13 / 150
第一章 婚約破棄と新たなる幸せ
第十二話 晴れ行く恨み
しおりを挟む
「で、どうなのだ、シェイルズ。
父上はどのように?」
殿下の問いかけに、ルサージュ侯は大きくため息をつかれます。
「いいか、イズバイア。
騎士団見習いからだから、もう10年近い仲だから言わせてもらうがな。
あのバカ侯爵の誰だーー
ああ、そうだ、フレゲード侯だったな。
あれのふざけた酔狂のために、帝国をかけるような真似はーー!!」
やはり、そうでした。
周囲の方々は、殿下の判断をよしとはされていないご様子。
わたしは、己の不始末を詫びます。
「大変申し訳ございません。
ルサージュ侯。すべてはあの場を諫めれなかったこの、ユニスの失態でございます‥‥‥」
深々とわたしは罰を受ける罪人のように床に膝をつき、非礼を詫びました。
しかし、これはルサージュ侯には迷惑だったようで、すぐに立たされてしまいます。
「ユニス公女様。
あなたは今は格上の御方なのです。
格下の私に膝を折る等、もってのほか。
早く、伯爵令嬢から大公家公女としての自覚をもっていただかなくてはーー」
と、呆れるように諭されます。
「はいー‥‥‥」
返す言葉がありません。
身分・格式。それがこれほど難しいとは。
世間知らずのわたしには、まだまだ不勉強なことばかりです。
「そうだ、イズバイア。
皇帝陛下は笑っておられたぞ。
四大公家のうち、二家との大きな繋がりができた、よくやった、とな」
まったく。親子揃って大胆なかたがただ。
そうルサージュ侯はぼやかれます。
多分、戦場でもこの調子なのでしょう。
殿下は本当に、周りの人々に恵まれていらっしゃいます。
「まあ、皇帝陛下がそうおっしゃられたのならばーー
遠慮はいらんな」
そう、殿下は呟かれました。
遠慮はいらない?
第二幕を上げる言われたあの宣言といい。
殿下‥‥‥なにを、お考えなのですか?
「シェイルズ、あちら側はどうお答えだ?」
殿下はなぜか、わたしを会場から見えないようにその御姿で隠すようになさいます。
この身長がもう少し低ければーー
殿方にこのようなお気遣いをさせることもなかったのに。
少しだけ、おのれの長身をうらめしく思いました。
「そうだな。
バカはバカなりに、武勲を上げているようだ。
銀鎖の影、という名を知っているか、イズバイア?」
あれ?
とわたしは不思議に思いました。
なぜ、ルサージュ侯は殿下、とお呼びになられないのかと。
貴族の礼儀作法ではーー
あまりにも無礼な行為‥‥‥
「銀鎖の影、か。
エベルング大陸の中間平野を主に守っている騎士団だったな」
「ああ、名ばかりとはいえ侯爵の令息だ。
そこの第三師団長だと、さ。
配下の兵力は約三千」
「まあまあ、だな。
さて、それを補佐すべき人物はーー」
と、殿下の視線は、まだ多くの令息令嬢に囲まれたシルド様とエイシャに。
「いない、か」
「同じ銀鎖の影の第二師団。
そこを率いるエルムンド侯ーー」
と、ルサージュ侯はわたしを見られます。
「ユニス様の妹君を養女に迎えることを承知なされたあの御方は。
元は男爵だったようだ。
たたき上げの武人、といった感だな」
ほう、と殿下は面白そうに言われます。
「王国も、無能ばかりではない、ということだな。
格上の第二師団をエルムンド侯に与えることで、あのバカ息子の抑止力に、か」
「殿下ー‥‥‥」
「何かな、ユニス?」
わたしはつい、口出しをーーそう、あの言葉。
「そのバカ息子を連呼されますとー……」
「心が多少は晴れるだろう?
我が未来の妃殿」
父上はどのように?」
殿下の問いかけに、ルサージュ侯は大きくため息をつかれます。
「いいか、イズバイア。
騎士団見習いからだから、もう10年近い仲だから言わせてもらうがな。
あのバカ侯爵の誰だーー
ああ、そうだ、フレゲード侯だったな。
あれのふざけた酔狂のために、帝国をかけるような真似はーー!!」
やはり、そうでした。
周囲の方々は、殿下の判断をよしとはされていないご様子。
わたしは、己の不始末を詫びます。
「大変申し訳ございません。
ルサージュ侯。すべてはあの場を諫めれなかったこの、ユニスの失態でございます‥‥‥」
深々とわたしは罰を受ける罪人のように床に膝をつき、非礼を詫びました。
しかし、これはルサージュ侯には迷惑だったようで、すぐに立たされてしまいます。
「ユニス公女様。
あなたは今は格上の御方なのです。
格下の私に膝を折る等、もってのほか。
早く、伯爵令嬢から大公家公女としての自覚をもっていただかなくてはーー」
と、呆れるように諭されます。
「はいー‥‥‥」
返す言葉がありません。
身分・格式。それがこれほど難しいとは。
世間知らずのわたしには、まだまだ不勉強なことばかりです。
「そうだ、イズバイア。
皇帝陛下は笑っておられたぞ。
四大公家のうち、二家との大きな繋がりができた、よくやった、とな」
まったく。親子揃って大胆なかたがただ。
そうルサージュ侯はぼやかれます。
多分、戦場でもこの調子なのでしょう。
殿下は本当に、周りの人々に恵まれていらっしゃいます。
「まあ、皇帝陛下がそうおっしゃられたのならばーー
遠慮はいらんな」
そう、殿下は呟かれました。
遠慮はいらない?
