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本編

クッキー・ペパーミントの秘密 ②

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【ジークフリートside】

 当事者であるクッキーは忘れているみたいで、ホッ としていたのに、とんだ誤算だな。
 何処まで覚えているんだ、シエスタは。

「あの日、ジーク少年は優秀なお兄様達と比べられるのが嫌で家出をしていました。
 あの頃、クッキーとけっこや木登りの勝負をしていましたが、一度も勝てませんでしたが少しは上達しましたか?  」

 …………全部、覚えていやがる、ちくしょう !

 確かに、クッキー以外にも何人か居たと思うが、山猿みたいな女の子に負けたのが悔しくて、クッキーのことしか覚えていない。

 「今にして思えば、クッキーが戦闘メイドの訓練を受けていなかったのも白い家がクッキーの出自に気がついていたのでしょう。
 、バーボン伯爵が来ていなければ、別の未来もあったかも知れませんね 」 

 偶然な訳、無いだろう。
 アーレンバッハ学園での学生時代にオスカー伯爵とアンリエッタ叔母は、恋人同士だったと宮廷雀が話していた。
 しかし、当時の皇帝だったお爺様の命令で豚公爵に嫁ぐことに成り別れさせられたと言っていた。
 オスカー伯爵も今の奥方であるヒルデガルド夫人と婚約したことで解決すると、当時のお爺様も思ったハズだ。
 しかし、お爺様の思惑を越えてアンリエッタ叔母さまは、騎士見習いのマカロン=ペパーミントと駆け落ちしたのだ。
 マカロンは、優秀でも無く、強くも無い、顔が良いだけの騎士だったそうだが、父上曰く

『 アンリエッタは、イケメンが大好きだったからこそ豚公爵に嫁ぐのを良しとせずに、イケメンの騎士見習いなんかと駆け落ちしたのだろう。
 行動力だけは、ワシもかなわなかったわ ! 』

 と、笑っていた。

 そして父上から見せて頂いた写真には、昔のアンリエッタ叔母さまとアーレンバッハの学友達が一緒に写っていた。
 アンリエッタ叔母の姿は、クッキーに生き写しだったからこそ、オスカー伯爵も気がついたのだろうな。


♟♞♝♜♛♚♙♘♗♖♕♔

【シエスタside】


 ジークフリート王子が思考の海に沈んでいるようですけど、深く考えすぎですよ。
 底辺作者のルシアンに難しい設定なんて無理でしょうから。
 
 とりあえず、折れるフラグは折ったので、アルフォンス様と私の平穏は大丈夫だと思いたいですね。
 そうだ、一応念のために確認しなくては、

『ジークフリート王子殿下は、クッキーのことをどう思っているのですか ?
 このままだと、テリュースに取られてしまいますよ 」

 「確かにクッキーの胸は惜しいが、クッキーを妻にしようとしたら、兄上たちに誤解を産みそうだから諦めることにしたよ。
 王位継承争いなんて興味が無いからな 」

 ……巨乳好きは滅んでしまえ !

 気を取り直して、やはり原作小説とは解離かいりしていますね。
 原作小説でのラストシーンでは、ジークフリートとテリュースから告白&プロポーズされたクッキーが、どちらかを選ぶシーンで……『 完 』にしたルシアンに殺意を覚えたものです。
 そのせいで、双子の妹とケンカを してしまったのですから。
 私と妹が、どちらをたかは内緒です。
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