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運動会でボーカロ仲間との再会
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朝の5時に起きて、凛花ちゃんと運動会弁当を作る。
巻き寿司、稲荷寿し、肉巻き。
だし巻き卵に唐揚げにトンカツ、ウインナー、インゲン人参とオクラの肉巻き。
ポテトサラダにマカロニサラダ、プチトマト。
卵サンドにツナサンドにハムれたサンド。
「伽音ちゃん、3人で食べるのに、この量……多くない?」
3段のお重に入り切らず、大きめタッパー3つにも詰め込んだ。
「アメリカにいた頃は、大学の友達や同じアパートに住んでるおじいちゃんおばあちゃんも見にきてくれて振る舞ってたから、その癖で作り過ぎちゃった」
場所取りをしないといけなくて、6時半に家を出るも、セレブのママさん達は人を雇い、前日の夕方から並んでたようで、出遅れてしまった。
「頼翔くんママ、ご一緒しません?あら、真宮さんの奥様、お久しぶりですね、」
先頭を陣取っていたのは、相馬社長の奥様の元アキバ娘、櫻井遥香さん。
凛花ちゃんの御主人が家を出て行ってから、3ヶ月が経った。
最初は食事もせず、水分も摂らず、眠れずに生きた屍状態だった凛花ちゃん。
だから、なるべく一緒に食事をするようにし、辛い事は酒に溺れて忘れるに限ると、週末は一緒に呑んだくれた。
それで、凛花ちゃん、やっと笑えるようになり、眠れるようになった。
「……有難いですが、まだ、場所はあるので、そこで見ます」
テントがないカンカン照りエリアはまだスペースがある。
「暑いですし、そこからだと、まともに競技が見られないですよ。遠慮しないでいいですよ。主人の仕事関係のゲストが来ますし、ご一緒して下さい」
櫻井遥香さんが私と凛花ちゃんの手を取り、強引に連れて行こうとする。
周りの目もあり拒絶できず、不可抗力で連れてかれてしまった。
「香坂さん、凛花ちゃん、お久しぶり!!」
8時過ぎ、相葉社長が仕事関係のゲストと思われる男性4人を引き連れて、現れた。
「ーーもしかして、“ちゃら”?間違いなく“ちゃら”だよな!?」
相葉社長が連れてきた4人のうち2人は、シンガーソングライターをしていた時に、コラボ曲を出したり曲とかを提供しあったりした仲間。
聖伊織と神崎羊だった。
「相葉社長、“ちゃら”はスペシャルゲストですか?」
「違う。香坂伽音さんは“ちゃら”には違いないけど、うちの心愛の同級生のお母さん」
「ーーまさかの人妻!!アメリカに行ってすぐに男できて結婚したのかっ!!」
コラボ曲が流行ってたから、歳が近い彼らと組んでたけど、いつもリモートでやりとりしてた。
だから、直接会ったのはあのコンパの時だけ。
「俺、……“ちゃら”に一目惚れして、いまだに独身でいたのに」
「俺もだよ。あの飲み会に参加した男達全員、そうだったよな!!」
未成年なのに初っ端にジュースと間違えてカクテルを呑んでしまって、酔って、記憶が飛んで、あまり覚えてない。
「2次会の後に口説こうと思ってたら、いつのまにかいなくなってたんだよな。先に帰った奴、何人もいたから、誰か“ちゃら”を家まで送り届けたか、不明。チャンスを逃して、後悔した!!」
訊いてもないのに、聖伊織と神崎羊はコンパでの事を詳しく話してくれる。
懐かしいエピソードとして、話題にしてるのかもしれない。
「“ちゃら”がアメリカ留学でシンガーソングライター引退すると伝えたら、瀬川翔真も来たんだよな。アプリゲームがヒットして多忙だったから、少し顔を出しただけだったけど」
かなり泥酔していたから、記憶にない。
「未成年に酒を飲ませた事、かなり怒られた。マスコミにリークされてたら、犯罪で逮捕されるって、瀬川翔真が“ちゃら”を送り届けたのか?」
「……違うと思う。初対面の人に送り届けて貰った記憶がある。瀬川さんだったら、リモートでだけど何度か会ってるし、彼はシークレットじゃないから顔をしっかり拝んでるから、絶対に違うと言い切れる」
ここで運動会の開会式が始まるアナウンスが流れ、この話題は終わった。
昼休憩は戻ってきた頼翔と心愛ちゃんを囲んでお弁当を摘みながら、人気YouTuborのオンエアストアの面白い語りを聞き、笑う。
櫻井遥香さんのインスタ映えする運動会弁当は流石だった。
ローストビーフや伊勢海老、海老フライにはタルタルソース。
小さい子供が喜ぶキャラ握りもあった。
だけど、昔のよしみか、聖伊織と神崎羊は私が作ったお弁当をたくさん食べてくれた。
遊戯“カツオマンマーチ”と徒競走を特等席で見られて良かった。
付き合ってくれた凛花ちゃんには申し訳なかったけど、頼翔の運動会、思いっきり楽しみ、いい思い出になった。
巻き寿司、稲荷寿し、肉巻き。
だし巻き卵に唐揚げにトンカツ、ウインナー、インゲン人参とオクラの肉巻き。
ポテトサラダにマカロニサラダ、プチトマト。
卵サンドにツナサンドにハムれたサンド。
「伽音ちゃん、3人で食べるのに、この量……多くない?」
3段のお重に入り切らず、大きめタッパー3つにも詰め込んだ。
「アメリカにいた頃は、大学の友達や同じアパートに住んでるおじいちゃんおばあちゃんも見にきてくれて振る舞ってたから、その癖で作り過ぎちゃった」
場所取りをしないといけなくて、6時半に家を出るも、セレブのママさん達は人を雇い、前日の夕方から並んでたようで、出遅れてしまった。
「頼翔くんママ、ご一緒しません?あら、真宮さんの奥様、お久しぶりですね、」
先頭を陣取っていたのは、相馬社長の奥様の元アキバ娘、櫻井遥香さん。
凛花ちゃんの御主人が家を出て行ってから、3ヶ月が経った。
最初は食事もせず、水分も摂らず、眠れずに生きた屍状態だった凛花ちゃん。
だから、なるべく一緒に食事をするようにし、辛い事は酒に溺れて忘れるに限ると、週末は一緒に呑んだくれた。
それで、凛花ちゃん、やっと笑えるようになり、眠れるようになった。
「……有難いですが、まだ、場所はあるので、そこで見ます」
テントがないカンカン照りエリアはまだスペースがある。
「暑いですし、そこからだと、まともに競技が見られないですよ。遠慮しないでいいですよ。主人の仕事関係のゲストが来ますし、ご一緒して下さい」
櫻井遥香さんが私と凛花ちゃんの手を取り、強引に連れて行こうとする。
周りの目もあり拒絶できず、不可抗力で連れてかれてしまった。
「香坂さん、凛花ちゃん、お久しぶり!!」
8時過ぎ、相葉社長が仕事関係のゲストと思われる男性4人を引き連れて、現れた。
「ーーもしかして、“ちゃら”?間違いなく“ちゃら”だよな!?」
相葉社長が連れてきた4人のうち2人は、シンガーソングライターをしていた時に、コラボ曲を出したり曲とかを提供しあったりした仲間。
聖伊織と神崎羊だった。
「相葉社長、“ちゃら”はスペシャルゲストですか?」
「違う。香坂伽音さんは“ちゃら”には違いないけど、うちの心愛の同級生のお母さん」
「ーーまさかの人妻!!アメリカに行ってすぐに男できて結婚したのかっ!!」
コラボ曲が流行ってたから、歳が近い彼らと組んでたけど、いつもリモートでやりとりしてた。
だから、直接会ったのはあのコンパの時だけ。
「俺、……“ちゃら”に一目惚れして、いまだに独身でいたのに」
「俺もだよ。あの飲み会に参加した男達全員、そうだったよな!!」
未成年なのに初っ端にジュースと間違えてカクテルを呑んでしまって、酔って、記憶が飛んで、あまり覚えてない。
「2次会の後に口説こうと思ってたら、いつのまにかいなくなってたんだよな。先に帰った奴、何人もいたから、誰か“ちゃら”を家まで送り届けたか、不明。チャンスを逃して、後悔した!!」
訊いてもないのに、聖伊織と神崎羊はコンパでの事を詳しく話してくれる。
懐かしいエピソードとして、話題にしてるのかもしれない。
「“ちゃら”がアメリカ留学でシンガーソングライター引退すると伝えたら、瀬川翔真も来たんだよな。アプリゲームがヒットして多忙だったから、少し顔を出しただけだったけど」
かなり泥酔していたから、記憶にない。
「未成年に酒を飲ませた事、かなり怒られた。マスコミにリークされてたら、犯罪で逮捕されるって、瀬川翔真が“ちゃら”を送り届けたのか?」
「……違うと思う。初対面の人に送り届けて貰った記憶がある。瀬川さんだったら、リモートでだけど何度か会ってるし、彼はシークレットじゃないから顔をしっかり拝んでるから、絶対に違うと言い切れる」
ここで運動会の開会式が始まるアナウンスが流れ、この話題は終わった。
昼休憩は戻ってきた頼翔と心愛ちゃんを囲んでお弁当を摘みながら、人気YouTuborのオンエアストアの面白い語りを聞き、笑う。
櫻井遥香さんのインスタ映えする運動会弁当は流石だった。
ローストビーフや伊勢海老、海老フライにはタルタルソース。
小さい子供が喜ぶキャラ握りもあった。
だけど、昔のよしみか、聖伊織と神崎羊は私が作ったお弁当をたくさん食べてくれた。
遊戯“カツオマンマーチ”と徒競走を特等席で見られて良かった。
付き合ってくれた凛花ちゃんには申し訳なかったけど、頼翔の運動会、思いっきり楽しみ、いい思い出になった。
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