婚約破棄されまして・裏

八丈島にて

青い空の下、ユキ・タマ・トラジ・ヒナ・ピカ太郎・リコが再び八丈島に現れた。

「あしたまでゆっくりできるにゃ！」

「きょうはごはん、いっぱいつくるにゃ！」

タマとトラジは張り切りモードです。
昼間はチビナビ達は大忙しなので、それぞれが好きに過ごすのが島でのルールです。

「とっくんするピカ！」

一人フンスと鼻息荒く仁王立ちするピカ太郎を優しく見つめるユキ。ヒナはどうしようかな？と見ています。

「とっくん！スゴイコン！アタシもやるコン！」

リコも足を踏ん張って尻尾を振って発言します。ピカ太郎もリコも可愛いので、可愛勇ましいだけです。ユキとヒナは顔を見合わせ首を傾げます。

（ねぇ、仲良くとっくんするの？）

ヒナが聞きます。

「ちがうピカ！あさ、おもったピカ！ヒナといっしょにこうげきするわざばかりではいけないピカ！」

リコはキョトンです。グイーンと首を傾げてピカ太郎とヒナを交互に見ます。

「いっしょのこうげきってなんだコン！みてみたいコン！」

（そうね。私も見てみたい。ピカ太郎、見せてちょうだい。）

ユキも興味津々です。ピカ太郎はヒナを見る。ヒナもピカ太郎を見て、パチリとまばたきをする。

「わかったピカ！ヒナ！あのきをてきにみたててこうげきわざをみせるピカ！」

叫ぶと同時にヒナに向かって駆け出すピカ太郎。ポーン！と真っ直ぐ上に蹴り上げられたピカ太郎は落ちる瞬間にクルンッ！と丸まります。その後、ピカ太郎は丸まった状態で蹴り上げられ最終的には木に向かって蹴り込まれる。がスピードに乗って、放電しながらぶつかるピカ太郎は中々の威力なのだが衝撃もさることながらぶつかる瞬間の放電は高い電流でかなり攻撃力の高い技であった。ピカッ！と光る木にバチバチッと音が聞こえて来る。
このピカ太郎の姿にリコは興奮して尻尾がブリブリに振られてます。
ポテポテと歩いて来る姿は特に疲れてるようには見えない。

「スゴイコン！かっこよかったコン！」

ピカ太郎は朝のリコの技を見ていたので、微妙な顔でリコを見ます。

「そんなことないピカ……ひとりでこうげきできるリコのほうがかっこいいピカ……」

リコはタッタッタッ！とピカ太郎の前に行く。

「アタシはずっとひとりでこうげきするしかなかったコン！なかまといっしょのこうげきやってみたいコン！」

今度はピカ太郎がグイーンと首を傾げます。リコが自分と同じ攻撃を出来るとは思えなかったからだ。

（ピカ太郎とリコは体型が違うから、仲間と一緒にやる攻撃は変わるわね。）

「どうしたらいいコン？」

（ピカは体が柔らかいから、蹴り上げて遠くだったり高い所だったりに飛ばせたけど……リコはそうはいかないもの。）

「かんがえるピカ！」

こうして、ヒナ・ピカ太郎・リコ・ユキは車座に座り込み、ウーン？と考え込む事になりました。