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第二章 王国の闇と真の悪
第四十四話 三角洲の価値
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シルドは得意気に話を続ける。
「みろ、これだけの大きな潮の流れがあの島を作っているのだ。
ミスリル鉱石は水より重い。
堆積するならそう、この辺りーー」
彼が指差したのは、まさしく、枢軸連邦の領内に流れる大河の小さな島々だった。
「もちろん、あそこにはミスリル鉱石はある。
島の大部分はそうと言ってもいい。
だが、所詮は端数が寄り集まった、純度の低いまがいものだ。
利用価値がない。
だから、俺も興味がない。
婚約破棄のあとにエイシャ、いやいまはミレイアか。
その輿入れに代価を寄越せ、公国に恥をかかせて。
そう言われれば、さっさと渡す気でいたのさ」
なんと呆れたやつだお前は。
そんなことを俺にもなぜ、教えてくれなかった?
そうエルムンド侯はシルドに詰め寄る。
「だってなあ。
不器用な貴公だ。そんな裏の話を知っていればどこかでボロが出るだろう?」
「だからあの時、これも三角洲を渡すためだ。
養女の件を承諾しろと俺に言ったのか?」
確かに俺は不器用だが‥‥‥
エルムンド侯は声が出ない。
「まあ、そういうことだ。
3つ目は、あの場には皇太子殿下の持つ騎士団、闇の牙の連中がすでに配置されていたからだ。
大司教閣下はテラスから落とせばよいなどど、言われたがな。
そんなことをすれば、こちらの王族、貴族の令息令嬢ともどもーー」
「皆殺し、か‥‥‥まあ、あの配置は俺も途中から気づいてはいたがな」
その通りだ。
そうシルドは悩ましそうにうなづいた。
「その危険は犯せなかった。
‥‥‥だからだ」
だが待て、とエルムンド侯は言う。
「なら、4つ目はなんだ?
何がお前にあの奇行、いや、蛮行を犯させた?
婚約破棄とその、奥方への求婚で済ませておけばすべては丸く収まったのではないのか!?」
やれやれ、とシルドは肩を落とす。
「エルムンド侯。
話を聞いてなかったのか?
なぜ、僕があの大広間に皇太子殿下の騎士団、闇の牙が配置されたのを知っていたと思う?」
なぜって‥‥‥
エルムンド侯は考える。
確か‥‥‥あの場に闇の牙の騎士たちが有事に際して配置されたのを、彼自身が確認できたのはーー
シルドがミレイアこと元エイシャに婚約を申し込み大勢に囲まれた後だった。
まさか‥‥‥
「シルド、お前。
最初からあの会場の多くどころか、王族の方々にまでーー」
盗聴などに使われる魔法を人知れず???
「そうだよ、エルムンド侯。
二階での皇太子殿下の会話も、王族の方々の会話も。
ユニス公女がベランダに行ったこと、皇太子殿下が止めに入り。
あの目障りな帝国の黒い鷹と策謀したことも。
全部、俺には筒抜けだったのさ」
なんという大胆な男だ。
エルムンド侯は呆れてものが言えなかった。
「みろ、これだけの大きな潮の流れがあの島を作っているのだ。
ミスリル鉱石は水より重い。
堆積するならそう、この辺りーー」
彼が指差したのは、まさしく、枢軸連邦の領内に流れる大河の小さな島々だった。
「もちろん、あそこにはミスリル鉱石はある。
島の大部分はそうと言ってもいい。
だが、所詮は端数が寄り集まった、純度の低いまがいものだ。
利用価値がない。
だから、俺も興味がない。
婚約破棄のあとにエイシャ、いやいまはミレイアか。
その輿入れに代価を寄越せ、公国に恥をかかせて。
そう言われれば、さっさと渡す気でいたのさ」
なんと呆れたやつだお前は。
そんなことを俺にもなぜ、教えてくれなかった?
そうエルムンド侯はシルドに詰め寄る。
「だってなあ。
不器用な貴公だ。そんな裏の話を知っていればどこかでボロが出るだろう?」
「だからあの時、これも三角洲を渡すためだ。
養女の件を承諾しろと俺に言ったのか?」
確かに俺は不器用だが‥‥‥
エルムンド侯は声が出ない。
「まあ、そういうことだ。
3つ目は、あの場には皇太子殿下の持つ騎士団、闇の牙の連中がすでに配置されていたからだ。
大司教閣下はテラスから落とせばよいなどど、言われたがな。
そんなことをすれば、こちらの王族、貴族の令息令嬢ともどもーー」
「皆殺し、か‥‥‥まあ、あの配置は俺も途中から気づいてはいたがな」
その通りだ。
そうシルドは悩ましそうにうなづいた。
「その危険は犯せなかった。
‥‥‥だからだ」
だが待て、とエルムンド侯は言う。
「なら、4つ目はなんだ?
何がお前にあの奇行、いや、蛮行を犯させた?
婚約破棄とその、奥方への求婚で済ませておけばすべては丸く収まったのではないのか!?」
やれやれ、とシルドは肩を落とす。
「エルムンド侯。
話を聞いてなかったのか?
なぜ、僕があの大広間に皇太子殿下の騎士団、闇の牙が配置されたのを知っていたと思う?」
なぜって‥‥‥
エルムンド侯は考える。
確か‥‥‥あの場に闇の牙の騎士たちが有事に際して配置されたのを、彼自身が確認できたのはーー
シルドがミレイアこと元エイシャに婚約を申し込み大勢に囲まれた後だった。
まさか‥‥‥
「シルド、お前。
最初からあの会場の多くどころか、王族の方々にまでーー」
盗聴などに使われる魔法を人知れず???
「そうだよ、エルムンド侯。
二階での皇太子殿下の会話も、王族の方々の会話も。
ユニス公女がベランダに行ったこと、皇太子殿下が止めに入り。
あの目障りな帝国の黒い鷹と策謀したことも。
全部、俺には筒抜けだったのさ」
なんという大胆な男だ。
エルムンド侯は呆れてものが言えなかった。
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