突然ですが、侯爵令息から婚約破棄された私は、皇太子殿下の求婚を受けることにしました!

星ふくろう

文字の大きさ
71 / 150
第四章 動乱の世界

第七十話 大公家への誘い

しおりを挟む
  ◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇

 その夜はエルムンド侯が余りにも遅くまで滞在していたからか、ミレイアはいささか不機嫌だった。
 仕事をする分にはどれだけ遅くても、飲みにでても文句はない。
 自宅の中にまで仕事なのか、遊びなのかはっきりとしないことを持ちこむのはやめて欲しかった。
 しかも、夫婦の時間である深夜にまで。
 六年は子供を我慢するべきだろう。
 それは理解していた。もし、しくじれば産まれた子供の命も失われる。
 ただその我慢が短いことが自身の欠点だということを理解できていながら夫の支えになれない。
 その事実がミレイアには辛かった。

 ーー御姉様が正室、もしくは側室になれたから昇格したのか。
 それとも陛下の温情なのか。
 どちらにしてもそろそろ一月。
 帝国の皇室の婚儀が上がったなら、旦那様にも何かの命令があるはず。

 それは祝いをだせとかそう言ったものではない。
 いま枢軸連邦と対立が激しくなぅたというならば、王国側はどちらかと手を結ぼうとする。
 あの馬車の中で大司教と第四王子が交わしていた枢軸と王国が手を組み、三角洲問題を底にしてーー
 あの話は嘘だろう。そう、シルドもここに着いてから話していた。
 王国はせいぜい、枢軸を利用して帝国の陸軍を足止めしたいに過ぎない。
 ミレイアの夫はそう先を見越してこの地へと来ていた。
 そして、解体されたとはいえ、銀鎖の影師団の半数がこの北部へ集まっている。
 なぜ南部平原の守りを手薄にしたのか。
 答えはミレイアの中にはできていたが、男性の前で口にすることは出過ぎた真似をするようで出来なかった。
 とはいえ、台所からはあの二人のバカ騒ぎが聞こえてくる。
 深夜も遅く月も天高く昇り切っていた。
 寂しい。
 邪魔をしてはならない。
 理解していても足は、二人の元へ向いていた。
 ミレイアが玄関から続く平屋奥の扉に手をかけた時だ。
 馬小屋で馬たちが軽くいななき、室内の二人が騒ぐのをピタリとやめた。
 屋敷とは名ばかりのろくに舗装もされていない夜道を誰かが本宅に向かってくる足音が数名分。
「こんな夜分に‥‥‥?
 北との戦いでもいきなり始まったのかしら?」
 エルムンド侯の部下か、シルドの部下が彼らを迎えに来たのかと思いそれなら急ぎ支度を手伝わなければならない。
 どちらにしても玄関口には簡易的だが鍵がしてあるからそれを開ける前に夫に会うべきだ。
 そう思い、手にした扉を引こうとすると、内側からそれは押されて開いた。
「ん?
 どうした、寝れないのか?
 さて、どうしたものかな、エルムンド侯」
「まあ、来客はどうせあの御仁。
 良いのではないか?」
 あの御仁? 
 まるで来ることを知って待っていたかのような口ぶりだ。
「旦那様、ではーー」
 こんな夜中に忍んでくるとすれば二種類だけ。
 第四王子からの刺客かそれとも‥‥‥
「鍵は開いているぞ。
 気楽に入られてはどうかな、大公公女殿」
 エルムンド侯を後ろにしてシルドが前に立ち、そう告げる。
「おい、ここは俺の役目だろう」
「残念だな、ここは我が妻の領地だ。
 昼間から散々、足を休めていて抱こうとまでしたくせに。
 引いておいてもらおうか」
 シルドは全て知っているぞ、そんな顔でエルムンド侯に言うと、ミレイアを大事そうに抱き寄せた。
「旦那様、あの会話を全部ーー???」
「聞いていたし、この家には何重もの守りも置いてある。
 エルムンド侯にはこの来客に備えて貰っていたのだ。
 まあ。二人には後から話があるがな?」
「その前に退散するが、まあ、いまはいい。
 しかし、入って来ないな?」
「客人としてもてなせ、こちらはお前達よりも上級貴族。
 そんな感じかもな。ミレイア、開けれるか?」
 そこまで言うなら、御自身で。
 そう言いたかったが、客人を迎えるなら格下の自分が行くのが妥当だろう。
「こんな夜着で迎えなければならないなんて。
 お二人に後から話がありますから」
 そう言い残すと、ミレイアは数歩先の玄関に向かう。
「おい、逃げるなよ?」
「お前はひどいやつだ、シルド」
 そんな言葉を背中で受けながら、ミレイアは不機嫌に扉を開けた。
「ようこそ、ハーベスト大公公女ユニス様」