第二幕を上げる言われたあの宣言といい。
殿下‥‥‥なにを、お考えなのですか?
「シェイルズ、あちら側はどうお答えだ?」
殿下はなぜか、わたしを会場から見えないようにその御姿で隠すようになさいます。
この身長がもう少し低ければーー
殿方にこのようなお気遣いをさせることもなかったのに。
少しだけ、おのれの長身をうらめしく思いました。
「そうだな。
バカはバカなりに、武勲を上げているようだ。
銀鎖の影、という名を知っているか、イズバイア?」
あれ?
とわたしは不思議に思いました。
なぜ、ルサージュ侯は殿下、とお呼びになられないのかと。
貴族の礼儀作法ではーー
あまりにも無礼な行為‥‥‥
「銀鎖の影、か。
エベルング大陸の中間平野を主に守っている騎士団だったな」
「ああ、名ばかりとはいえ侯爵の令息だ。
そこの第三師団長だと、さ。
配下の兵力は約三千」
「まあまあ、だな。
さて、それを補佐すべき人物はーー」
と、殿下の視線は、まだ多くの令息令嬢に囲まれたシルド様とエイシャに。
「いない、か」
「同じ銀鎖の影の第二師団。
そこを率いるエルムンド侯ーー」
と、ルサージュ侯はわたしを見られます。
「ユニス様の妹君を養女に迎えることを承知なされたあの御方は。
元は男爵だったようだ。
たたき上げの武人、といった感だな」
ほう、と殿下は面白そうに言われます。
「王国も、無能ばかりではない、ということだな。
格上の第二師団をエルムンド侯に与えることで、あのバカ息子の抑止力に、か」
「殿下ー‥‥‥」
「何かな、ユニス?」
わたしはつい、口出しをーーそう、あの言葉。
「そのバカ息子を連呼されますとー……」
「心が多少は晴れるだろう?
我が未来の妃殿」
0
あなたにおすすめの小説
結婚したけど夫の不倫が発覚して兄に相談した。相手は親友で2児の母に慰謝料を請求した。
佐藤 美奈
恋愛
伯爵令嬢のアメリアは幼馴染のジェームズと結婚して公爵夫人になった。
結婚して半年が経過したよく晴れたある日、アメリアはジェームズとのすれ違いの生活に悩んでいた。そんな時、机の脇に置き忘れたような手紙を発見して中身を確かめた。
アメリアは手紙を読んで衝撃を受けた。夫のジェームズは不倫をしていた。しかも相手はアメリアの親しい友人のエリー。彼女は既婚者で2児の母でもある。ジェームズの不倫相手は他にもいました。
アメリアは信頼する兄のニコラスの元を訪ね相談して意見を求めた。
「犯人は追放!」無実の彼女は国に絶対に必要な能力者で“価値の高い女性”だった
佐藤 美奈
恋愛
セリーヌ・エレガント公爵令嬢とフレッド・ユーステルム王太子殿下は婚約成立を祝した。
その数週間後、ヴァレンティノ王立学園50周年の創立記念パーティー会場で、信じられない事態が起こった。
フレッド殿下がセリーヌ令嬢に婚約破棄を宣言した。様々な分野で活躍する著名な招待客たちは、激しい動揺と衝撃を受けてざわつき始めて、人々の目が一斉に注がれる。
フレッドの横にはステファニー男爵令嬢がいた。二人は恋人のような雰囲気を醸し出す。ステファニーは少し前に正式に聖女に選ばれた女性であった。
ステファニーの策略でセリーヌは罪を被せられてしまう。信じていた幼馴染のアランからも冷たい視線を向けられる。
セリーヌはいわれのない無実の罪で国を追放された。悔しくてたまりませんでした。だが彼女には秘められた能力があって、それは聖女の力をはるかに上回るものであった。
彼女はヴァレンティノ王国にとって絶対的に必要で貴重な女性でした。セリーヌがいなくなるとステファニーは聖女の力を失って、国は急速に衰退へと向かう事となる……。
あっ、追放されちゃった…。
satomi
恋愛
ガイダール侯爵家の長女であるパールは精霊の話を聞くことができる。がそのことは誰にも話してはいない。亡き母との約束。
母が亡くなって喪も明けないうちに義母を父は連れてきた。義妹付きで。義妹はパールのものをなんでも欲しがった。事前に精霊の話を聞いていたパールは対処なりをできていたけれど、これは…。
