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元夫は私を手放さない
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「近くの賃貸マンションに引っ越す事にした」
11月の終わり。私は聡太さんのマンションを出て、一人暮らしを始めた。
約束のリミットがきてから、同棲を終わらす準備を進めてた。
「涼音と別れたくない。子供なんていなくていいだろう。彩音がいるし、出ていかないでくれ」
11月の初めに関係を終わらせると承諾していたのに、ずるずると毎夜抱かれた。
このままでは聡太さんは他の女性のところにいけない。
実家に戻ろうと思ったけど、彩音中心で子育てを楽しんでいる父母のところには身を寄せれない。
ひとまずレオパレスで生活をし、他県の製薬会社で創薬研究員をするか、内科医として復職しようとインターネットで転職先を探してる。
「涼音、真田製薬を退職するの俺、認めないから。上司は俺なのに退職届を真田部長に渡すって、おかしいだろ!!」
聡太さんに渡しても受け取って貰えないから、真田部長に提出した。
「真田部長は受け取って下さいました。有給消化があるので、2週間後に退職させて頂きます」
未練たらたらの聡太さんだけど、私は動じないように毅然とした態度で彼と接してる。
「涼音が決めた事だから反対はできないが……」
週末に久しぶりに実家に戻ると、父に呼ばれたのか聡太さんがいた。
「真田製薬を退職して、これからどうするんだ?」
「ーーこれから考える」
コロアウイルスの第3波がきて、都外に移り住む事が憚れる。
コロアが落ち着いたタイミングで、京都か北海道に移り住もうと考えてる。
「俺は涼音を手放す気ないから。子供がいなくても夫婦としてやっていけるだろ!!親子の歳の差がある妹がいる。涼音、俺は涼音にそっくりな彩音の成長を我が子のように感じてる」
1歳半になった彩音を膝に座らせ、聡太さんは言う。
「聡太くん、涼音は遥花さんに似て頑固なところがあるから、長期戦になるよ」
父と彩音は聡太さんの味方。
母は美容院とエステに出かけていて留守で、真田製薬を退職した事は事後報告で終わった事だけど、聡太さんと離れるために都外に出る事を考えてると話したら大反対されそうだ。
「涼音はまだ若い。少しふっくらしてきたし、そろそろ生理周期戻るんじゃない?」
毎週末に実家でご馳走をよばれてたら、身体に皮下脂肪はつく。
消化吸収が悪いから3kg増で済んでるけど、二度腕とお腹がぽちゃっとして悲しい。
胸とお尻はぺったんこで女性らしい丸みはない。
「涼音、しばらくここに帰ってきなさい。で、彩音の面倒をみて。保育園に預けるの心配だったのよ」
産後半年で仕事復帰した母。
彩音が保育園でコロア感染したら怖いから、退職して特にやる事もなかったから子守を引き受けた。
「ねぇね、にぃに、くる?」
「週末にくるよ」
実の姉よりも、元義兄が好きな彩音。
1歳半なのにディズニープリンセスのアニメが大好きで、毎日観たがる。
家事をしてる時に観せてたら、ドレスが欲しいと指差してねだられインターネットショッピングで購入した。
****
「彩音、可愛い。よく似合ってる」
ぶかぶかのプリンセスドレスを着て玄関にお迎えに出た彩音を、聡太さんがアルコール消毒した手で抱きかかえる。
「これはシンデレラのドレス?」
「ちがう、アニャ!!」
どちらも水色のドレスだから、私も区別がつかない。
ディズニープリンセスを観るたびにドレスをねだられ、クリスマスにねとはぐらかすも指差しをして癇癪をあげるから、最近困ってる。
オシャレをして大好きな人を出迎える彩音は愛らしい。
因みに私はボーダーのトレーナーに黒のチノパンで、1歳半の妹に女子力で負けてる。
「彩音、ドレスが汚れるから着替えなさい」
「ーーいやっ!!」
父の言う事は全く聞かず、彩音は聡太さんのおひざに座ってご飯を食べさせて貰ってる。
「ーー聡太くんの方が父親っぽいわ。パパはじいじにしか見えないもんね」
若いといっても聡太さんももう37歳になるから、立派なおじさんだ。
「涼音、最近、お腹出てきた?」
「30過ぎたら内臓脂肪がつくよ」
腕や太腿、お腹とついて欲しくない所に肉がつく。
ぶかぶかだったズボンとスカートがちょうどよくなっただけで、少しお腹がぽっこりしたぐらい。
「……ちょっとこれで検査してみて」.
母が引き出しからあるものが入った箱を持ってきた。
土曜日で聡太さんが泊まりで遊びにきていて、その箱をみて目を輝かす。
「……排卵してないから絶対に違う。悪阻も無かったし」
「検査してきなさい!!」
箱から取り出した妊娠検査薬のキットを渡され、母にトイレまで連れてかれた。
聡太さんもラプンツェルのドレスを着た彩音を抱っこしてトイレの前まで着いてきた。
期待されても裏切るだけ、妊娠してない事実を伝えるために検査をする。
陽性反応はでるわけないと思いつつキットをみつめてると陽性反応を表す縦線が出ていて目を疑う。
トイレから出て、キットを聡太さんに渡す。
「陽性反応出た!!涼音のお腹に俺の子がいるんだな!!やったー!!」
彩音を下ろし、聡太さんが私に抱きついてきた。
まさか妊娠してるとは思わなくて、私は呆然としてる。
「涼音、子供できたから、俺と再婚してくれるよな。マンションに戻ってきてくれるよな!!」
「……うん。一緒にこの子を育てよう!!」
11月の終わり。私は聡太さんのマンションを出て、一人暮らしを始めた。
約束のリミットがきてから、同棲を終わらす準備を進めてた。
「涼音と別れたくない。子供なんていなくていいだろう。彩音がいるし、出ていかないでくれ」
11月の初めに関係を終わらせると承諾していたのに、ずるずると毎夜抱かれた。
このままでは聡太さんは他の女性のところにいけない。
実家に戻ろうと思ったけど、彩音中心で子育てを楽しんでいる父母のところには身を寄せれない。
ひとまずレオパレスで生活をし、他県の製薬会社で創薬研究員をするか、内科医として復職しようとインターネットで転職先を探してる。
「涼音、真田製薬を退職するの俺、認めないから。上司は俺なのに退職届を真田部長に渡すって、おかしいだろ!!」
聡太さんに渡しても受け取って貰えないから、真田部長に提出した。
「真田部長は受け取って下さいました。有給消化があるので、2週間後に退職させて頂きます」
未練たらたらの聡太さんだけど、私は動じないように毅然とした態度で彼と接してる。
「涼音が決めた事だから反対はできないが……」
週末に久しぶりに実家に戻ると、父に呼ばれたのか聡太さんがいた。
「真田製薬を退職して、これからどうするんだ?」
「ーーこれから考える」
コロアウイルスの第3波がきて、都外に移り住む事が憚れる。
コロアが落ち着いたタイミングで、京都か北海道に移り住もうと考えてる。
「俺は涼音を手放す気ないから。子供がいなくても夫婦としてやっていけるだろ!!親子の歳の差がある妹がいる。涼音、俺は涼音にそっくりな彩音の成長を我が子のように感じてる」
1歳半になった彩音を膝に座らせ、聡太さんは言う。
「聡太くん、涼音は遥花さんに似て頑固なところがあるから、長期戦になるよ」
父と彩音は聡太さんの味方。
母は美容院とエステに出かけていて留守で、真田製薬を退職した事は事後報告で終わった事だけど、聡太さんと離れるために都外に出る事を考えてると話したら大反対されそうだ。
「涼音はまだ若い。少しふっくらしてきたし、そろそろ生理周期戻るんじゃない?」
毎週末に実家でご馳走をよばれてたら、身体に皮下脂肪はつく。
消化吸収が悪いから3kg増で済んでるけど、二度腕とお腹がぽちゃっとして悲しい。
胸とお尻はぺったんこで女性らしい丸みはない。
「涼音、しばらくここに帰ってきなさい。で、彩音の面倒をみて。保育園に預けるの心配だったのよ」
産後半年で仕事復帰した母。
彩音が保育園でコロア感染したら怖いから、退職して特にやる事もなかったから子守を引き受けた。
「ねぇね、にぃに、くる?」
「週末にくるよ」
実の姉よりも、元義兄が好きな彩音。
1歳半なのにディズニープリンセスのアニメが大好きで、毎日観たがる。
家事をしてる時に観せてたら、ドレスが欲しいと指差してねだられインターネットショッピングで購入した。
****
「彩音、可愛い。よく似合ってる」
ぶかぶかのプリンセスドレスを着て玄関にお迎えに出た彩音を、聡太さんがアルコール消毒した手で抱きかかえる。
「これはシンデレラのドレス?」
「ちがう、アニャ!!」
どちらも水色のドレスだから、私も区別がつかない。
ディズニープリンセスを観るたびにドレスをねだられ、クリスマスにねとはぐらかすも指差しをして癇癪をあげるから、最近困ってる。
オシャレをして大好きな人を出迎える彩音は愛らしい。
因みに私はボーダーのトレーナーに黒のチノパンで、1歳半の妹に女子力で負けてる。
「彩音、ドレスが汚れるから着替えなさい」
「ーーいやっ!!」
父の言う事は全く聞かず、彩音は聡太さんのおひざに座ってご飯を食べさせて貰ってる。
「ーー聡太くんの方が父親っぽいわ。パパはじいじにしか見えないもんね」
若いといっても聡太さんももう37歳になるから、立派なおじさんだ。
「涼音、最近、お腹出てきた?」
「30過ぎたら内臓脂肪がつくよ」
腕や太腿、お腹とついて欲しくない所に肉がつく。
ぶかぶかだったズボンとスカートがちょうどよくなっただけで、少しお腹がぽっこりしたぐらい。
「……ちょっとこれで検査してみて」.
母が引き出しからあるものが入った箱を持ってきた。
土曜日で聡太さんが泊まりで遊びにきていて、その箱をみて目を輝かす。
「……排卵してないから絶対に違う。悪阻も無かったし」
「検査してきなさい!!」
箱から取り出した妊娠検査薬のキットを渡され、母にトイレまで連れてかれた。
聡太さんもラプンツェルのドレスを着た彩音を抱っこしてトイレの前まで着いてきた。
期待されても裏切るだけ、妊娠してない事実を伝えるために検査をする。
陽性反応はでるわけないと思いつつキットをみつめてると陽性反応を表す縦線が出ていて目を疑う。
トイレから出て、キットを聡太さんに渡す。
「陽性反応出た!!涼音のお腹に俺の子がいるんだな!!やったー!!」
彩音を下ろし、聡太さんが私に抱きついてきた。
まさか妊娠してるとは思わなくて、私は呆然としてる。
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