聖なる歌姫は嘘がつけない。

水瀬 こゆき

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幼少期編

…月??

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 アルカティーナは動揺していた。
目の前に現れたものに、目を見開いて。
動揺していた。
動揺しすぎて、聞いてしまった。

 「ど、どちら様ですか…??」

 どういう状況かって?
それは、少し遡ってお話しないとですね…。

 ◇  ◆  ◇

 聖霊たちののぞむままに『月のセレナーデ』を歌うと、アルカティーナの目の前に大きな魔法陣のようなものが浮かび上がった。
この魔法陣には見覚えがある。
聖霊たちが現れる前に浮かび上がるものと同じ模様だ。
しかし、その魔法陣は少し様子が異なっていた。
まず、大きい。
アルカティーナの等身大くらいはある。
そして、色。
今までの聖霊たちの魔法陣は、白熱灯のように白く光っていたが、その魔法陣はラメでも混ぜたかのような綺麗な銀色に光り輝いていた。
 
 現れたのは、聖霊だった。
つぶらな瞳、羽、短い手足…。
間違いなく、聖霊だ。
でも、その聖霊はサイズが大きかった。
他の聖霊は人の頭くらいの大きさなのに対し、その聖霊のサイズは人間の子供の胴体ほど。 
そして、長い銀髪。見た目は幼い女の子のミニチュアのようだった。
 さすがのアルカティーナも思わず
 「ふぉぉお…」
と謎の呟きを発してしまった。
そして、冒頭にもどる。

 「ど、どちら様ですか…??」

 目の前の聖霊は口を開いた。
驚くことに、その口調は他の聖霊よりも少し大人びていた。

 「私は月属性で、月の聖霊なの!ティーナのことは皆んなから聞いてね、会いたいなって思ってたの!よろしくね、ティーナ!」

 「…月??」

月属性って、何ですか?
あれ?属性って、光・闇・火・水・土・木・風だけでしたよね?
月属性なんて、聞いた事ないですよ!

 困惑していると、その月の聖霊さんは親切に教えてくれました。
 「月属性っていうのは伝説上のものでしかないから、正式には教えられてないの。でも、本当は伝説なんかじゃないんだよ?ほんとにあるんだよ?」
 「そう、なんですか。知らなかったです…。」
それにしても、この子でかいなぁ。
他の聖霊さんとくらべて、ですけど。
でも、謎は増えるばかりです。
一層の事丸投げして聞いてしまいましょうか。
 「なんで月の聖霊さんは他属性の聖霊さんと少し違っているんですか?それに、他の聖霊さんはあなたの事を、えらいひとって呼んでました。どういう事ですか?」
 すると、月の聖霊さんはゆっくりと、順を追って説明してくれました。



 語られたのは、誰も知らない秘められた真実の話だった。


 
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