充分なものでした。
こうして、一応の挨拶が済むと、わたしたちは互いの列を内側と外側で四列。
それぞれ、別々のいうなれば、内側から右回り、次の列は左回り、と。
円を描くようにして、音楽隊の演奏にあわせーー
緩やかに、とめどなく。
軽やかに、優雅に。
舞踏会は始まりを告げました。
数回のペアを変えて踊ったあと。
わたしたちは再度、集まります。
同じように列を組み、挨拶をして。
そうしてそこからは、互いの婚約者であったり、気になった女性であったり。
中には政治的な会話が交わされる組も、見受けられます。
そんな中でした。
わたしをときめかせた彼。
ムゲール王国はフレゲード侯爵家、第三令息シルド様。
どこのグループにも行けず、妹と二人いたわたしたちに向かってこられた彼が発したこの言葉はーー
「ユニス、すまないが僕は運命の出会いをしてしまった。ここで婚約は破棄させてもらう」
ーーでした!!?
そして、彼の向かった先には妹がいて彼はエイシャの片手を取り、ひざまづいてこう言ったのです。
「その蒼穹を思わせる瞳。
すべての光を吸いこむような漆黒の髪。私はそなたに運命を感じました。
ムゲール王国はフレゲード侯爵家第三令息シルドと申します。
どうか、御名前をーー」
と‥‥‥
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