ついにウラルはパールの婚約者である王太子を横取りした。
そのことについては王太子は特に魅力のある人ではないし、なんにも感じなかったのですが、王宮内でも噂になり、家の恥だと、家まで追い出されてしまったのです。
精霊さんのアドバイスによりブルハング帝国へと行ったパールですが…。
田舎娘をバカにした令嬢の末路
冬吹せいら
恋愛
オーロラ・レンジ―は、小国の産まれでありながらも、名門バッテンデン学園に、首席で合格した。
それを不快に思った、令嬢のディアナ・カルホーンは、オーロラが試験官を買収したと嘘をつく。
――あんな田舎娘に、私が負けるわけないじゃない。
田舎娘をバカにした令嬢の末路は……。
タダ働きなので待遇改善を求めて抗議したら、精霊達から『破壊神』と怖れられています。
渡里あずま
ファンタジー
出来損ないの聖女・アガタ。
しかし、精霊の加護を持つ新たな聖女が現れて、王子から婚約破棄された時――彼女は、前世(現代)の記憶を取り戻した。
「それなら、今までの報酬を払って貰えますか?」
※※※
虐げられていた子が、モフモフしながらやりたいことを探す旅に出る話です。
※重複投稿作品※
表紙の使用画像は、AdobeStockのものです。
冤罪をかけられた上に婚約破棄されたので、こんな国出て行ってやります
真理亜
恋愛
「そうですか。では出て行きます」
婚約者である王太子のイーサンから謝罪を要求され、従わないなら国外追放だと脅された公爵令嬢のアイリスは、平然とこう言い放った。
そもそもが冤罪を着せられた上、婚約破棄までされた相手に敬意を表す必要など無いし、そんな王太子が治める国に未練などなかったからだ。
脅しが空振りに終わったイーサンは狼狽えるが、最早後の祭りだった。なんと娘可愛さに公爵自身もまた爵位を返上して国を出ると言い出したのだ。
王国のTOPに位置する公爵家が無くなるなどあってはならないことだ。イーサンは慌てて引き止めるがもう遅かった。
妹に魅了された婚約者の王太子に顔を斬られ追放された公爵令嬢は辺境でスローライフを楽しむ。
克全
恋愛
「カクヨム」と「小説家になろう」にも投稿しています。
マクリントック公爵家の長女カチュアは、婚約者だった王太子に斬られ、顔に醜い傷を受けてしまった。王妃の座を狙う妹が王太子を魅了して操っていたのだ。カチュアは顔の傷を治してももらえず、身一つで辺境に追放されてしまった。
【完結】濡れ衣聖女はもう戻らない 〜ホワイトな宮廷ギルドで努力の成果が実りました
冬月光輝
恋愛
代々魔術師の名家であるローエルシュタイン侯爵家は二人の聖女を輩出した。
一人は幼き頃より神童と呼ばれた天才で、史上最年少で聖女の称号を得たエキドナ。
もう一人はエキドナの姉で、妹に遅れをとること五年目にしてようやく聖女になれた努力家、ルシリア。
ルシリアは魔力の量も生まれつき、妹のエキドナの十分の一以下でローエルシュタインの落ちこぼれだと蔑まれていた。
しかし彼女は努力を惜しまず、魔力不足を補う方法をいくつも生み出し、教会から聖女だと認められるに至ったのである。
エキドナは目立ちたがりで、国に一人しかいなかった聖女に姉がなることを良しとしなかった。
そこで、自らの家宝の杖を壊し、その罪を姉になすりつけ、彼女を実家から追放させた。
「無駄な努力」だと勝ち誇った顔のエキドナに嘲り笑われたルシリアは失意のまま隣国へと足を運ぶ。
エキドナは知らなかった。魔物が増えた昨今、彼女の働きだけでは不足だと教会にみなされて、姉が聖女になったことを。
ルシリアは隣国で偶然再会した王太子、アークハルトにその力を認められ、宮廷ギルド入りを勧められ、宮仕えとしての第二の人生を送ることとなる。
※旧タイトル『妹が神童だと呼ばれていた聖女、「無駄な努力」だと言われ追放される〜「努力は才能を凌駕する」と隣国の宮廷ギルドで証明したので、もう戻りません』
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる