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幼少期編
初めまして、聖霊さん。
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瞳を閉じる。
何も見えない。
何も考えない。何も考えない。
頭に残るのは聖霊への想い。
それ以外は何も。
考えない。必要ない。
関係ない。
大きく息を吸い込む。
吐く。
大丈夫。
裏声だって、あんなに練習しました。
あとはそう、自分を信じて。
ーー 歌え。
♪『照らす光と射す闇と
それら二つを起源とし
芽生える命は尊きもの
この世全てに光あれ
この世全てに命あれ
それを際立たせるは闇
気高くあれ 三色よ 』
吸って、吐いて、吸って。
また吐いて。
ゆっくりと瞳を開けると、色鮮やかな世界が目に飛び込んで来た。
「わー!すごいすごーい!」
「すごーい!きれーい!」
「あのね、あのね、」
「おなまえおしえて!」
「ぼくたちは、」
「せいれいだよー!」
「きれいなうた、ありがとー。」
舌ったらずな子供の声があちこちから聞こえて来て。
見ると、たくさんの可愛い生き物に囲まれていた。
妖精のような透き通った羽、つぶらな瞳、艶々の髪の毛。
わたくしが、この世界を選んだ理由。
全ての始まり。
そんな彼らが今、アルカティーナの呼び出しに応じてやって来てくれた!
ーー成功!!!
アルカティーナは、嬉しくて泣きそうになった。
でも、これは記念すべき聖霊さんとの初会話!
泣き顔なんてもってのほかです。
急いで、にじんだ雫を引っ込める。
「初めまして、聖霊さん。わたくしはアルカティーナ・フォン・クレディリア。ティーナって呼んで下さいね!」
アルカティーナの言葉に聖霊たちは全身で喜びを表した。
くるくると光の鱗粉のようなものを飛ばしながら、クルクルと飛び回ったり。短い手を合わせてペチペチ拍手したり。
「わー。わー。てぃーな!」
「てぃーな!てぃーな!!」
「よろしくね、ぼくはひかりのせいれいー」
「わたしはき!なかよくしてね!」
「おれはやみのけんぞくなりー。」
「わたしはひかりー。」
「わがはいはやみー!」
「ぼく、きだよ!」
「「「「「「よろしくーーーー」」」」」」
後ろをチラと振り返ると人見知りな聖霊たちを怖がらせまいと、息を潜める皆んなが目に入りました。
息を潜めながらも、その表情は何処か満足気に見えます。
流石ティーナ。これぞティーナ。まさにティーナ。
皆んなが皆んな、我が事のように、新たな聖女候補の誕生を喜んでいた。
今世の自分は、こんなに恵まれていて良いのでしょうか。
悪役という爆弾は抱えているけれど。
それにしたって、お釣りがくるくらいじゃないでしょうか。
だったらもう、いっそのこと。
願っても、良いでしょうか。
もっともっと、幸せな生活を。
これ以上ない楽しさを。
かねてからの願いを。
「あの、聖霊さん!よ、よかったら。よかったら何ですけど…。わたくしと、お友達になって下さいっ!」
ほんのちょっとの勇気。
断られたら泣くだろうなと思いながらも言ってしまいました。
返ってきたのは嬉しい言葉。
「いいよー。」
「もちろんー。」
「いいよいいよー!」
「てぃーな!だいすきー!」
「ふっよろしくな、あいぼぅ!」
「きょうからてぃーなも、わがけんぞくだ!ってあれっ?けんぞく、だっけ。かいぞくだっけ?あれー??」
さっきからちょっと、変な拗らせ聖霊さんが何名かいらっしゃる気がしますが、そんな事は気にしません!
アルカティーナ・フォン・クレディリア、この世界に来て初めてのお友達ゲットです!!!
さあ、早速友達同士水入らず、語り合いまし….…
「ティーーーナァァァーーー!良かったね!よかったね!晴れて聖女候補だよー!わーい!うちの娘は天才だっっ!!!」
「わーー!」
「きゃーーー!」
「にんげんこわいよー!」
「ばいばいてぃーな!」
「ふっ、またな、てぃーな!」
「やみがおれをよんでるきがする!べ、べつにそいつにびっくりしたからじゃないからな!!」
「え??ちょっと!?聖霊さーん?わー!ま、待って下さいーーー!!!」
お父様のせいで、初めてのお友達は帰って行きました。
何も見えない。
何も考えない。何も考えない。
頭に残るのは聖霊への想い。
それ以外は何も。
考えない。必要ない。
関係ない。
大きく息を吸い込む。
吐く。
大丈夫。
裏声だって、あんなに練習しました。
あとはそう、自分を信じて。
ーー 歌え。
♪『照らす光と射す闇と
それら二つを起源とし
芽生える命は尊きもの
この世全てに光あれ
この世全てに命あれ
それを際立たせるは闇
気高くあれ 三色よ 』
吸って、吐いて、吸って。
また吐いて。
ゆっくりと瞳を開けると、色鮮やかな世界が目に飛び込んで来た。
「わー!すごいすごーい!」
「すごーい!きれーい!」
「あのね、あのね、」
「おなまえおしえて!」
「ぼくたちは、」
「せいれいだよー!」
「きれいなうた、ありがとー。」
舌ったらずな子供の声があちこちから聞こえて来て。
見ると、たくさんの可愛い生き物に囲まれていた。
妖精のような透き通った羽、つぶらな瞳、艶々の髪の毛。
わたくしが、この世界を選んだ理由。
全ての始まり。
そんな彼らが今、アルカティーナの呼び出しに応じてやって来てくれた!
ーー成功!!!
アルカティーナは、嬉しくて泣きそうになった。
でも、これは記念すべき聖霊さんとの初会話!
泣き顔なんてもってのほかです。
急いで、にじんだ雫を引っ込める。
「初めまして、聖霊さん。わたくしはアルカティーナ・フォン・クレディリア。ティーナって呼んで下さいね!」
アルカティーナの言葉に聖霊たちは全身で喜びを表した。
くるくると光の鱗粉のようなものを飛ばしながら、クルクルと飛び回ったり。短い手を合わせてペチペチ拍手したり。
「わー。わー。てぃーな!」
「てぃーな!てぃーな!!」
「よろしくね、ぼくはひかりのせいれいー」
「わたしはき!なかよくしてね!」
「おれはやみのけんぞくなりー。」
「わたしはひかりー。」
「わがはいはやみー!」
「ぼく、きだよ!」
「「「「「「よろしくーーーー」」」」」」
後ろをチラと振り返ると人見知りな聖霊たちを怖がらせまいと、息を潜める皆んなが目に入りました。
息を潜めながらも、その表情は何処か満足気に見えます。
流石ティーナ。これぞティーナ。まさにティーナ。
皆んなが皆んな、我が事のように、新たな聖女候補の誕生を喜んでいた。
今世の自分は、こんなに恵まれていて良いのでしょうか。
悪役という爆弾は抱えているけれど。
それにしたって、お釣りがくるくらいじゃないでしょうか。
だったらもう、いっそのこと。
願っても、良いでしょうか。
もっともっと、幸せな生活を。
これ以上ない楽しさを。
かねてからの願いを。
「あの、聖霊さん!よ、よかったら。よかったら何ですけど…。わたくしと、お友達になって下さいっ!」
ほんのちょっとの勇気。
断られたら泣くだろうなと思いながらも言ってしまいました。
返ってきたのは嬉しい言葉。
「いいよー。」
「もちろんー。」
「いいよいいよー!」
「てぃーな!だいすきー!」
「ふっよろしくな、あいぼぅ!」
「きょうからてぃーなも、わがけんぞくだ!ってあれっ?けんぞく、だっけ。かいぞくだっけ?あれー??」
さっきからちょっと、変な拗らせ聖霊さんが何名かいらっしゃる気がしますが、そんな事は気にしません!
アルカティーナ・フォン・クレディリア、この世界に来て初めてのお友達ゲットです!!!
さあ、早速友達同士水入らず、語り合いまし….…
「ティーーーナァァァーーー!良かったね!よかったね!晴れて聖女候補だよー!わーい!うちの娘は天才だっっ!!!」
「わーー!」
「きゃーーー!」
「にんげんこわいよー!」
「ばいばいてぃーな!」
「ふっ、またな、てぃーな!」
「やみがおれをよんでるきがする!べ、べつにそいつにびっくりしたからじゃないからな!!」
「え??ちょっと!?聖霊さーん?わー!ま、待って下さいーーー!!!」
お父様のせいで、初めてのお友達は帰って行きました。
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