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新章 魔導士シルドの成り上がり ~復縁を許された苦労する大公の領地経営~
第十二話 エイシャの計画 1
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シルドが宿屋の自室に戻った時。
与えたベッドの上で、二人の夫婦間に波紋を入れた主は幸せそうに寝息を立てていた。
こうして安息しながら寝るのが久しぶりなのか、どことなく無防備すぎるようにも見える。
「まったく‥‥‥好い気なものだ。
エイシャにしても、これにしてもーー」
丁寧に起こすべきか?
それともあっさりとたたき起こすべきか?
嫌味をこめて起こしてやろう。
シルドは預かってきた衣装を、心地よさそうな寝息を立てるアルメンヌの顔の上に無造作に放り投げることにした。
「きゃっ!?」
何よこれは!?
いきなり寝ている上に何かを放り被せられてアルメンヌは悲鳴を上げる。
視界を遮るそれを持ちあげると、いつの間にかこの部屋の主が戻ってきていた。
窓に見える月の位置はまだ山裾に落ちるには早い時期だ。
「‥‥‥お帰りなさいませ、旦那様」
慌ててベッドから降りて、床に片足をつくその仕草は従者のもの。
しかし、寝着のままでいるその姿は‥‥‥確かに、エイシャが抱いてもいいと言うほどに。
「まあ、綺麗なものだな?」
そう言われ、アルメンヌは恥じらうかのように体を隠した。
「悪いが、脱いでくれ」
は?
その言葉の真意が分からず、彼女は呆けた顔をする。
「そこにある、与えた服を着てみてくれないか?
人形になってもらおう。
明日からの振る舞いの打ち合わせもあるからな」
こんな深夜から?
脱げと言われ着てみようとするその服は‥‥‥
「まさか!?
こんな物を身にまとえと!?」
そう叫ぶほどに、背中は広く、胸は強調され。
そして、腰から下には大きくスリットが左側に入っている。
これでは少しでも足を開くだけで中まで丸見えじゃない。
この傷だって‥‥‥
「まさか、あの子の‥‥‥?」
シルドは呆れたように頷いて見せる。
「そう、そのあの子の立案だ。
明日からは南方大陸の情婦を演じてもらおう。
その傷も含めて、お前は僕のものだ」
もの、と。
そう宣言するんだ‥‥‥捨てたあの男のように。
誰も変わらないのね。
アルメンヌは少しだけ軽蔑の瞳の色でシルドを見上げる。
シルドはめんどくさい、いつも女はこれだ。
そう思い彼女を抱き寄せてやる。
「あのー、なにを?
旦那様!?」
「いいか?
そんな目で見るな。
信用を寄越せと言うなら抱いてもいいぞ?
欲しいのはそんなものか?
あれとの間にはもっと別の盟約があるような気がするがな?
僕ほどの魔導士はそうそうはいないぞ、アルメンヌ。
上手く利用することだ。
演じてもらう、そう言っただろ?
その意味を理解しろ‥‥‥」
正直、女性が夫や家の所有物なんて観念は僕は大嫌いだ。
シルドはそう吐き捨てるように呟く。
着替えたら呼んでくれ。
部屋を去り際に一言だけ、彼は言い残していく。
「妻と君にはよき友でいて欲しい。ずっとな。
力を貸してくれ」
と。
与えたベッドの上で、二人の夫婦間に波紋を入れた主は幸せそうに寝息を立てていた。
こうして安息しながら寝るのが久しぶりなのか、どことなく無防備すぎるようにも見える。
「まったく‥‥‥好い気なものだ。
エイシャにしても、これにしてもーー」
丁寧に起こすべきか?
それともあっさりとたたき起こすべきか?
嫌味をこめて起こしてやろう。
シルドは預かってきた衣装を、心地よさそうな寝息を立てるアルメンヌの顔の上に無造作に放り投げることにした。
「きゃっ!?」
何よこれは!?
いきなり寝ている上に何かを放り被せられてアルメンヌは悲鳴を上げる。
視界を遮るそれを持ちあげると、いつの間にかこの部屋の主が戻ってきていた。
窓に見える月の位置はまだ山裾に落ちるには早い時期だ。
「‥‥‥お帰りなさいませ、旦那様」
慌ててベッドから降りて、床に片足をつくその仕草は従者のもの。
しかし、寝着のままでいるその姿は‥‥‥確かに、エイシャが抱いてもいいと言うほどに。
「まあ、綺麗なものだな?」
そう言われ、アルメンヌは恥じらうかのように体を隠した。
「悪いが、脱いでくれ」
は?
その言葉の真意が分からず、彼女は呆けた顔をする。
「そこにある、与えた服を着てみてくれないか?
人形になってもらおう。
明日からの振る舞いの打ち合わせもあるからな」
こんな深夜から?
脱げと言われ着てみようとするその服は‥‥‥
「まさか!?
こんな物を身にまとえと!?」
そう叫ぶほどに、背中は広く、胸は強調され。
そして、腰から下には大きくスリットが左側に入っている。
これでは少しでも足を開くだけで中まで丸見えじゃない。
この傷だって‥‥‥
「まさか、あの子の‥‥‥?」
シルドは呆れたように頷いて見せる。
「そう、そのあの子の立案だ。
明日からは南方大陸の情婦を演じてもらおう。
その傷も含めて、お前は僕のものだ」
もの、と。
そう宣言するんだ‥‥‥捨てたあの男のように。
誰も変わらないのね。
アルメンヌは少しだけ軽蔑の瞳の色でシルドを見上げる。
シルドはめんどくさい、いつも女はこれだ。
そう思い彼女を抱き寄せてやる。
「あのー、なにを?
旦那様!?」
「いいか?
そんな目で見るな。
信用を寄越せと言うなら抱いてもいいぞ?
欲しいのはそんなものか?
あれとの間にはもっと別の盟約があるような気がするがな?
僕ほどの魔導士はそうそうはいないぞ、アルメンヌ。
上手く利用することだ。
演じてもらう、そう言っただろ?
その意味を理解しろ‥‥‥」
正直、女性が夫や家の所有物なんて観念は僕は大嫌いだ。
シルドはそう吐き捨てるように呟く。
着替えたら呼んでくれ。
部屋を去り際に一言だけ、彼は言い残していく。
「妻と君にはよき友でいて欲しい。ずっとな。
力を貸してくれ」
と。
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