突然ですが、侯爵令息から婚約破棄された私は、皇太子殿下の求婚を受けることにしました!

星ふくろう

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第四章 動乱の世界

第六十五話 新たなる帝位継承権後継者の誕生

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 ◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇

「陛下、良き家臣に恵まれましたな?」
 ユニスから一方的に宝珠の連絡を絶たれた後。
 皇帝の一言を待っていたその場の家臣団は黙りこんでしまった主を見守っていた。
 しかし、そろそろいいだろう、そんな時だった。
 帝国宰相が進言したのは。
 頭を悩ましげに振りながら最初に皇帝の視線が向けられたのは、やはりラズ高家だった。
「いつからだ?」
 どれほど長い間、隠していた?
 そう皇帝は質問していた。
「産まれる前、からですかな?
 最初はあの黒の方のかと思っていましたが」
 皇帝よりも年長者のラズ高家御当主は落ち着いて返事を返した。
「黒ならばまだ良かったという話ではないだろう。
 わしの非難はせんのか?
 孫ではなく、子だという可能性もあるぞ?」
「陛下、どのお口が言いなれない嘘を出されるのかな?
 なぜ黙っていたや、自害させよとしたなど、聞かないでくださいよ?」
 彼は言わなくても分かっているでしょう?
 そんな顔をしていた。その他も面々も同様だ。
「帝国が孫よりも大事か?
 事実を早く教えてくれていれば、ラズも繁栄し、高家から帝室を操ろうとは‥‥‥思わんか」
 肩を落としてその可能性を自身で皇帝は否定する。
 それをしたければ、もっと早くにするだろうし闇の牙の駐屯地は城塞都市ラズなのだ。
 もし、グレンが駒とならなければ人質にも、暗殺にもどうにでもできた。
「孫よりも我が家の繁栄よりも、帝国。
 あの時にここにいる全員‥‥‥数名は寿命や戦没となりましたが。
 陛下を立てたあの日から。家の末席にいた我々は泥水を飲み、恥をかぶろう。
 必要ならば家も捨てよう。そう誓ったではありませんか。
 あれから三十年あまり。今更、離れられる輪だと思われますか?」
 静かにラズ高家当主は語る。
「その分、一番の泥をかぶられたのも陛下。
 罪を背負われたのも陛下。
 もうこれ以上は背負わせたくなかった。それだけですよ」
「そうは言ってもな。
 いや、悪かった。忘れてくれ」
「はい、何も聞いておりません。
 ご安心を」
 家臣に恵まれた、か。
 家族や罪のない子供まで巻き込んでの皇帝か‥‥‥
「数時間前の冗談が真実になりそうだが、皆はどう思う?」
 ユニスの今後の動向。
 それが問題になる。
 最大の火種にも。
「可能性としてはあのまま殿下として奉じ、ユニスが後見人として新たな帝室を名乗るか」
 これはユンベルトの案だ。
「愚弟も継承権返上したことですし、あの子をそのまま継承者として迎えては?
 父上の側室にすればよいではないですか。
 まあ、母上のお怒りは知りませんが。ラズ高家とは円満に行けそうですな」
 これは北の大公。皇帝の長男の意見だ。
「その場合、まともに渡しますかな?
 あちらにはエシャーナがあやつと、ルサージュの前当主が連絡がつかん。
 闇の牙に青い狼主力。帝国の陸軍と情報網が全部持っていかれましたな」
 陸軍、海軍、その他騎士団からも声があがる。
「八万どころか十万か。
 謀反の疑いあり、そうしむけるか?」
「ラズに秘密裡にかくまっていた、帝室の後継者とその親族、ラズの身内まで誘拐された、と。
 近衛兵団の到着まで確認しておいてと世間にさんざん笑われるなら宜しいかと」
 南の大公が世間体を持ちだしてくる。
「そうなると、枢軸に王国。
 代理戦争で帝国は完全に崩壊しますな。
 討伐し、外国からの介入を防ぎながら全てをハーベスト女大公の責任として解決するとなると最低でも三年。
 さて、何家の高家と大公家があちらにつくことやら?」
 東の大公が面白そうに言う。
 その際は縁戚関係がものを言いますな。
 そういう物言いだ。
「逆に帝室側が勝てても五年後にはこの場にいる半数が断首台の上。
 その時は王国は喜んで来るでしょうなあ。
 いやいや、怖いことだ」
 レブナス高家当主が面白そうに語る。
 孫娘の成長がたのもしくて仕方がない。そういった感じだ。
 自国の城塞都市は最南端。
 最後には孫をかくまいながら南方との交易利益で死ぬまで守り抜くだろう。
「一番厄介なのはあなたではないか、まったく」
 ぼやく皇帝に違いますぞ、そう彼は反撃した。
「一番の火種を作ったのはあの時に決まっていたエシャーナの婚儀と併行して我が娘の婚儀を勝手に決めた陛下ではないですか?
 こうなる可能性があるからだめだ、あれほどに諭したのに。
 違いますか?」
「確かにそうだ。陛下が火種を多く撒きすぎましたな?
 で、どうなさるおつもりですか? まずは、お孫様から」
 宰相ユンベルトが皇帝に裁可を、と促していく。
「孫なあ。あんなに睨まれるとは思わなんだわ。
 一生、恨まれるようだ」
「いえ、それはないでしょう。
 陛下、エシャーナと私の養女を見くびりすぎではありませんか?
 先程のお孫様の件もそうですが。エシャーナが描いた絵にしては精緻すぎます」
「誰か知恵者がいるというのか?
 シェイルズの父親の前ルサージュ侯‥‥‥いや、あの二人には無理だな。
 もう一人、大きな上から見れるまとめがいるはずだ。
 ユンベルト、お前ではないだろうな?
 一番、得をするぞ?」
「この場で、陛下の剣の前でですか?
 それをするなら、もう向こうにおりますな。その南と東、ラズとレブナス高家。
 その他を引き連れて、この帝都を包囲する自信はありますが?」
 笑顔でにこやかに宰相は断言した。
「お前が一番曲者だ。では誰だ?
 あの愚息にはまずダメだ。器がない、金も無いしな。
 黒に全部取り上げられてわしの元にある。動くに動けんはずだ。
 騎士団は前ルサージュ侯の管轄に在り、いまはシェイルズが動かしている。
 エシャーナが青い狼を寄越せと言い出したのも最近だろう?
 あの晩餐会辺りが怪しいと言えば怪しいが。
 王族と皇族子弟間で取引でもしたか?」
 とはいえ、ここにいる全員の目を逃れてそれが可能か?
 海軍も必要だろうし、陸はすでに完備された。
 情報部隊兼魔導戦専門も持っていかれた。
 北は南方の管理に忙しく、南は枢軸以外の小国群との対立で動けない。
 東は領土が枢軸と地続きだ、いま動けば前後から挟み撃ちにあう。
 かといって枢軸と繋がれば左右から撃たれる。
 南と東の大公家が壁になっている間は枢軸は南下するには味方が必要だ。
 そうなるとやはり、枢軸か?
 王国がその背後から更に来る可能性もある。
「陛下、エシャーナからの連絡をもたらしたのはユニスです。
 側室の話をだした時、自分が行くのであれば帝国が分かれるのではないか、そう言って私を驚かせたのも。
 提督からの連絡で、陛下が外洋域での王国と開戦準備を始めたことを知りましたが。
 王国がシェス大河の交易権には興味がなく、他の大陸との交易権を独占したいはずだ。
 そう言ったのもユニスです」
 宰相の言葉に海軍と皇帝からの視線が集まる。
「その知恵を与えたのはお前か、ユンベルト?
 それとも、あの黒か白かのどちらかか?」
 宰相は呆れたような顔で皇帝を見た。
「たった午前中の話しなのにもうお忘れですか、陛下?
 殿下は、ユニスの母親の話を知ることもないほどに連絡が取れていなかったのですよ?」
「では誰だ?
 この面々を割くわけでもなく、ただ孫を助けてるだけか?
 好きな男のためにか? 婚約まで返上さされるような男にだぞ?」
「かもしれませんな?
 あれほどに殿下を慕っていたのが自分から婚約返上などする気がありません」
「いや待て、それにしても何の得がある?
 あれだけの軍を集めて金はどこにーー三角洲か?!
 だがあれは単なるミスリル鉱石の残骸だ。一次凌ぎにはなるだろうが占領するには広すぎる。
 王国の陸軍を迎え入れるなら、陸続きだろう?
 あのアホ王子が銀鎖を解体したせいで、いまあちらは海軍が主力。
 仕方ないから枢軸相手に北に軍を集めている。そういう報告が来ているぞ?」
 どう考えても海軍同士の開戦あとに、帝都狙いが妥当だろう。
 そう皇帝は言いたかった。
「しかし、この帝都を堕としたとして誰が皇帝を名乗ります?
 グレン殿下はしないでしょうなあ。むしろ、奪還する方でしょう?
 黒に与えられてホイホイと担がれるようなら、この部屋の全員から反逆を受けますぞ?」
「頭が痛くなる話ばかりを持ちだすな。
 おい、とりあえずあの愚息を探せ」
「なりませんな、陛下」
 黙って聞いていた一人が声を上げた。
「グレイシー提督なぜだ?」
「この状況下、二つの大きな騎士団の早すぎる移動。
 ここは殿下の手柄にしておいた方が宜しい。
 帝位継承権返上の問題も、知らないことにしましょう。
 王国はこれを機に海軍を動かすはず。なにせ、我が国は形の上では枢軸に対して主力を動かした。
 そう見せている訳ですからな。もちろん、殿下の指揮のもとにと両国は考えるでしょう」
「しかし、現実は主力を与えたとはいえ我が騎士団もその他の団もなにも動いてはいません。
 陸も海も、帝国軍は微力も揺らいでいないことになりますな」
 青い狼の団長が発言する。
「つまり何か?
 帝国内の勢力図を書き換えずに、外敵には自分たちに向かわせたと見せかけて。
 誰かは知らんが、既存の状態から十万もの戦力を生み出したと?
 ハーベスト大公家とエシャーナ侯がシェス大河流域を守るのは通常のことだからな?」
 そんな知恵者、わしとこのユンベルト以外にいるとすればーー
 この場にいる全員以外ではあの二人。エシャーナ侯と前ルサージュ侯。
「そういえば、ユンベルト。
 王国からの縁組の件以前に、お前のとこで奪い取ったあれはどうなった?」
「あれ?
 シルド様から頂いた、三角洲の一部ですか?
 あれはそのまま、ユニスの管理に任せておりますが?」
「大公家軍の大半を枢軸側との戦線に投入し、三角洲を残る戦力で占領。
 が、良いところでしょうな? せいぜい、できることと言えばですが」
 提督が言い、他の騎士団の団長も賛同する。
「これを機にあの三角洲を占領してくれれば王国の陸兵は無視できますな。
 グレン殿下には枢軸からの武功を。
 孫のエリオス様には三角洲と大公家を。
 それぞれに渡せばどこからも文句は出ないでしょうな」
 提督の提案はまあ、妥当だと皇帝には思えた。
 だが、その行動理念が理解できない。
「それをもし成し遂げたとして、だ。
 そこに到達するために、わしからも、グレンからもだ。
 あの双子からも孫からも恨まれるぞ? 孫からは好きな男の為に利用されたと。
 ニーエからもだろう。グレンからもそうではないか。
 黒を騙され、騎士団を奪われしまいには武功まで与えられ。
 おまけに家族まで救われて利用される。
 ユニスは最後はどうするつもりだ?」
「陛下ならばどうなさいますか?」
 最後は皇帝に何かを気づかせたいようだった。
「もし、グレンならば‥‥‥軍の主力を与えられたとすれば、黒との仲もまず癒えるだろうな。
 家族もその前に取り戻すか、帝国に問題があるようならばーー」
「消しますか?」
「‥‥‥必要ならばな。
 そうならんように、エシャーナを人質に取るだろうがな」
「では、ユニスならばどうします?」
 全員が彼の返事を待っているような気が皇帝にはしていた。
「命の恩人がグレンで、それの恩義を返すために婚約返上だの。
 まだグレン本人が知らんだろう、未知の存在を助けてか?
 その家族には利用した。そう恨まれながら軍を集め武功を領地まで寄進して?
 生きている意味がないではないか!!!
 どれほど尽くしても、あの愚息は必ずニーエと息子を取るだろうが。
 あれでも、わしの息子だ‥‥‥帝室の血を一番にするだろうからな。
 そこまで考えてもし、しているのならーーどうなっているのだ、ユンベルト。
 お前とエシャーナの娘は!?
 命を救われ、愛を与えられただけで、そこまで報われんことをするか?」
 しかし、宰相は返事をしない。
「最後に待っているのは届かぬ愛と周りからの憎しみとわしに剣先を向けた罪だけではないか」
「もし、それが全て殿下の成功に繋がる。
 それを最大の恩に報いるため、そう考えたとすれば?」
「そりゃあ、ユンベルトよ。
 グレンは皇帝になれるだけの軍も成果もあげることになる。
 あの黒とて、お前の後継者に。孫とニーエも正室と大きな新しい領地に軍勢だ。
 損をするのはユニスだけだぞ?」
 信じられん、そう皇帝は否定する。
 そんな愛情だけに生きる女など見たことが無い、と。
「何を言いますか、もう見てきたでしょう?
 御自身で行かせたではないですか。あの夜に」
 エシャーナに押しかけて行かせた彼女のことか。
 母娘が似るというならばそうかもしれない。
 もしそうならばーー
「晩餐会の夜の愚考を、今度は帝国内でさせる気はないぞ、ユンベルト?」
「本人はそのつもりでしょうな。
 多分ですが」
「認めん。
 皇帝としてではない。父親としてだ」
「では、どうなさいますか?」
 まったく。お前はどうして最後までわしを苦しめる‥‥‥。
 皇帝は悩みで死にそうだった。
「提督」
「はい、陛下」
「ロアから海軍を出せ。ロゼもベシケアからもだ。
 必要なら、間の全城塞都市からかき集めていけ。
 王国海軍を滅ぼして来い」
「かしこまりました、陛下」
「北とレブナスはどうせ、南方がくるとしたら半島沿いだ。
 担当騎士団と併せて食い止めろ。
 提督が勝つまででいい」
「はい、陛下」
「東と北に青の残りと緑、赤の主力を集めろ。
 エシャーナがもし、陸を狙うとしたら大河沿いに北上するはずだ。
 行かないのであれば、現在の国境線だけは守るだろう。
 法王庁を落としてこい。もはや特例扱いなど無用だ。
 法王庁あっての枢軸。だがそこは南の目と鼻の先だ。
 勢いを削いでこい。その後は国境線の死守に回れ」
「はい、陛下」
「帝国中原の他の騎士団は全て帝都に集めろ。
 ユンベルト、指揮は任せる」
「はい、陛下。ですが、ユニスはどうしますか?」
「もし、軍をここに向けてくれば、お前が止めろ。
 元はお前の軍だ。どうにでも出来るだろう?」
「もちろんです。その為の、我が軍ですから」
「お前は一番の狸ではないか。
 あと、公布を出せ」
 公布?
「例の太陽神信仰の撤廃でしたら既に手配済みですが?」
 違う、そう皇帝は叫んだ。
「このまま死なせる気か?」
「では側室にでも?」
「妻に殺されるわ!」
「ですが、ニーエ様の件は側室をお求めで‥‥‥」
 皇帝は渋い顔になる。
「あれは、だから公布する前に撤廃すると‥‥‥誰か話しておらんだろうな?」
「すでにお気づきかと。
 この会のことは逐一、報告されておりますからな」
「誰がそんな許可を出した?」
「もう二十年余り、私が許可を出しております」 
 この裏切り者、そんな皇帝をみんなが笑う。
 親しみを込めて。
「明日、わしが生きていることを祈ってれば良いわ。
 ああ、違う。側室などではない。
 次期帝位継承権を与えると言え」
 与える?
「殿下、いえ、皇子を殿下へと昇格すると?」
「お前も鈍いな、ユンベルト。
 あの鳩になぜエサを与えねばならん?
 あいつは自分でもぎ取らせろ」
「つまり‥‥‥?」
「ハーベスト女大公にだ!
 あんな愚息には勿体なさすぎるがな。仕方がない」
「では、ニーエ様とお孫様は?」
「お前の領地と三角洲を新たな王家にしろ。
 全部ではないぞ。一部をだ。減らした分はエシャーナから削っとけ。
 どうせ、あいつのことだ。今回の戦いで領土を倍にして戻ってくるわ」
「では、第五の大公家を立ち上げる、と?」
「それで満足させろ。孫の継承権はあとの連中で考えればいいのだ。
 わしはもう知らんぞ!」
 文句はないな?
 そう皇帝は一同を見渡す。
 誰もが面白そうにそれを見ていた。新しい世代が更に帝国を強くする。
 それを信じて。
 その時、従僕が皇帝に告げた。
「陛下、皇后様がこちらにお超しなられえおります」
「機嫌は?」
「多少、いえ、あまり宜しくはないかとーー」
 それを聞いた諸侯が席を立ちだした。
「では、陛下。
 帝国バカの会はこれで散会ということで、皆々様。
 新たな帝位継承権後継者のハーベスト女大公の誕生に、祝福を込めて乾杯を」
 ユンベルトの指揮の元、全員が挨拶をしてそそくさとその場を後にする。
「お前ら、わしを置いてーー」
 あとには皇帝が不機嫌な皇后の到着を待っていたーー

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