婚約破棄されまして・裏

竹本 芳生

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エリーゼの一言でチビナビちゃん達はパニックになる

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「きっ……聞いたですかーー!!」

「コタツですー!」

「調べるですー!」

「あったですー!」

「色々あるですー!!」

雑貨店のチビナビちゃん達はもはやパニックです。
スタンダードな四角いコタツから丸いちゃぶ台みたいなコタツ。
ダイニングテーブルのような椅子と共に使うタイプのコタツに掘りごたつ。

「こっ……この掘りごたつは違う気がするですー……」

「無理ですー!マスターのお部屋を掘って使う事は無い筈ですー!」

「じゃっ……じゃあ掘りごたつ以外のコタツを作るですかーー?」

「作るですー!」

こうして雑貨店のチビナビちゃん達は物凄い勢いでコタツ作りに着手しました。

「待つですー!コタツ布団はどうするですー?」

「コタツ布団位作れるですー!」

「そうですー!作れるですー!」

「ファッションじゃないですー!だから大丈夫ですー!」

「じゃあ素材調達と製作と布団とに別れるですー!」

わちゃわちゃと動き回り、チーム分けするとソレッ!と言わんばかりに動き出しました。
素材調達チームが出て来た所にファッションショップのチビナビちゃん達数人が走り寄って来ました。

「コタツ布団どうするですー?」

「こっちで作るですー」

「良かったですー!でも人手がいるなら言って欲しいですー!」

「助かるですー!私達は今からコタツの素材調達ですー!」

「頑張るですー!」

「ありがとですー!」

あっという間に別れ、緑生い茂る山へとチビナビちゃん達は走って行きました。
そんな時です。
雑貨店のチビナビちゃん達数人が大慌てで走り出て来ました。
ファッションショップのチビナビちゃん達を見つけると物凄い勢いで走り寄って来ました。

「助かるですー!」

「コタツ布団作るつもりだったのに布も綿も無かったですー!」

「布と綿を下さいですー!」

口々に叫ぶ内容にファッションショップのチビナビちゃん達はコクコクと頷きます。

「勿論ですー」

「来るですー!良いのを持ってくですー!」

「ありがとですー!」

そしてチビナビちゃん達は皆でファッションショップに行き、沢山の布と綿を持って雑貨店の作業場へと戻って行きました。
やがて素材調達チームも戻り、不思議な魔法を使い木々は乾燥され削られ磨かれました。
勿論虫除けの魔法もちゃーんと掛けてあります。
こうして雑貨店のチビナビちゃん達はナビさんが「夜中は作業してはいけません」と言うまで作り続け無限収納にじゃんじゃん送られる事になりました。
エリーゼがこのコタツとコタツ布団に気が付くのは一体いつになるのか……
そしてチビナビちゃん達はコタツの天板裏にちゃんと緑の布を貼ってました。
それがマスターエリーゼのスタンダードだと思ったからです。
エリーゼの前世、この天板裏で麻雀なる物で遊んでた事を知ったチビナビちゃん達は麻雀牌も作りました。
勿論、ドンジャラも。
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