 予想通り、そこには姉とその横に一人。
 シェイルズが立っていた。
 月光を背にした姉は以前よりも気高いようで、だがあまりにも疲れ果てた顔をしていた。
 付き合いの浅い他人にはわからないだろう。
 だが、十数年その隣で生きてきた家族には丸わかりだった。
 まるで生き急いでいる、死を望むような顔だ。
 そうミレイアは感じ取っていた。
「御機嫌よう、エイシャ。
 いえ、いまは名もなき奴隷だったかしら?」
 こんな事を平然と言える人間だった?
 あの姉が?
「いいえ、御姉様。
 いまはルケーア子爵ミレイアという身分と名と。
 御姉様より早い幸せを得ておりますわ」
 そこからは一歩も入らないで。
 そうミレイアは姉に視線で告げていた。この家の中はシルドの罠だらけだと。
「そう、下賤な下級貴族は礼節も知らないよう。
 目上の者を迎える際にはその道を譲るのが礼儀でしょう?」
 ここからは来るな。
 その視線の先にあるのは危険への警鐘。
 奥にいるシルドとその隣にはー‥‥‥あの夜に自分を睨みつけてさったエルムンド侯。
 銀鎖の名高い魔導士二人相手に、シェイルズ一人では分が悪い。
 ここにイズバイアがいればいい顔合わせになったのに。
 そう、ユニスは思っていた。
「そうですか。
 この寒空に敵国とはいえ、家族すら迎えれないとは。
 呆れてものが言えませんね、義弟殿?」
 口調と態度は勝ち誇った勝者の様。
 でもその奥底には、愛情に溢れた環境にいるはずの姉ならもたない闇が見え隠れしている。
 御姉様、何があったの?
 そう問いただしたかったが、シルドの妻としてそれができない自分をミレイアは実感していた。
「すいませんな、大公公女殿。 
 我が妻はあなた様がお嫌いのようだ。
 このような夜半にいきなりの御来訪。しかも、この数日、ネズミがうろちょろと嗅ぎまわっている。
 二種類のネズミがね」
 二種類?
 片方はユニスだろう。だとすればもう片方は知れている。
 ここは様子を伺っているにいるに違いない。そうミレイアは思った。
「御用件を御姉様。
 なにかの御依頼ですか?」
 あなたを入れる気などありませんよ、王国ですここは。
 形だけでもシルドを守らなければならない。
 そんな妹を見て、ユニスは面白そうに笑った。
「まあ、もう妹なんて思っていないけれど。
 お前とわたしにはエシャーナの血が流れていますから。誘いに寄っただけですよ。
 シルド様、この愚妹を妻にして頂き、姉として感謝申し上げます。
 この度、このユニスは皇帝陛下の側室へと上がることになりました。
 あなた様が婚約破棄のあんな醜聞と蛮行を開いて頂いたお陰で、最高の喜びを手にすることができました。
 そのお礼を是非、見せつけたくて。
 愚かな妹夫婦に」
 後ろの男性陣二人は何やら喚いているが、ミレイアは気にしなかった。
 それが、心の闇の正体?
 蒼い月光に映し出される姉の横顔は、まるで幽鬼のようだ。
 何かを捨てて、背負い込んだ人間の顔。
「そうですか、ではその愚妹より祝福を申し上げますわ、ねえ、旦那様!?」
 あくまで仲が悪いように。そう演じて下さいと、彼の妻は叫んでいた。
「そうだな、お前。
 もはや手に入れても虚飾の権力。この場より這い上がるまでの事。
 あの場の非礼はお詫び申し上げるが、これ以上の我が屋敷への御立ち入りはご遠慮頂きたい」
 ユニスは玄関先から室内を見渡し、呆れたようにため息をつく。
「この農家からですか‥‥‥?」
「わたくしの屋敷です、御姉様!!」
 農家という響きにだけつい怒りがでてしまった。
 後からエルムンド侯でこの怒りを発散しなくては。
 横目でミレイアに睨みつけられたエルムンド侯は悪寒を感じていた。
「そう、では農家の貴族様に一つお誘いがありますの、宜しいかしら?」
 早く帰って、御姉様!
 そんな妹の願いを無視するように姉は、あらこんなにボロ屋では‥‥‥とシェイルズと二人で、こちらに聞こえるように嫌味を言う始末。
「お誘いなど興味はありませんな、手土産の一つももたない上級貴族殿?」
 シルドがさっさと帰れ、そう牽制する。
 エルムンド侯も黙って来客を睨みつけたままだ。
「ああ、それも込みでのお話です」
「込み?
 意味が分かりませんな‥‥‥」
 ユニスはあなた等本当は用が無いのだけれど血筋の為に、と前置きをして話を続けた。
「シルド様、わたしはハーベスト大公家を出ることになります。
 エシャーナ侯家とハーベスト大公家を潰す訳には参りません。
 ああ、いまは既に家督を相続して女大公。
