婚約破棄されまして・裏

変わり者の天蚕とチビナビちゃん達 8

その日も変わり者の天蚕と一緒に暮らすお嫁さんの天蚕の住む木は朝日を浴びて輝いてます。
チビナビちゃん達は今日も元気いっぱいに変わり者の天蚕の木へとやって来ました。
いつもなら変わり者の天蚕とお嫁さんの天蚕は木の天辺あたりで葉っぱをモシャモシャ食べてるの、どうした事か今朝はいませんでした。

「へんですー！」

「おかしいですー！」

「いないですー！」

チビナビちゃん達は口々に叫びます。

「どうしたですかー！」

「具合が悪いですかー？」

「何かあったですかー！」

大きな木の木漏れ日の光を受けてキラキラと輝く、変わり者の天蚕の巣からひょっこりと変わり者の天蚕が顔を出しました。

「出て来たですー！」

「元気ですかー！」

「待つですー！お嫁さんが出て来ないですー！」

チビナビちゃん達はお嫁さんが出て来ない事に気が付きました。

ギチギチィ！ギチギチギチチィ！
（みんな！心配しないで！）

チビナビちゃん達は不安そうでしたが！変わり者の天蚕が心配するなと言って来てちょっぴり悩みます。

「大丈夫ですかー！」

「心配しなくて良いですかー！」

「お嫁さん大丈夫ですかー！」

変わり者の天蚕はワシャワシャと触手を動かしてます。どうしたんでしょうね？慌ててるのでしょうか？

ギチ……ギチギチィ！
（だ……大丈夫だから！）

変わり者の天蚕が言うなら大丈夫なのかも？
チビナビちゃん達は頷き合います。

「分かったですー！」

「また来るですー！」

「お嫁さん大事にするですー！」

そう口々に言うと少しだけ変わり者の天蚕の木こら離れます。

「「「お嫁さん元気出すですー！」」」

チビナビちゃん達は声を揃えて叫ぶと、変わり者の天蚕が何か言う前にスタコラサッサと走って行ってしまいましたとさ


今回はここまで