やり直し結婚しませんか?

鳴宮鶉子

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元夫と同棲生活

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「涼音の手料理を食べれるって嬉しいな。いただきます!!」

うっかり丸こげにしたぶりの照り焼きと味が濃過ぎる肉じゃがを嬉しそうに頬張る聡太さんの前で、味噌汁とご飯のみ口にする。

朝食はなるべく手作りしてる。
寝ぼけて見事に失敗した食事を嬉しそうに口に頬張る聡太さんに対し、申し訳なく思う。

残さず全部平らげて、「ごちそうさま」と笑顔を向けてくれるのが嬉しい。

「涼音、自宅待機解除したし、久しぶりに外に出ないか?」

「……ダメだよ。違う型に罹る危険性あるし」

16日間も会社を休む事になった。
休んだのは2日間で在宅勤務で仕事はしてた。
でも、管理職の聡太さんが長期で休んだ事で業務に支障はかなり出てる。

「藤堂教授みたいにインターネットショッピングでお取り寄せするか。土日に涼音の実家で過ごすのはいいよな!!」

「ーーうん。藤堂教授が米沢牛を5kg取り寄せたとかですき焼きかしゃぶしゃぶをするってママからLINEきてた」

「すき焼きがいいな!!楽しみだ!!」


看病をするために聡太さんのマンションで生活をしていたのに、そのまま居ついてしまった。
2ヶ月間だけど一緒に暮らしていたマンション。
結婚するからとダブルベットを購入し、元々使っていたセミダブルのベッドをゲストルームに置いてたから、その部屋を使わせて貰ってる。

朝から寝るまでずっと聡太さんの側にいる。
3年前、命を狙われ流産し身体を壊した時に、私が1番傷ついた事は聡太さんと離婚し離れ離れになってしまった事だったのかもしれない。
一緒にいた3ヶ月間がとても幸せなひとときだったから。

私も聡太さんも、最初にした時がお互い初めて同士で行為を楽しむ余裕なんてなかった。
聡太さんが女遊びが激しいという私に手をかけた女性の嘘を信じた私は馬鹿だったと思う。

「聡太さん、起きてください。朝食できてますよ!!」

今日の朝食は、目玉焼きとソーセージとポテトサラダにトーストしたパン。
目玉焼きが目玉焼きの形状をしてないのはいつもの事。

「涼音、おはよう」

ベッドから起き上がった聡太さんにぎゅっとハグされて、啄むキスを唇に落とされる。
コーヒーとコーンスープをつけた洋食の朝食をとり、出勤準備をする。

聡太さんとの生活が幸せでたまらないけど、フレンチキスとハグ以上の事をされない事に不満を感じてた。


****

「一緒の部屋でいいでしょ。涼音の部屋のベッド、セミダブルだからちょっと狭いぐらいでしょ」

当たり前のように就寝時に母に聡太さんと私の部屋に追い払われた。

1ヶ月以上一緒に暮らしてるけど、一緒のベッドで寝た事なんてない。

久しぶりの日本酒をぐいぐいと藤堂教授に飲まされ、かなりベロンベロン状態。
夕方に先にお風呂を終わらせておいてよかったと思う。
今日はすき焼きで明日はしゃぶしゃぶをするらしく、米沢牛5kg以外にも極上の鹿児島の黒豚を3kg取り寄せてた。
無農薬野菜もどさっと2箱取り寄せていて、帰りに半分持って帰れと母に押しつけられた。

「遥花さん、具合悪そうだったけど大丈夫?」

「疲れで食あたりしたっていってた」

いつもは肉料理の時は赤ワインをボトルで2本あけるのに、今日は一滴も飲まなかった。

「……ノロウイルスも流行する季節だからな」

酔っていてもウイルスの話にはついてくる。ノロとロタはキツい。
私があの時に飲まされたウイルスに配合され、最初は身体が動かせれないのに嘔吐下痢でのたれ苦しんだ。
インフルエンザやアデノウイルスetc全てのウイルスをブレンドされていた。
今は居ないが当時、創薬研究フロアに書類作成や電話番をする一般事務員が2人いた。
その2人のうちの1人が、私に手を下した。とにかく私をこの世から消そうと事に及んだらしい。


ベッドの中に先に入った聡太さんが左端に寄り、私が横になるスペースを作る。

「……嫌だったら藤堂教授の所にいく。いつも通り布団敷いてあったし」

「ううん、一緒に寝たい」

首を横に入り、布団の中に入る。
セミダブルのベッドだけど、聡太さんは180cm以上ある細マッチョな身体つきをしてるからスペースをとってしまう。

「ーー涼音!?」

「ベッドから落ちたら身体が痛いから、抱きしめて寝て。聡太さんの胸の中、あたたかい」

私の方に身体を向けてた聡太さんの胸元に入り込み、腰に手を回し、上目遣いで彼を見つめる。

「ーー涼音もあたたかい。こんなに華奢に弱々しい身体になって。守れなくてごめんな」

当時の事を思い出すと、胸が張り裂けそうな気持ちになり、ツラい。

「ーー聡太くん、抱いて。こんなガリガリで傷だらけの身体に欲情なんて湧かないかも知れないけど、聡太さんとしたい!!」

階段からも突き落とされたから、骨盤や肋骨がバキバキに折れた。
だから、身体の表面も縫合痕がたくさんある。

「ーー俺は涼音以外の女には反応しない。見た目じゃなく涼音だから、抱きたいと思った。そういえば、ポチャってるってる事を気にして、裸になる事を嫌がってたよな……」

懐かしむように聡太さんがそんな事を言うから、恥ずかしくて、顔を背ける。

「涼音ならお相撲さん体型になってもガイコツになっても抱ける気がする。涼音……愛してる」




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