 あ、忘れていたわ、シェイルズ。あれはなんだったかしら?」
 そうどうでもいいようにユニスは隣の宰相に話題を振る。
「はい、殿下。
 帝位継承権を皇帝陛下より賜りましてございます」
 殿下? 帝位継承権?
「御姉様、まさか‥‥‥グレン様を亡き者して、皇帝陛下に取り入ったのですか?」
 いや、そんなことはないはずだ。 
 あれほどに愛していると言い合っていた二人が。
 ミレイアの心は否定するが、後ろのシルドとエルムンド侯は知っていたらしい。
「そのようですな、殿下。
 それで何が御望みで?」
 シルドは呆れたように問いかける。
 自分の妻よりも、余程あなた様の方が心が汚れていらっしゃるようだ。
 そう続けて嫌味を言い放った。
「ええ、お褒めの言葉ありがとうございます。
 グレン様には本当に悲しいことでした。ねえ、シェイルズ?」
 自分の家臣をまるで恋人のようにしてその腕の中に身を寄せる姉をミレイアは信じたくなかった。
「まさか、御姉様、その黒き鷹と共謀してグレン殿下を‥‥‥?」
 さあ、それは知りません。
 愛しい人、とでも言いたそうにシェイルズの頬を撫でるユニス。
 そこには、権力に捕らわれた愚かな主従がいる。
 そう、他人がいればその目にはそう映っただろう。
 そして、王国側は知ることになる。グレンという大きな旗印の消滅を。
「なぜそのようなことを教えて頂けるのかな?
 不可解だが‥‥‥」
 黙っていたエルムンド侯がようやく口を開いた。
 親友とその妻を侮辱され、相当、怒りが溜まっているようにミレイアには見てとれた。
「殿下、そろそろ‥‥‥」
 シェイルズがそっとユニスにお時間です、と耳打ちする。
「あら、そう。
 では端的に。
 エイシャ、戻っていらっしゃい。
 シルド様、ハーベスト大公の椅子にご興味は?
 まだ少しだけ待つ時間はあります。
 あとーーあの三角洲のミスリル鉱石はほとんど採掘させて頂きました。
 頂いた領地分だけですが。運ぶのに苦労しています。売れない粗雑な品でも山となればーー
 大きな価値があるものですね。
 では、お待ちしていますよ」
 そう言い、唖然とする三人を後にしようとしてユニスはふと、立ち止まる。
「そうそう、エニシス半島とアバルン城塞はこのユニスが頂きました。
 翌週までにいらして下さるなら、共同管理の名目でお渡しできるかもしれませんね?」
「待たれよ。それは王族の仕事だーー
 ‥‥‥わたしにはその権限はない」
 あの城塞が陥落した?
 知らない状態は分が悪い。そう思いながらシルドは情報を引き出そうとする。
 これは意外、そうユニスは言う。
「わたしはすでに女大公。そして殿下と呼ばれる身。
 その妹は既に他国とはいえ帝室の一員。あなた様もまた、王国で公爵を名乗れるでしょう?
 元王族でしたか、これは失礼。
 大公家に興味がなくとも、エニシス半島の共同管理権を締結すれば誰も文句は言わないのでは?
 では、もう片方のネズミが近づいているよう。失礼ーー」
 そう言い、ユニスとシェイルズの姿は掻き消えてしまう。
「御姉様‥‥‥一体、何を求めているの‥‥‥」
 ミレイアには理解ができなかった。
 姉は死のうとしている。それだけしか。
「魔導の幻影、か。
 エニシス半島が落ちたとは初耳だな。エルムンド侯?」
 しかし、エルムンド侯もわからん、と首を振る。
「余程の下調べと電撃作戦を敢行したか‥‥‥さて、どうする妻よ? 
 受けるか? 蹴るか?」
 一番、姉といた時間が長いお前が一番理解しているだろう? 
 この誘いが本気か嘘かを。
 そんな顔をシルドはしていた。
「こんな好条件を出す頭は姉にはない……いえ、どうでしょう、旦那様。
 妹のわたしには姉はそう‥‥‥死地に赴こうとしているように見えました」
 死地、か。
 シルドは判断に迷っていたが、何かを決めたようだ。
「あの法王猊下の手下どももエルムンド侯が敷いた壁をそろそろ超えるころだ。
 行くか、悪友。
 ミレイア、扉を締めろ」
 言われて施錠まではするが、でもここから出るのでは?
 そんな幼い妻をシルドは抱きかかえて歩き出す。
「こんな土地、いつまでもいるものか。
 この数週間で、兵の訓練の名目の下に大きな魔法陣を描けたわ。
 妻よ、銀鎖の二大魔導士の腕前、見たくは無いか?」
 銀鎖の‥‥‥
「はい、天才の二人の腕前を。
 ただし、エルムンド様。
 後から、農家についていろいろとお話がありますから」
「農家?」
 シルドが不思議そうにエルムンド侯を見る。
 彼の笑顔は引きつっていた。

しおりを挟む
感想 130

あなたにおすすめの小説

結婚したけど夫の不倫が発覚して兄に相談した。相手は親友で2児の母に慰謝料を請求した。

佐藤 美奈
恋愛
伯爵令嬢のアメリアは幼馴染のジェームズと結婚して公爵夫人になった。 結婚して半年が経過したよく晴れたある日、アメリアはジェームズとのすれ違いの生活に悩んでいた。そんな時、机の脇に置き忘れたような手紙を発見して中身を確かめた。 アメリアは手紙を読んで衝撃を受けた。夫のジェームズは不倫をしていた。しかも相手はアメリアの親しい友人のエリー。彼女は既婚者で2児の母でもある。ジェームズの不倫相手は他にもいました。 アメリアは信頼する兄のニコラスの元を訪ね相談して意見を求めた。

「犯人は追放!」無実の彼女は国に絶対に必要な能力者で“価値の高い女性”だった

佐藤 美奈
恋愛
セリーヌ・エレガント公爵令嬢とフレッド・ユーステルム王太子殿下は婚約成立を祝した。 その数週間後、ヴァレンティノ王立学園50周年の創立記念パーティー会場で、信じられない事態が起こった。 フレッド殿下がセリーヌ令嬢に婚約破棄を宣言した。様々な分野で活躍する著名な招待客たちは、激しい動揺と衝撃を受けてざわつき始めて、人々の目が一斉に注がれる。 フレッドの横にはステファニー男爵令嬢がいた。二人は恋人のような雰囲気を醸し出す。ステファニーは少し前に正式に聖女に選ばれた女性であった。 ステファニーの策略でセリーヌは罪を被せられてしまう。信じていた幼馴染のアランからも冷たい視線を向けられる。 セリーヌはいわれのない無実の罪で国を追放された。悔しくてたまりませんでした。だが彼女には秘められた能力があって、それは聖女の力をはるかに上回るものであった。 彼女はヴァレンティノ王国にとって絶対的に必要で貴重な女性でした。セリーヌがいなくなるとステファニーは聖女の力を失って、国は急速に衰退へと向かう事となる……。

田舎娘をバカにした令嬢の末路

冬吹せいら
恋愛
オーロラ・レンジ―は、小国の産まれでありながらも、名門バッテンデン学園に、首席で合格した。 それを不快に思った、令嬢のディアナ・カルホーンは、オーロラが試験官を買収したと嘘をつく。 ――あんな田舎娘に、私が負けるわけないじゃない。 田舎娘をバカにした令嬢の末路は……。

タダ働きなので待遇改善を求めて抗議したら、精霊達から『破壊神』と怖れられています。

渡里あずま
ファンタジー
出来損ないの聖女・アガタ。 しかし、精霊の加護を持つ新たな聖女が現れて、王子から婚約破棄された時――彼女は、前世(現代)の記憶を取り戻した。 「それなら、今までの報酬を払って貰えますか?」 ※※※ 虐げられていた子が、モフモフしながらやりたいことを探す旅に出る話です。 ※重複投稿作品※ 表紙の使用画像は、AdobeStockのものです。

あっ、追放されちゃった…。

satomi
恋愛
ガイダール侯爵家の長女であるパールは精霊の話を聞くことができる。がそのことは誰にも話してはいない。亡き母との約束。 母が亡くなって喪も明けないうちに義母を父は連れてきた。義妹付きで。義妹はパールのものをなんでも欲しがった。事前に精霊の話を聞いていたパールは対処なりをできていたけれど、これは…。 ついにウラルはパールの婚約者である王太子を横取りした。 そのことについては王太子は特に魅力のある人ではないし、なんにも感じなかったのですが、王宮内でも噂になり、家の恥だと、家まで追い出されてしまったのです。 精霊さんのアドバイスによりブルハング帝国へと行ったパールですが…。

冤罪をかけられた上に婚約破棄されたので、こんな国出て行ってやります

真理亜
恋愛
「そうですか。では出て行きます」 婚約者である王太子のイーサンから謝罪を要求され、従わないなら国外追放だと脅された公爵令嬢のアイリスは、平然とこう言い放った。  そもそもが冤罪を着せられた上、婚約破棄までされた相手に敬意を表す必要など無いし、そんな王太子が治める国に未練などなかったからだ。  脅しが空振りに終わったイーサンは狼狽えるが、最早後の祭りだった。なんと娘可愛さに公爵自身もまた爵位を返上して国を出ると言い出したのだ。  王国のTOPに位置する公爵家が無くなるなどあってはならないことだ。イーサンは慌てて引き止めるがもう遅かった。

妹に魅了された婚約者の王太子に顔を斬られ追放された公爵令嬢は辺境でスローライフを楽しむ。

克全
恋愛
「カクヨム」と「小説家になろう」にも投稿しています。  マクリントック公爵家の長女カチュアは、婚約者だった王太子に斬られ、顔に醜い傷を受けてしまった。王妃の座を狙う妹が王太子を魅了して操っていたのだ。カチュアは顔の傷を治してももらえず、身一つで辺境に追放されてしまった。

【完結】濡れ衣聖女はもう戻らない 〜ホワイトな宮廷ギルドで努力の成果が実りました

冬月光輝
恋愛
代々魔術師の名家であるローエルシュタイン侯爵家は二人の聖女を輩出した。 一人は幼き頃より神童と呼ばれた天才で、史上最年少で聖女の称号を得たエキドナ。 もう一人はエキドナの姉で、妹に遅れをとること五年目にしてようやく聖女になれた努力家、ルシリア。 ルシリアは魔力の量も生まれつき、妹のエキドナの十分の一以下でローエルシュタインの落ちこぼれだと蔑まれていた。 しかし彼女は努力を惜しまず、魔力不足を補う方法をいくつも生み出し、教会から聖女だと認められるに至ったのである。 エキドナは目立ちたがりで、国に一人しかいなかった聖女に姉がなることを良しとしなかった。 そこで、自らの家宝の杖を壊し、その罪を姉になすりつけ、彼女を実家から追放させた。 「無駄な努力」だと勝ち誇った顔のエキドナに嘲り笑われたルシリアは失意のまま隣国へと足を運ぶ。 エキドナは知らなかった。魔物が増えた昨今、彼女の働きだけでは不足だと教会にみなされて、姉が聖女になったことを。 ルシリアは隣国で偶然再会した王太子、アークハルトにその力を認められ、宮廷ギルド入りを勧められ、宮仕えとしての第二の人生を送ることとなる。 ※旧タイトル『妹が神童だと呼ばれていた聖女、「無駄な努力」だと言われ追放される〜「努力は才能を凌駕する」と隣国の宮廷ギルドで証明したので、もう戻りません』

処理中です...