婚約破棄されまして・裏

竹本 芳生

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初陣 21 (ルーク)

「やるならこの開けた場所が良いですよね?」

ルシウスに聞かれ慌てて頷く。
さっきの水場のあたりだが、隠れていた茂みの辺りから近いし水場がある事で万が一火が着いてもすぐに消せるのは有難い。

「ああ、見かけしだいノエルに罠を仕掛けて貰い隊の約半数に手伝って貰って討伐したい。俺は必ず討伐したい」

ルシウスもキースも黙って頷いた。それ程鳴き真似が厄介な事に気がついたからだと俺は思いたい。

「はい!」

キースだけが返事をしてくれた。まだ鳴き真似がどれだけ厄介な事か理解してないんだろうな。赤竜だけなら良い。ここに犬鳴きならまだましだが、他のヤツを呼ばれれば……最悪飛竜二匹とかシャレにならん。

「お待たせ致しました!」

バートンが帰って来た。少しだけ安心する。

ルシウスが小声で明日の予定をバートンに告げる。フンフンと頷きながら聞いているバートンの目は真剣だ。

「ルーク隊長、明日の作戦の待機する半数の隊員達の指揮は任せて貰っても?」

「勿論だ。今日見てみたが、ヤツは必ず鳴き真似をして赤竜を呼ぶ。たとえすぐに討伐を始めてもだ」

何も無くても呼んだんだ、明日の討伐時は慌てて呼ぶだろう。

「赤竜を呼んだとしてもヤツの喉を潰すか、討伐してしまえば新しく呼ばれる事も無い。だが討伐出来ない、喉も潰せないとなると第二第三の鳴き真似で大型を呼ばれる。それだけは避けたい」

俺のこの一言でピシリと雰囲気が固まる。ヤツが生き続ける限り大型が呼ばれる……しかも何匹もだ。

「恐ろしいですね……今までは運が良かったのか、討伐が早かったのか……では今回は彩鳥と赤竜の二頭討伐を早急に行うということは事ですね」

「その通りだ、バートン。俺はペッ……彩鳥だったな、あいつを早急に討伐する。悪いが赤竜の足止めを頼む。討伐し終わるまでノエルは俺と同行して貰う。ルチルは状況を見て俺か赤竜のどちらかに行って貰う。最悪なのは彩鳥の近くから赤竜が離れない時だな……」

同エリアでの討伐は怪我人が出る可能性が高くなる。避けたいが、避けられない状況もあり得るか……

「難しいですね……」

「ああ……だが、どうにかしなければいつまで経っても大型が呼ばれて近くの町は迷惑する。使えるものは何でも使って討伐する。それは俺の初陣だからと言う訳じゃない。この近くに住む者達の安全と安心安寧の為だ」

あんな傍迷惑なヤツを野放しとかあり得ないからな。
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