182 / 749
届けられた物 注意!このお話は少し未来のお話です!
しおりを挟む
ミーネと正妃の部屋に行って、互いの部屋へと別れ昼食を取り終えた頃侍女達がえっちらおっちら多くの荷物を持った女騎士と共にやって来た。
荷物の多さに女騎士達も困惑していたが、贈り主がシュバルツバルト家だった為そのまま持って来たとの事だった。
「ばあや……ミーネを呼んで来て頂戴。」
「はい。」
部屋に運び込まれた箱は有にドレスが五枚は入っていると思える程大きかった。箱は何かの植物が編まれた物で、始めて見る箱だった。小さな箱もかなり多く、大小様々な箱が山と積まれている。
「アンネローゼ様、こちらは何が入ってらっしゃるのでしょう……」
「それを今から見るのよ。送って下さったのはエリーゼ様……シュバルツバルト侯爵様よ。」
侍女達もソワソワしだしている。当然だわ、私だってソワソワしている。
そうこうしてる内にばあやがミーネを連れて、部屋に戻ってきた。
「アンナ、どう…………凄い量ね……」
「あぁ、ミーネ。エリーゼ様からだと思うの。あまりに多くて驚いてるの。」
「では、こちらから開けましょう!」
手近な大きな箱が目の前に持ってこられ、開けられた。
中には様々な緑色のドレスがぎっしり詰められていた。
ざっと見ただけで、10枚近く入ってそうだった。
緑色なのに濃淡に染められている物や、とても濃い緑色の糸で刺繍が施されている物……
一見すると木綿なのに裏地はうんと暖かい上等な毛織物が使われた物だったり……
「凄いわ……」
「こんなの初めて……」
私でも中々お目にかかれない上等な物を伯爵家のミーネは見るのも初めてだったらしく、そのありようも手触りも初めてらしく瞬きを忘れてしまったかのように見つめ触れていた。
「本当に凄いんですね……」
どの侍女が言ったのか分からなかったけど、全くもってその通りだと思った。
「こんなに上等なドレス、私だって持ってないわ……」
ミーネの呟きに頷いて考える。
手紙か何かが無いのはおかしな話だわ……
「申し訳ありません。第一側妃様にこちらの手紙を。」
見たことの無い女官が慌てて手紙を持って来た。どうやら手紙は違う所に紛れ込んでいたようだ。
受け取った侍女が銀盆に乗せ、ペーパーナイフと共に持って来た。
封蝋をペーパーナイフで開け、手紙を見る。
『親愛なるアンネローゼ様、ミネルバ様
手紙を受け取り、驚きました。
新調した物はさすがにあげられませんが、王都の邸に置いてきた物は着る事も無くなった物ばかり。
それでもかなりの量がありますし、きちんと管理していた事もあり殆どの物が良い状態だと思います。
全てを正妃様にあげるのは私にも思う所があります。
アンネローゼ様とミネルバ様が良いと思う物がありましたら、普段使いとして着て頂けると嬉しく思います。
全てをお二人で分けてしまうのはさすがに如何かと思いますので、数枚は正妃様にお渡し下されば良いでしょう。
履かなくなった靴やドレスコート、肩掛けに膝掛け。フードやドレスの中に着付けるアンダースカートもあると思います。
お二人の良いように分けて下さい。
冬の装いの物だけですが、取り急ぎ届けるようにしました。
エリーゼ』
離れて一月余り……それなのに懐かしくてポロポロと涙がこぼれる。
「アンナ、私にも手紙を。」
「ええ……」
手紙を受け取ったミーネも眉が寄せられ、涙をこぼす……
「アンナ……エリーゼ様は私達の事、ちゃんと思って下さってる……」
「そうね。こんなに上等な物を身に付けてらっしゃったのね。」
「アンネローゼ様、いかが…「ばあや、エリーゼ様は私とミーネでまずは選んで良いと。」…畏まりました。」
手紙をミーネから受け取り、ばあやに渡す。
「手紙は私の机の上に置いておいて頂戴。」
「畏まりました。」
ばあやに手紙の内容を読み、一つ頷くと手紙を机へと持っていった。
そして私達はとても楽しくドレスを見て、体に当ててみたりした。
それはそれは、とても楽しく嬉しい時間でした。
荷物の多さに女騎士達も困惑していたが、贈り主がシュバルツバルト家だった為そのまま持って来たとの事だった。
「ばあや……ミーネを呼んで来て頂戴。」
「はい。」
部屋に運び込まれた箱は有にドレスが五枚は入っていると思える程大きかった。箱は何かの植物が編まれた物で、始めて見る箱だった。小さな箱もかなり多く、大小様々な箱が山と積まれている。
「アンネローゼ様、こちらは何が入ってらっしゃるのでしょう……」
「それを今から見るのよ。送って下さったのはエリーゼ様……シュバルツバルト侯爵様よ。」
侍女達もソワソワしだしている。当然だわ、私だってソワソワしている。
そうこうしてる内にばあやがミーネを連れて、部屋に戻ってきた。
「アンナ、どう…………凄い量ね……」
「あぁ、ミーネ。エリーゼ様からだと思うの。あまりに多くて驚いてるの。」
「では、こちらから開けましょう!」
手近な大きな箱が目の前に持ってこられ、開けられた。
中には様々な緑色のドレスがぎっしり詰められていた。
ざっと見ただけで、10枚近く入ってそうだった。
緑色なのに濃淡に染められている物や、とても濃い緑色の糸で刺繍が施されている物……
一見すると木綿なのに裏地はうんと暖かい上等な毛織物が使われた物だったり……
「凄いわ……」
「こんなの初めて……」
私でも中々お目にかかれない上等な物を伯爵家のミーネは見るのも初めてだったらしく、そのありようも手触りも初めてらしく瞬きを忘れてしまったかのように見つめ触れていた。
「本当に凄いんですね……」
どの侍女が言ったのか分からなかったけど、全くもってその通りだと思った。
「こんなに上等なドレス、私だって持ってないわ……」
ミーネの呟きに頷いて考える。
手紙か何かが無いのはおかしな話だわ……
「申し訳ありません。第一側妃様にこちらの手紙を。」
見たことの無い女官が慌てて手紙を持って来た。どうやら手紙は違う所に紛れ込んでいたようだ。
受け取った侍女が銀盆に乗せ、ペーパーナイフと共に持って来た。
封蝋をペーパーナイフで開け、手紙を見る。
『親愛なるアンネローゼ様、ミネルバ様
手紙を受け取り、驚きました。
新調した物はさすがにあげられませんが、王都の邸に置いてきた物は着る事も無くなった物ばかり。
それでもかなりの量がありますし、きちんと管理していた事もあり殆どの物が良い状態だと思います。
全てを正妃様にあげるのは私にも思う所があります。
アンネローゼ様とミネルバ様が良いと思う物がありましたら、普段使いとして着て頂けると嬉しく思います。
全てをお二人で分けてしまうのはさすがに如何かと思いますので、数枚は正妃様にお渡し下されば良いでしょう。
履かなくなった靴やドレスコート、肩掛けに膝掛け。フードやドレスの中に着付けるアンダースカートもあると思います。
お二人の良いように分けて下さい。
冬の装いの物だけですが、取り急ぎ届けるようにしました。
エリーゼ』
離れて一月余り……それなのに懐かしくてポロポロと涙がこぼれる。
「アンナ、私にも手紙を。」
「ええ……」
手紙を受け取ったミーネも眉が寄せられ、涙をこぼす……
「アンナ……エリーゼ様は私達の事、ちゃんと思って下さってる……」
「そうね。こんなに上等な物を身に付けてらっしゃったのね。」
「アンネローゼ様、いかが…「ばあや、エリーゼ様は私とミーネでまずは選んで良いと。」…畏まりました。」
手紙をミーネから受け取り、ばあやに渡す。
「手紙は私の机の上に置いておいて頂戴。」
「畏まりました。」
ばあやに手紙の内容を読み、一つ頷くと手紙を机へと持っていった。
そして私達はとても楽しくドレスを見て、体に当ててみたりした。
それはそれは、とても楽しく嬉しい時間でした。
応援ありがとうございます!
1
お気に入りに追加
6,717
1 / 5
この作品を読んでいる人はこんな作品も読んでいます!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる