48 / 165
デビュー編
では、失礼いたします。
しおりを挟む
聖霊という神秘的な生き物たちが誘うファンタジーな世界。
それがこの、「聖霊のアネクドート」という乙女ゲームの世界観です。
わたくしはマニュアル本を毎日のように呼んでいるので内容はほぼ暗唱できます。
まず、ヒロイン様。
名前はロゼリーナ・アゼル。
元々は庶民で、出身国もルーデリア王国ではなく、お隣のゲレッスト王国。
しかし、12歳の時に聖女候補になり、ルーデリア王国のアゼル伯爵の養女になる。
そして、貴族令息や貴族令嬢ばかりが通う王立リリアム学園に入学。
そこで様々な人達と交流する中で、彼女は運命の恋をするのだ。
マニュアルによれば、彼女がアゼル伯爵の養女になるのは12の時。
今のところ、ロゼリーナという少女が聖女候補になったという話は聞かないので、恐らくまだなのでしょう。
ただ、アルカティーナと同い年なはずなので、もうそろそろロゼリーナも聖女候補になる頃だと思われます。
ひとまず、今日のパーティーで遭遇する確率はゼロ。
安全圏です。
が、学園に入学してからは出来るだけ関わりたくない人No. 1。自分の命のために気をつけたいところです。
ですが、今問題なのは攻略対象さま達です。
攻略対象様は全員が貴族。
しかも、全員年上か、同い年。
つまり年下がいない上に貴族なので、今日のパーティーで彼らに遭遇する確率が高いという事です。
年上ならばパーティーに来ていないかも、とも思ったのですが、なんと今年のデビュタントパーティーは何故かデビュー済みの方々の出席率が異常に高いのだとか。
なんで今年に限って!
皆さま、どうぞおかえりくださいませ!
何度そう思った事でしょう…。
まあ、それはさておき攻略対象さまです。
攻略対象1。
ディール・エル・ルーデリア。
ルーデリア王国の第一王子。
「白馬の王子様」と名高い、完璧な少年。
ヒロイン様よりも2歳年上。
この方のルートは、所謂王道ルート。
王族ならではの悩みや苦しみを和らげ、仲良くなる事で好感度アップ。
そして、二人で困難をいくつも乗り越えて行くうちに上手くいけば思いが通じ合う。
そんなストーリーだそうです。
そうです、彼こそが一人目の攻略対象さま。
この国の王族なのですから、今日のパーティーに参加することは予想していましたが…
まさか目があってしまうなんて!!
悲劇です。ヤバイです。
絶対あとで、「何ガンつけてくれたんだ」って怒られるに決まってます!
何たって悪役ですからね。
多分ゲーム補正とやらでイチャモンつけられる未来は確定してると思うのですよ。
御免なさい。
わざとじゃないんです。
だから死刑とかやめて下さい。
「………だから、我も其方を誇りに思っておるのだ。其方は兄と同様、優秀だと書いておる。期待しているぞ。今日はおめでとう。」
あれ?何か、陛下が喋ってらっしゃる。
しまった!!
ゲームのことばっかり考えていたせいで全然聞いてませんでしたよ!
よし、うまく誤魔化しときましょう!
こういう時は笑顔で誤魔化すんだとお母様から教わりました。
「勿体無いお言葉、ありがとうございます陛下。」
だからもう、帰っていいですか?
家に、とは言わないのでせめてお兄様のところに。
そんな思いを込めて陛下を見つめると、大きく頷いてくださいました。
帰っていいんですね!ありがとうございます!
「では、失礼いたします。」
最後にもう一度カーテシー。
そして、退散。
パンダのお披露目の時間は終了ですよ。
戻る途中、玉座の方から…主に王子殿下の方向から物凄く視線を感じたのですが…気のせいですよね?
「何ガンつけてくれたんだ」って事じゃないですよね?
こうして、アルカティーナは無事?第一関門を突破したのだった。
それがこの、「聖霊のアネクドート」という乙女ゲームの世界観です。
わたくしはマニュアル本を毎日のように呼んでいるので内容はほぼ暗唱できます。
まず、ヒロイン様。
名前はロゼリーナ・アゼル。
元々は庶民で、出身国もルーデリア王国ではなく、お隣のゲレッスト王国。
しかし、12歳の時に聖女候補になり、ルーデリア王国のアゼル伯爵の養女になる。
そして、貴族令息や貴族令嬢ばかりが通う王立リリアム学園に入学。
そこで様々な人達と交流する中で、彼女は運命の恋をするのだ。
マニュアルによれば、彼女がアゼル伯爵の養女になるのは12の時。
今のところ、ロゼリーナという少女が聖女候補になったという話は聞かないので、恐らくまだなのでしょう。
ただ、アルカティーナと同い年なはずなので、もうそろそろロゼリーナも聖女候補になる頃だと思われます。
ひとまず、今日のパーティーで遭遇する確率はゼロ。
安全圏です。
が、学園に入学してからは出来るだけ関わりたくない人No. 1。自分の命のために気をつけたいところです。
ですが、今問題なのは攻略対象さま達です。
攻略対象様は全員が貴族。
しかも、全員年上か、同い年。
つまり年下がいない上に貴族なので、今日のパーティーで彼らに遭遇する確率が高いという事です。
年上ならばパーティーに来ていないかも、とも思ったのですが、なんと今年のデビュタントパーティーは何故かデビュー済みの方々の出席率が異常に高いのだとか。
なんで今年に限って!
皆さま、どうぞおかえりくださいませ!
何度そう思った事でしょう…。
まあ、それはさておき攻略対象さまです。
攻略対象1。
ディール・エル・ルーデリア。
ルーデリア王国の第一王子。
「白馬の王子様」と名高い、完璧な少年。
ヒロイン様よりも2歳年上。
この方のルートは、所謂王道ルート。
王族ならではの悩みや苦しみを和らげ、仲良くなる事で好感度アップ。
そして、二人で困難をいくつも乗り越えて行くうちに上手くいけば思いが通じ合う。
そんなストーリーだそうです。
そうです、彼こそが一人目の攻略対象さま。
この国の王族なのですから、今日のパーティーに参加することは予想していましたが…
まさか目があってしまうなんて!!
悲劇です。ヤバイです。
絶対あとで、「何ガンつけてくれたんだ」って怒られるに決まってます!
何たって悪役ですからね。
多分ゲーム補正とやらでイチャモンつけられる未来は確定してると思うのですよ。
御免なさい。
わざとじゃないんです。
だから死刑とかやめて下さい。
「………だから、我も其方を誇りに思っておるのだ。其方は兄と同様、優秀だと書いておる。期待しているぞ。今日はおめでとう。」
あれ?何か、陛下が喋ってらっしゃる。
しまった!!
ゲームのことばっかり考えていたせいで全然聞いてませんでしたよ!
よし、うまく誤魔化しときましょう!
こういう時は笑顔で誤魔化すんだとお母様から教わりました。
「勿体無いお言葉、ありがとうございます陛下。」
だからもう、帰っていいですか?
家に、とは言わないのでせめてお兄様のところに。
そんな思いを込めて陛下を見つめると、大きく頷いてくださいました。
帰っていいんですね!ありがとうございます!
「では、失礼いたします。」
最後にもう一度カーテシー。
そして、退散。
パンダのお披露目の時間は終了ですよ。
戻る途中、玉座の方から…主に王子殿下の方向から物凄く視線を感じたのですが…気のせいですよね?
「何ガンつけてくれたんだ」って事じゃないですよね?
こうして、アルカティーナは無事?第一関門を突破したのだった。
0
あなたにおすすめの小説
『白い結婚だったので、勝手に離婚しました。何か問題あります?』
夢窓(ゆめまど)
恋愛
「――離婚届、受理されました。お疲れさまでした」
教会の事務官がそう言ったとき、私は心の底からこう思った。
ああ、これでようやく三年分の無視に終止符を打てるわ。
王命による“形式結婚”。
夫の顔も知らず、手紙もなし、戦地から帰ってきたという噂すらない。
だから、はい、離婚。勝手に。
白い結婚だったので、勝手に離婚しました。
何か問題あります?
【完結】前提が間違っています
蛇姫
恋愛
【転生悪役令嬢】は乙女ゲームをしたことがなかった
【転生ヒロイン】は乙女ゲームと同じ世界だと思っていた
【転生辺境伯爵令嬢】は乙女ゲームを熟知していた
彼女たちそれぞれの視点で紡ぐ物語
※不定期更新です。長編になりそうな予感しかしないので念の為に変更いたしました。【完結】と明記されない限り気が付けば増えています。尚、話の内容が気に入らないと何度でも書き直す悪癖がございます。
ご注意ください
読んでくださって誠に有難うございます。
悪役令嬢だとわかったので身を引こうとしたところ、何故か溺愛されました。
香取鞠里
恋愛
公爵令嬢のマリエッタは、皇太子妃候補として育てられてきた。
皇太子殿下との仲はまずまずだったが、ある日、伝説の女神として現れたサクラに皇太子妃の座を奪われてしまう。
さらには、サクラの陰謀により、マリエッタは反逆罪により国外追放されて、のたれ死んでしまう。
しかし、死んだと思っていたのに、気づけばサクラが現れる二年前の16歳のある日の朝に戻っていた。
それは避けなければと別の行き方を探るが、なぜか殿下に一度目の人生の時以上に溺愛されてしまい……!?
愛人を選んだ夫を捨てたら、元婚約者の公爵に捕まりました
由香
恋愛
伯爵夫人リュシエンヌは、夫が公然と愛人を囲う結婚生活を送っていた。
尽くしても感謝されず、妻としての役割だけを求められる日々。
けれど彼女は、泣きわめくことも縋ることもなく、静かに離婚を選ぶ。
そうして“捨てられた妻”になったはずの彼女の前に現れたのは、かつて婚約していた元婚約者――冷静沈着で有能な公爵セドリックだった。
再会とともに始まるのは、彼女の価値を正しく理解し、決して手放さない男による溺愛の日々。
一方、彼女を失った元夫は、妻が担っていたすべてを失い、社会的にも転落していく。
“尽くすだけの妻”から、“選ばれ、守られる女性”へ。
静かに離婚しただけなのに、
なぜか元婚約者の公爵に捕まりました。
ヒロインだと言われましたが、人違いです!
みおな
恋愛
目が覚めたら、そこは乙女ゲームの世界でした。
って、ベタすぎなので勘弁してください。
しかも悪役令嬢にざまあされる運命のヒロインとかって、冗談じゃありません。
私はヒロインでも悪役令嬢でもありません。ですから、関わらないで下さい。
私が王子との結婚式の日に、妹に毒を盛られ、公衆の面前で辱められた。でも今、私は時を戻し、運命を変えに来た。
MayonakaTsuki
恋愛
王子との結婚式の日、私は最も信頼していた人物――自分の妹――に裏切られた。毒を盛られ、公開の場で辱められ、未来の王に拒絶され、私の人生は血と侮辱の中でそこで終わったかのように思えた。しかし、死が私を迎えたとき、不可能なことが起きた――私は同じ回廊で、祭壇の前で目を覚まし、あらゆる涙、嘘、そして一撃の記憶をそのまま覚えていた。今、二度目のチャンスを得た私は、ただ一つの使命を持つ――真実を突き止め、奪われたものを取り戻し、私を破滅させた者たちにその代償を払わせる。もはや、何も以前のままではない。何も許されない。
悪役令嬢の心変わり
ナナスケ
恋愛
不慮の事故によって20代で命を落としてしまった雨月 夕は乙女ゲーム[聖女の涙]の悪役令嬢に転生してしまっていた。
7歳の誕生日10日前に前世の記憶を取り戻した夕は悪役令嬢、ダリア・クロウリーとして最悪の結末 処刑エンドを回避すべく手始めに婚約者の第2王子との婚約を破棄。
そして、処刑エンドに繋がりそうなルートを回避すべく奮闘する勘違いラブロマンス!
カッコイイ系主人公が男社会と自分に仇なす者たちを斬るっ!
所(世界)変われば品(常識)変わる
章槻雅希
恋愛
前世の記憶を持って転生したのは乙女ゲームの悪役令嬢。王太子の婚約者であり、ヒロインが彼のルートでハッピーエンドを迎えれば身の破滅が待っている。修道院送りという名の道中での襲撃暗殺END。
それを避けるために周囲の環境を整え家族と婚約者とその家族という理解者も得ていよいよゲームスタート。
予想通り、ヒロインも転生者だった。しかもお花畑乙女ゲーム脳。でも地頭は悪くなさそう?
ならば、ヒロインに現実を突きつけましょう。思い込みを矯正すれば多分有能な女官になれそうですし。
完結まで予約投稿済み。
全21話。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる