婚約破棄されまして(笑)

竹本 芳生

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連載

嫁入り支度 75

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こうして料理を食べてしまった以上、残るはデザートです……
お母様がスッゴく良い笑顔です。
カチャリと新しい紅茶が置かれます。果実水も良いのだけど、やはり甘い物には紅茶かコーヒーですがコーヒーはまだ苦いのか、ちょっと好まれないと思うのよね……

「お待たせ致しました」

そう言って目の前に置かれた甘味……デザートが置かれる。
ぱっと見、ショートケーキに見えるけど実はただのショートケーキじゃない。
ショートケーキの上部を飾る生クリームは真っ白で、その上に盛り付けられてるフルーツは薄くカットされ美しく盛られてる。
スポンジは三段で、その間に挟んであるクリームはピンク色。
そのクリームから覗く色とりどりのフルーツ……
お皿には普通にカットされたフルーツも載っていて、豪華な一品に仕上がってる。

「まあ!美味しそうだわ!上のクリームと挟んであるクリームは違うのね」

お母様がウキウキとした声でフォークを握っている。
スッとケーキにフォークを刺して切り取ると、優雅なのに素早い動きでケーキをパクりと食べた。
私も一口切って食べ……って!え?凄くない!
あ……お母様の動きが一瞬止まった感じに見えた……

「エリーゼ!この挟んであるクリーム凄いわよ!」

お母様がいきり立ってる様な状態になってます……!
分かります!今、食べてみて私も驚いてますから!

「分かります!」

「中のクリームの酸味と甘味がいつもの生クリームと違うわ!どう言う事なの!こんなの初めてだわ!」

グッ!とフォークを握る手に力が入ってしまう。
僅かに感じるザラッとした舌触りはイチゴの果実と白あんだと思うけど、生クリームと良く合わさっているから邪魔と言うより面白い食感だと感じるのよ……

「上の生クリームとは違うわ……」

お母様が……いつもは美しい所作で食べるのに、今は一つ一つの味を確かめる様にフォークの先で少しずつ掬い取って食べてる……そこまで気になってるのですか……

「上の生クリームはいつもより少し甘味を抑えてるわ……でも、この挟んであるのは……イチゴと……何かしら?この甘味……」

真剣です!真剣過ぎてドッキドキです!

「これは……私、知ってるわ……」

あ、分かったかしら?ってガッ!て私、見たぁ!

「エリーゼ!これはあんこね!あんこが混ぜてあるでしょう!」

正解です、お母様。さすがとしか言えません。

「はい。少し趣向を変えてみようと思いまして、気に入っていただけましたか?」

「勿論よ!とても気に入ったわ!このクリーム!」

良かった……お母様のストライクゾーンにバシン!と決まって。
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