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172.コリンのお願い、の舞台裏 ~ロナウはかなり長い間ぼんやりしていたみたいです~
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コリンがロナウにお願いする前
ボーとしているロナウを放っておいて、メンバーは真剣に会議を続けていた。
それぞれが集めて来た情報交換だとか、それらを整理してまとめたりだとか、新たに出て来た疑問だとか、新たに調べるべきことは何か‥だとか。
そんな話をしていると、アンバーが言いにくそうな顔で
「しかし、魔薬って、違法薬物とはどう違うんだ? 」
ボソリ‥と聞いた。
この世界にも、違法薬物‥麻薬はある。
気分を高揚させていい気分になれちゃう奴とかがそう。媚薬も「強いもの」は麻薬だ。(ほんの軽いやつは「精力剤」って名前で普通に薬局に売られている)
麻薬と、魔薬は違う。
「今更それを聞く? 」
苦笑いしたものの、コリンにアンバーを馬鹿にしている様子はない。
それどころか、「う~ん」と肩をすくめて
「あんまりにも皆が質問してこないから、「意外と知ってるのかな? 」って思ってた」
って苦笑いしてて付け加えた。
「俺も、知らなかったんだけど、聞く機会が無かった」
とザッカが言って、ナナフルも頷いた。
「でも、アンバーが知らない‥ってのは意外だった」
コリンがアンバーを見ると、
「いやさ。俺たちは別に組織がどんなことしてるか‥なんて考えないからな~」
アンバーは苦笑いして言った。
下っ端なんて皆そんなもんなんだろう。(案外幹部以下はそんなもんなんじゃないだろうか? )
「悪いことをしているのかも」って思う奴はいい方で‥それすら考えてない奴らもいるのかもしれない。
性格の問題じゃない。「育ってきた環境」の問題なんだ。
それしか選択肢が無ければそう暮らしていくしかない。
「魔薬は、飲む魔法陣だって思ってもらえるとわかりやすいと思います。
薬って分類だし、薬草を使って作るんですけどね。
麻薬と魔薬は全く違うものなんです。
どういう例えが分かりやすいかな‥
うっすらと‥小さな火種がある暖炉に、「火を大きくするために」薪を足す。
それが麻薬。
全く火種もない暖炉に「火が付いた薪をよそから持ってきて置く」のが魔薬。
それで分かりますか? 」
コリンがアンバーとザッカを見る。
二人は微妙な表情をして、やがて苦笑いした。
「なんとなく、分かる」
と、アンバー
「なんか、不自然なもんなんだってことは分かった」
といったのは、ザッカだ。
「魔薬に使われてる薬草は、実はそう珍しいものじゃない。
幻覚症状を引き起こす効果が出ればいい‥って位かな。
そのただの薬草を魔薬に加工する技術が難しくって、それ故に価値がある。
加工方法さえわかればどうってことない‥そんなに高度な魔法を必要とするものでもないんだろうけど、それを発見できるか‥っていわれるとなかなか出来ない。
その発想力やら研究意欲は‥悪くない。
悪いことに使うから魔薬になるだけで、いいことに使えば‥よかったんだろうけどね‥」
コリンは寂しそうな表情を浮かべた。
「魔法の才能がある人間がそれを「お金の為に」悪用している‥もしかしたら利用されてるだけかもしれないけど‥のって‥嫌ですよね。
僕も悪戯に魔法を使うことはありますけど‥、僕の魔法が僕の手から離れることはないです。
僕は僕の魔法に責任を持っています」
自分の手で魔法を使い、自分の目に見えるところで悪戯が成功するのを見届ける。
誰が落ちるか分からない落とし穴を掘ることは自分は無い‥ってコリンは言う。
‥一見立派なこと言ってる気もするけど‥そうでもない。
そして、コリンは別に魔法を悪いことに使っているから怒っているわけでは無いってこと‥。
そこら辺も‥コリンらしいなって思ったり。
「いいことに‥使われれる「飲む魔法陣」は今まで例があったのか? 」
ザッカが「う~ん」と一度唸ってから、ゆったりと腕を組んで‥コリンを見た。
悪いことに使われる「飲む魔法陣」は魔薬っていうんだろうけど、良いことに使われるんだったら魔薬とは呼ばないだろう‥って思ったんだけど‥何て呼ぶんだろう? って思ったり。
「わざわざ「飲むタイプ」にする必要は無いですよね。「いいことに使われる魔法陣」を。
魔薬は自ら飲むというより「飲ませる」ものなんです。
いぶして煙を吸わせる‥とかね」
コリンが苦笑いして答えて、
皆ははっとした。
自ら飲むというより、飲ませるもの。
ゾクっとした。
自ら飲む時に感じる魔法に対する恐怖心‥。
どんな副作用があるだろう? 本当にこれを口にしても平気なんだろうか?
もし騙されていたら‥
‥そういう違法薬物を口にするなら‥そういうリスクを覚悟する必要がある。
だけど
もし憎い相手がいて
もしくは
なんとも思わない相手なら‥
別にその得体のしれないものを摂取させることに躊躇は無いだろう。
そういう非人道的な考えを持つ人間がこの国には‥少なくない人数‥いるってわけだ。
‥ゾクっとする。
ホントに‥
絶望しか感じない。
「ホント‥ヤになっちゃいますよね。
別に世直ししようとかそういう‥正義なんて持ち合わせてない僕からしても‥奴らはやりすぎだと思う。
それに、
シークさんがきっと‥嫌がるっておもうし」
そういうの野放しにするの。
だって、シークさんは僕なんかと違っていい人だし。
「ホントに‥
俺は‥俺たちは何が出来るんだ? そんな‥途方もなく大きな悪に対して‥
俺たちが出来ることなんて‥」
ザッカの絞り出すような声には、耐えられないような悔しさがにじんでいる。
ああそうだ。ザッカさんもいい人だった。
コリンは、ふ、と苦笑いする。
良い人の前では、自分はなんて薄汚れてるんだろう‥って思う。ザッカさんもシークさんもなんて眩しいんだろう‥って思う。
そして、そう思った人間はコリンだけじゃなかった。
ナナフルだ。
ナナフルは‥もっと、冷静で、もっと‥ドライだ。
自分の力をわきまえており、出来ないことは出来ないって割り切って、他者に助けを求めることを厭わない。
否
他者を利用するのをためらわない。
結果を出すためにはどうすればいいかを第一に考え合理的に動く。
どうするのが最適かって考える。
使われるんじゃなくて、周りを使ってでも目的を達成させる。
貴族っていうのは、「使う立場」が当たり前なんだ。
指示待ちや、従順な駒としての立場‥ってのは、処世術としては必要だけど、求められ、教育される「資質」は「人を使う側の技量」と、上に立つものの品格、態度だ。
フタバや、ロナウも当たり前にそういう教育を受けてきている。そして、元貴族だったナナフルも、母親のそういう所作を見て育って来た。
自分の行いに自分で責任を持つ。周りと揉めず、だけど、流されない。
そういう強かさを持っている。
自分の力不足を嘆いたり、世の中の不条理に怒ったり、自分の力不足を悔んだり‥
そういうのを、だけどナナフルは「無様だ」って思わない。寧ろそういう人間を好ましいって思う。
そういうザッカを‥たまらなく愛おしいって思う。
だけど、自分はそういう人間になれない。‥なろうと思わない、ではない。
なれない。
そういうのは‥「熱い」「いい人」がすることだ。
コリンを見て、
コリンの自分にただ正直な様子を見て‥衝撃を受けたし、でも、どこかほっとする自分に気付いた。
どんな風でも、‥ダメじゃない。
なんて言ったらいいのか分からないけど‥「そんな風」に思って安心した。
「小細工なんて‥僕は出来ません。
正面切って正々堂々‥
対魔法使いなら、「僕ら」は負けません」
にやり、とコリンが笑う。
「僕ら? 」
ナナフルがコリンを見る。
コリンは‥「根拠もなく」堂々としてて‥羨ましい位、楽しそうだ。
コリンは、ザッカとは別の意味で‥眩しい。
「共同体です。
僕の‥じゃなくて、
ロナウの、共同体です。
対魔法使いなら‥僕らに勝てる者はいないんです。
魔法が使えなければ
魔法使いの集団なんて、ただのモヤシ集団です」
「魔法が使えない‥魔力がなくなる‥ロナウの能力‥? 」
アンバーが単語を口にしながら‥記憶をたどる。
コリンはロナウについて‥どういう風に説明していたか‥
確か‥
魔力保有量は少ないんですが、他の属性の魔力に対して適応力が普通の人の数倍優れているらしく、あと‥対象者に触れないでも、魔力吸収が出来ます。
「対象者に触れないでも、魔力吸収が出来る‥」
ボソリ、とアンバーが呟き、コリンがまたにやりと笑う。
「それです。
別にね。方向性が決まってたらリーダーを変えて‥別のリーダーが共同体を引っ張ってもいいんです。
力があれば。
でも‥
皆を引っ張ってくだけの力はロナウには無い。
普通なら絶対にリーダーには選ばれないだろう。
だけど‥僕なら、ロナウを支えて、リーダー代理にすることは出来る」
ロナウの資質を実は買っていた、とかじゃない。
仲間を信じてる‥とかいう「いい話」でもない。
やっぱりただの自慢だったのだった‥。
ボーとしているロナウを放っておいて、メンバーは真剣に会議を続けていた。
それぞれが集めて来た情報交換だとか、それらを整理してまとめたりだとか、新たに出て来た疑問だとか、新たに調べるべきことは何か‥だとか。
そんな話をしていると、アンバーが言いにくそうな顔で
「しかし、魔薬って、違法薬物とはどう違うんだ? 」
ボソリ‥と聞いた。
この世界にも、違法薬物‥麻薬はある。
気分を高揚させていい気分になれちゃう奴とかがそう。媚薬も「強いもの」は麻薬だ。(ほんの軽いやつは「精力剤」って名前で普通に薬局に売られている)
麻薬と、魔薬は違う。
「今更それを聞く? 」
苦笑いしたものの、コリンにアンバーを馬鹿にしている様子はない。
それどころか、「う~ん」と肩をすくめて
「あんまりにも皆が質問してこないから、「意外と知ってるのかな? 」って思ってた」
って苦笑いしてて付け加えた。
「俺も、知らなかったんだけど、聞く機会が無かった」
とザッカが言って、ナナフルも頷いた。
「でも、アンバーが知らない‥ってのは意外だった」
コリンがアンバーを見ると、
「いやさ。俺たちは別に組織がどんなことしてるか‥なんて考えないからな~」
アンバーは苦笑いして言った。
下っ端なんて皆そんなもんなんだろう。(案外幹部以下はそんなもんなんじゃないだろうか? )
「悪いことをしているのかも」って思う奴はいい方で‥それすら考えてない奴らもいるのかもしれない。
性格の問題じゃない。「育ってきた環境」の問題なんだ。
それしか選択肢が無ければそう暮らしていくしかない。
「魔薬は、飲む魔法陣だって思ってもらえるとわかりやすいと思います。
薬って分類だし、薬草を使って作るんですけどね。
麻薬と魔薬は全く違うものなんです。
どういう例えが分かりやすいかな‥
うっすらと‥小さな火種がある暖炉に、「火を大きくするために」薪を足す。
それが麻薬。
全く火種もない暖炉に「火が付いた薪をよそから持ってきて置く」のが魔薬。
それで分かりますか? 」
コリンがアンバーとザッカを見る。
二人は微妙な表情をして、やがて苦笑いした。
「なんとなく、分かる」
と、アンバー
「なんか、不自然なもんなんだってことは分かった」
といったのは、ザッカだ。
「魔薬に使われてる薬草は、実はそう珍しいものじゃない。
幻覚症状を引き起こす効果が出ればいい‥って位かな。
そのただの薬草を魔薬に加工する技術が難しくって、それ故に価値がある。
加工方法さえわかればどうってことない‥そんなに高度な魔法を必要とするものでもないんだろうけど、それを発見できるか‥っていわれるとなかなか出来ない。
その発想力やら研究意欲は‥悪くない。
悪いことに使うから魔薬になるだけで、いいことに使えば‥よかったんだろうけどね‥」
コリンは寂しそうな表情を浮かべた。
「魔法の才能がある人間がそれを「お金の為に」悪用している‥もしかしたら利用されてるだけかもしれないけど‥のって‥嫌ですよね。
僕も悪戯に魔法を使うことはありますけど‥、僕の魔法が僕の手から離れることはないです。
僕は僕の魔法に責任を持っています」
自分の手で魔法を使い、自分の目に見えるところで悪戯が成功するのを見届ける。
誰が落ちるか分からない落とし穴を掘ることは自分は無い‥ってコリンは言う。
‥一見立派なこと言ってる気もするけど‥そうでもない。
そして、コリンは別に魔法を悪いことに使っているから怒っているわけでは無いってこと‥。
そこら辺も‥コリンらしいなって思ったり。
「いいことに‥使われれる「飲む魔法陣」は今まで例があったのか? 」
ザッカが「う~ん」と一度唸ってから、ゆったりと腕を組んで‥コリンを見た。
悪いことに使われる「飲む魔法陣」は魔薬っていうんだろうけど、良いことに使われるんだったら魔薬とは呼ばないだろう‥って思ったんだけど‥何て呼ぶんだろう? って思ったり。
「わざわざ「飲むタイプ」にする必要は無いですよね。「いいことに使われる魔法陣」を。
魔薬は自ら飲むというより「飲ませる」ものなんです。
いぶして煙を吸わせる‥とかね」
コリンが苦笑いして答えて、
皆ははっとした。
自ら飲むというより、飲ませるもの。
ゾクっとした。
自ら飲む時に感じる魔法に対する恐怖心‥。
どんな副作用があるだろう? 本当にこれを口にしても平気なんだろうか?
もし騙されていたら‥
‥そういう違法薬物を口にするなら‥そういうリスクを覚悟する必要がある。
だけど
もし憎い相手がいて
もしくは
なんとも思わない相手なら‥
別にその得体のしれないものを摂取させることに躊躇は無いだろう。
そういう非人道的な考えを持つ人間がこの国には‥少なくない人数‥いるってわけだ。
‥ゾクっとする。
ホントに‥
絶望しか感じない。
「ホント‥ヤになっちゃいますよね。
別に世直ししようとかそういう‥正義なんて持ち合わせてない僕からしても‥奴らはやりすぎだと思う。
それに、
シークさんがきっと‥嫌がるっておもうし」
そういうの野放しにするの。
だって、シークさんは僕なんかと違っていい人だし。
「ホントに‥
俺は‥俺たちは何が出来るんだ? そんな‥途方もなく大きな悪に対して‥
俺たちが出来ることなんて‥」
ザッカの絞り出すような声には、耐えられないような悔しさがにじんでいる。
ああそうだ。ザッカさんもいい人だった。
コリンは、ふ、と苦笑いする。
良い人の前では、自分はなんて薄汚れてるんだろう‥って思う。ザッカさんもシークさんもなんて眩しいんだろう‥って思う。
そして、そう思った人間はコリンだけじゃなかった。
ナナフルだ。
ナナフルは‥もっと、冷静で、もっと‥ドライだ。
自分の力をわきまえており、出来ないことは出来ないって割り切って、他者に助けを求めることを厭わない。
否
他者を利用するのをためらわない。
結果を出すためにはどうすればいいかを第一に考え合理的に動く。
どうするのが最適かって考える。
使われるんじゃなくて、周りを使ってでも目的を達成させる。
貴族っていうのは、「使う立場」が当たり前なんだ。
指示待ちや、従順な駒としての立場‥ってのは、処世術としては必要だけど、求められ、教育される「資質」は「人を使う側の技量」と、上に立つものの品格、態度だ。
フタバや、ロナウも当たり前にそういう教育を受けてきている。そして、元貴族だったナナフルも、母親のそういう所作を見て育って来た。
自分の行いに自分で責任を持つ。周りと揉めず、だけど、流されない。
そういう強かさを持っている。
自分の力不足を嘆いたり、世の中の不条理に怒ったり、自分の力不足を悔んだり‥
そういうのを、だけどナナフルは「無様だ」って思わない。寧ろそういう人間を好ましいって思う。
そういうザッカを‥たまらなく愛おしいって思う。
だけど、自分はそういう人間になれない。‥なろうと思わない、ではない。
なれない。
そういうのは‥「熱い」「いい人」がすることだ。
コリンを見て、
コリンの自分にただ正直な様子を見て‥衝撃を受けたし、でも、どこかほっとする自分に気付いた。
どんな風でも、‥ダメじゃない。
なんて言ったらいいのか分からないけど‥「そんな風」に思って安心した。
「小細工なんて‥僕は出来ません。
正面切って正々堂々‥
対魔法使いなら、「僕ら」は負けません」
にやり、とコリンが笑う。
「僕ら? 」
ナナフルがコリンを見る。
コリンは‥「根拠もなく」堂々としてて‥羨ましい位、楽しそうだ。
コリンは、ザッカとは別の意味で‥眩しい。
「共同体です。
僕の‥じゃなくて、
ロナウの、共同体です。
対魔法使いなら‥僕らに勝てる者はいないんです。
魔法が使えなければ
魔法使いの集団なんて、ただのモヤシ集団です」
「魔法が使えない‥魔力がなくなる‥ロナウの能力‥? 」
アンバーが単語を口にしながら‥記憶をたどる。
コリンはロナウについて‥どういう風に説明していたか‥
確か‥
魔力保有量は少ないんですが、他の属性の魔力に対して適応力が普通の人の数倍優れているらしく、あと‥対象者に触れないでも、魔力吸収が出来ます。
「対象者に触れないでも、魔力吸収が出来る‥」
ボソリ、とアンバーが呟き、コリンがまたにやりと笑う。
「それです。
別にね。方向性が決まってたらリーダーを変えて‥別のリーダーが共同体を引っ張ってもいいんです。
力があれば。
でも‥
皆を引っ張ってくだけの力はロナウには無い。
普通なら絶対にリーダーには選ばれないだろう。
だけど‥僕なら、ロナウを支えて、リーダー代理にすることは出来る」
ロナウの資質を実は買っていた、とかじゃない。
仲間を信じてる‥とかいう「いい話」でもない。
やっぱりただの自慢だったのだった‥。
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