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222.初めては。(☆‥になるかな?? )

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「‥まて。
 いや‥これじゃ今までと同じだ‥! 」
 ぼそ‥とシークさんが呟いた。
 何かを決意したんだろう、ぐっと顔を上げたが、相変わらず真っ赤な顔をしたままだし、(緊張してか)僕の方は見られないみたいだ。
 僕の方を見る勇気は無いけど、とにかくこのままではいけないって‥気力だけで顔を上げたって感じ。
 その姿を見てたら、

 いいよ~。無理しないで。ゆっくりしようね~。

 って言ってあげたくなる。
 生暖かい微笑を浮かべて‥ちょっと「よしよし」してあげたくなっちゃうけど、‥それはシークさんの男としての矜持が傷つくだろうしね? 
 でも‥可愛い~。
 うんうん、いいんだよ。ゆっくりで。僕はいくらでも待つよ。今日キスしてもらったから、もう、「好きじゃないかも」とか疑わないよ~。
 キスのその先。
 そう言う事は、「無理して」やるもんじゃない。多分、きっとあれだ。お互いの距離が今よりもっと‥徐々に狭まっていって、気が付いたら、そういうことになってました。って奴なんだ。
 シチュエーションとしたら‥
 シークさんの家。
 シークさんと二人っきりで、シークさんのベッドに腰かけて楽しく話していたら‥部屋がオレンジ色に染まり‥夕方になったことに気付く
「‥もう、こんな時間。夕飯の用意をするね(って、実際用意をするのはシークさんなんだろうけど、ここは僕がするってことにしておこう)」
 って立ち上がろうとする僕の手をシークさんがつかむ。
 思わずつかんでしまったんだ。
 それで、シークさんは「あ‥」って戸惑ったみたいに僕を見上げる。
「‥どうしたの? 」
 ちょっと驚いて‥だけど、ふわりと可憐に微笑む癒し系の僕。シークさんはそんな僕に一瞬見惚れて、だけど赤くなって俯いて
「‥もうちょっといいんじゃないか? 」
 って言うんだ。
 で、僕が
「そうだね。時間はいっぱいあるんだもんね」
 って照れ隠しにわざと明るく微笑むんだけど、内心はドッキドキで、真っ赤になってシークさんの横に座りなおす。
 しばらくお互い無言で真っ赤な顔して俯いていたが、やがて無言で顔だけで向かい合い‥唇を重ね‥その後は‥アレだ。お決まりの展開だ。
 気が付いたら、明かりをつけなかったへやは徐々に薄暗くなっていって‥二人は時間も忘れて夢中で抱き合う‥。
 ‥初めてはきっとそういう感じになるだろう。
 いま、ここで
「エッチしてください! 」
「じゃあやろう! 」
 ってするもんじゃない。
 人参の味は知りたいけど‥つまみ食いはしたし、やっぱり楽しみは後でってことで!
 ってか‥人参って例え、良くなかったな。アレだ。ちょっと、お下品って感じ‥しないかね??
 人参の味とか‥って、ねえ‥?
「ほら、コリン、食べてごらん? 」
 ってシークさんの人参を‥
 ひぃいぃ‥! 
 僕‥溜まってるの?? 頭湧いてるの?? やっぱり欲求不満なの??
 って‥僕まで真っ赤になった。
 
 真っ赤な顔したシークさんが僕を見る。
 僕も顔を上げてシークさんを見て、
 僕らはそこにペタリと座り込んで、もう一度キスした。
 シークさんの手が僕の肩にかかる。
 そのまま押し倒されるように‥草地にふわりと寝かされ、もう一度キスする。
 シークさんの手が僕の貫頭衣の裾に伸び‥た瞬間はっとした。
 いま、昼だし、ここ外なんだけど! 
 って。
 僕、初めては絶対暗い部屋でしたいんですけど!?
 だって‥恥ずかしいじゃないか! 
 誓約士紋とか‥見たらアレだ。全人類「うぉ~かっけー」ってなるよ!? それって、ロマンチックとは程遠いし、‥絶対萎えるし! (※ コリン個人の感想です)
 初めては
「可愛い‥」
 とだけ思われたいんですけど!? 職業紋とか見えない位真っ暗をお望みなんですけど?!

 だから、僕は恥ずかしそうに‥(めいっぱい演技。だけど、緊張して‥ちょっと震えて、かなり迫真の演技っぽくなってる)
「明るいの‥ダメ‥」
 っていって、貫頭衣の裾に伸びるシークさんの手をそっと握って‥止めた。
 が、
 僕の可愛さが(多分)シークさんの火を更に煽っちゃったみたいで‥
「コリン! 」
 って‥さらに乱暴に裾を引き上げようとした。

 やめろいうたやないか~!!

「僕は!! 明るいのも、外も嫌なんです!! 初めてのエッチは夜の! シークさんの部屋で! って決めてるんです!! 」
 僕は怒り心頭だ。
 シークさんを跳ね飛ばし、ガバッと立ち上がり、裾を直し、パンパンと服についた草を払った。
「え‥」
 ぼ~然としているシークさんの顔を見て‥「流石に悪かったな」とは思ったけど‥だからって言って妥協したくない。
 外、しかも、近くに上司や悪友、同級生がいるとこで‥とか有り得ない!!
「先に帰りますね!! 」
 と、笑顔で言おうとしたが‥ちょっと、笑顔が引きつった~。

 真っ赤になりながら事務所に走る僕
 ちっとも残念じゃなかったって言ったら、嘘になるけど‥だけど、いくら大好きなシークさんとは言え、嫌なことは嫌だし。だけど、全部嫌だったかって言うと‥そうじゃない。
 寧ろ、強引なシークさんにドキドキした。しばらくは、これを思い出してニヤニヤできるだろうって位‥嬉しかった。
 でも、‥あれはないかな~。
 って、ちっともまとまらない考え事で、頭が「わ~! 」ってなりそうだった。
 でもね、
 今ほど、生きてるって思ったことないし、今ほど、これからも生きたいって思ったことない。
 シークさんとこの続きをするために、僕は僕のすることをさっさと(! )しようって、改めて誓うのだった、
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