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171.役に立つってのは、自分の意識の問題だ。(side ロナウ)
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僕って‥なんかこのメンバーの中で役に立つことあるのかなあ‥。
家族の中でもいつも孤立してた。
跡取りていう「役割」を生まれながらにして持っている長男。
長男の補助で、長男のスペアって「役割」を生まれながらにして持っている次男。
じゃあ‥僕は?
魔剣が選んだのは長男じゃなくって僕だった。
魔剣に選んでもらった!
嬉しかった。それだけでよかった。
家族が僕を魔剣の継承者だって認めてくれて、騎士の紋も取って‥
あの家を継ぐ者は魔剣に認められなければいけないって言ってた親戚の前で、魔剣が使えるところも‥見せた。
ホントはね。知ってた。
両親が僕を長男だって偽って親戚に紹介したことも。
親戚も、「あの場では」僕を長男として扱った。(勿論、騙されたふり、だ。そりゃ分かるよ。身長は同じくらいだし顔も似てるけど、5歳も違うんだから! 普通に区別つかない‥ってなってたらショックで寝込むね! )
だけど、「汗をかいたでしょ。服を着替えてらっしゃい」って「いつもと違って」優しい声で言った母さんに促されてその場を離れた僕が再びその場所に行くことは無かった。
そして、再び親戚のいる場所に向かったのは、長男だった。
何もかも元通りに‥長男が親戚たちと話す。
親戚たちにとってはそんなこと(‥つまり、当主が「本当に」神剣に認められているという「事実」)より、本家の存続の方がずっと大事だ。
社交性がある長男と経営能力のある次男の方が、本当の「資格保持者」よりずっと大事なんだ。
つまり、「ただ神剣が抜けただけ」の「魔術馬鹿」なんて‥誰にも必要とされていないんだ。
まあね、政治的な話も家督の話も、僕には全然出来ない。何言われてるか分からないし、何も出来ない。
僕が知っていることって言ったら、学問としての魔術や剣の技術だけだ。
「生きた知識」なんてつい最近まで学生だった僕に分かるわけないだろ!
‥って思ってたけど、
コリンは学生のうちから自分で森に出て行って魔獣を倒したり研究したりして‥「生きた知識」を身に着けていたんだ‥。
その上、闇の魔法まで学んで‥超難関な資格まで‥!
なんで、僕だけ何にもないんだろ‥って思ってた今までの自分を痛烈に後悔した。恥ずかしいって思った。(ここが僕の凄いところだよね! 普通だったら「どうせ僕なんて‥」って落ち込んで終わりじゃない? でも、僕はここで心を入れ替えたりするんだよ! 反省したりするんだよ! 流石僕! )
自分はどうせ役に立たないって嘆くんじゃなくて、いかに自分を役に立てることが出来るか‥って考えないといけないんだって!
どうせ‥って思ったら、そこで終わりだ。
僕に出来ることはきっとある。
‥コリンも学生時代僕を「勝手に利用して」たって言ってたじゃないか。
僕にだって利用価値はあるんだ。
出来れば、利用されるんじゃなくて、手を差し伸べて「僕が手伝うよ」って言いたい。
そういうの憧れる。
くるっとコリンが僕を振り向き、
「お願い‥
ロナウにしか出来ないんだ‥」
って目をキラキラさせて、頼むんだ。
今はコリンのことが好きなわけでは無いけど‥あんなカワイイしかも優秀な奴に頼られたらそりゃあ嫌な気はしない。
そんなことを思っていたら、コリンと目が合った。
キョトンとしている。
以前だったら、氷点下の視線を向けられてたのに‥随分待遇が改善された。
それで十分だ。
そう思ってたのに‥
「ロナウ。
お願い。
君にしか‥頼めないんだ‥」
コリンが目をキラキラさせて‥上目遣いで僕を見上げておねだりして来たんだ。
家族の中でもいつも孤立してた。
跡取りていう「役割」を生まれながらにして持っている長男。
長男の補助で、長男のスペアって「役割」を生まれながらにして持っている次男。
じゃあ‥僕は?
魔剣が選んだのは長男じゃなくって僕だった。
魔剣に選んでもらった!
嬉しかった。それだけでよかった。
家族が僕を魔剣の継承者だって認めてくれて、騎士の紋も取って‥
あの家を継ぐ者は魔剣に認められなければいけないって言ってた親戚の前で、魔剣が使えるところも‥見せた。
ホントはね。知ってた。
両親が僕を長男だって偽って親戚に紹介したことも。
親戚も、「あの場では」僕を長男として扱った。(勿論、騙されたふり、だ。そりゃ分かるよ。身長は同じくらいだし顔も似てるけど、5歳も違うんだから! 普通に区別つかない‥ってなってたらショックで寝込むね! )
だけど、「汗をかいたでしょ。服を着替えてらっしゃい」って「いつもと違って」優しい声で言った母さんに促されてその場を離れた僕が再びその場所に行くことは無かった。
そして、再び親戚のいる場所に向かったのは、長男だった。
何もかも元通りに‥長男が親戚たちと話す。
親戚たちにとってはそんなこと(‥つまり、当主が「本当に」神剣に認められているという「事実」)より、本家の存続の方がずっと大事だ。
社交性がある長男と経営能力のある次男の方が、本当の「資格保持者」よりずっと大事なんだ。
つまり、「ただ神剣が抜けただけ」の「魔術馬鹿」なんて‥誰にも必要とされていないんだ。
まあね、政治的な話も家督の話も、僕には全然出来ない。何言われてるか分からないし、何も出来ない。
僕が知っていることって言ったら、学問としての魔術や剣の技術だけだ。
「生きた知識」なんてつい最近まで学生だった僕に分かるわけないだろ!
‥って思ってたけど、
コリンは学生のうちから自分で森に出て行って魔獣を倒したり研究したりして‥「生きた知識」を身に着けていたんだ‥。
その上、闇の魔法まで学んで‥超難関な資格まで‥!
なんで、僕だけ何にもないんだろ‥って思ってた今までの自分を痛烈に後悔した。恥ずかしいって思った。(ここが僕の凄いところだよね! 普通だったら「どうせ僕なんて‥」って落ち込んで終わりじゃない? でも、僕はここで心を入れ替えたりするんだよ! 反省したりするんだよ! 流石僕! )
自分はどうせ役に立たないって嘆くんじゃなくて、いかに自分を役に立てることが出来るか‥って考えないといけないんだって!
どうせ‥って思ったら、そこで終わりだ。
僕に出来ることはきっとある。
‥コリンも学生時代僕を「勝手に利用して」たって言ってたじゃないか。
僕にだって利用価値はあるんだ。
出来れば、利用されるんじゃなくて、手を差し伸べて「僕が手伝うよ」って言いたい。
そういうの憧れる。
くるっとコリンが僕を振り向き、
「お願い‥
ロナウにしか出来ないんだ‥」
って目をキラキラさせて、頼むんだ。
今はコリンのことが好きなわけでは無いけど‥あんなカワイイしかも優秀な奴に頼られたらそりゃあ嫌な気はしない。
そんなことを思っていたら、コリンと目が合った。
キョトンとしている。
以前だったら、氷点下の視線を向けられてたのに‥随分待遇が改善された。
それで十分だ。
そう思ってたのに‥
「ロナウ。
お願い。
君にしか‥頼めないんだ‥」
コリンが目をキラキラさせて‥上目遣いで僕を見上げておねだりして来たんだ。
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