婚約破棄されまして・裏

竹本 芳生

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八丈島にて 2

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ピカ太郎は思いの外、体が柔らかいためヒナとの合体技で攻撃範囲を広げる事に成功していた。ヒナのキック力も半端なく強い為、かなりの遠距離や高さにも対応できたり。
ヒナ自身の攻撃力も高く、その脚力で高速移動やジャンプなどバリエーション豊かな攻撃が出来る魔物でもあった。
これに対してユキとリコは四つ足の為、攻撃範囲等制限がされる事に気がついた。

「でも、リコのこうげきはなかなかすごかったピカ!」

(でも、あれは高さがない敵なら良いと思うの。)

「ヒナはきびしいピカ!」

ピカ太郎はリコと実際に戦って、リコの強さというものを思い出して発言し。ヒナは客観的に見た感想込みで発言した。この違いは視点の違いもあるが、ヒナは過去弱い仲間達の為に戦ってきた実績もかなりあった故の発言でもあった。

(でもヒナの言うことは分かる。リコはピカ太郎と同じか少し小さい位。背丈のある敵には難しい。でも背丈の無い敵であればリコは強いと思う。)

ユキはリコとピカ太郎の戦いを見てない。

(リコはどんな攻撃が出来るの?)

「いろいろできるコン!」

(じゃあ、見せて貰える?)

「わかったコン!」

車立ち上がり車座から離れ、白い砂浜に向かって火球を吐き出す。その次は火炎車を見せる。

「コォォォォーーーーンンン!」

リコから発される威圧、これにはピカ太郎とヒナは体を固くするがヒナはブルリと震えると威圧を解く。ユキはギュッと土を掴み耐える。そして僅かに落ちている木の葉が浮き上がり舞うと地面に向かって飛んで行くとトストストス!と地面に突き刺さる。そしてその木の葉に向かって火が走る。火が木の葉を燃やし、巻きあがる。

「これで、ぜんぶだコン!」

(リコは強いと思う。あえて一緒に戦うなら、炎を出しながら回ったやつかな?)

(うん……回りながら動いてるのを蹴れば、高さが出せると思う。)

ユキの言葉にヒナも同調する。その言葉を聞いてリコは嬉しそうに尻尾をふりながら走って来る。

「がんばるコン!とっくんするコン!」

「そうピカ!リコはもっとつよくなるピカ!」

ピカ太郎は立ち上がりリコを褒める。ピカ太郎の内心はリコの強さと技の多さで感心していたのだ。自分も強くなろうとも思っていた。
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