72 / 165
出会い編
それを最初に言ってくださいよぉ!
しおりを挟む「おっはよ~ティーナ!今日も可愛いねぇ!」
「おはようございますリサーシャ。嬉しいお世辞をありがとうございます。でもリサーシャの方が絶対可愛いですよ?」
「おはようティーナ。リサーシャも、おはよう」
「おはようございますアメルダ」
「あ、アメルダ!おはよ~~今日もツンデレだねぇ!ツインテールが似合うよ!」
「ツンデレ…??」
今日も今日とて女子会です!
後ろに約1名男性がいる気がしますが、これは女子会です。
因みに余談ではありますが、あのお茶会の後のこと。
ゼンたちはあっという間に打ち解けて行きました。
ゼンも砕けた口調で話すようになりました。
背中を押した甲斐があったってもんですよ!
「ゼンおはよー」
「ああ、おはよう」
「お、おはよう。この私が挨拶してあげたわよ感謝なさいっ!……いつも暴言吐いてごめんなさい」
「いや気にしてないぞ?おはよう」
ね?仲良いでしょ?
ふふふ、嬉しいものですね。
自分の友達が楽しそうにお喋りしているのを見るのって。
全員が席に着いたところで(勿論ゼンもです)リサーシャが口火を切った。
「じゃあ全員揃ったことだし…早速本題に入ろうか」
「そうね、そうしましょう」
「…?本題?今日は何か大切な話でもあるんですか?てっきりいつもみたいに楽しくお喋りするだけだと思ってたんですけど」
「えーっとね、実はそうなの。ティーナには黙ってたんだけど…今日はティーナにある夜会への出席をお願いしたくて来たのよ」
え?そうなんですか?
それなら前もって言ってくれたらよかったのに。
「私達も参加する夜会なんだけど、一緒に出席してくれない?まあ、ティーナがいなくても全然、これっぽっちも寂しくないけど!」
「2人も参加するんですか?なら勿論行きますよ!」
デビュタント以来、夜会のお誘いが大量に届いているのですが…実は全てお断りしていたのです。
だってボロが出そうなんだもの!
変なこと口走りそうなんだもの!
でも、2人が一緒なら安心です。
アメルダとリサーシャは、2人して大仰に喜んだ。
「本当に!?ありがとティーナ!」
「嬉しいな、ありがとう…とでも言うと思った?ふ、ふんっ!……すごく嬉しい。ありがと、ティーナ」
「ふふ、そのくらい朝飯前ですよ!」
にこにこと微笑むアルカティーナの横で一人優雅に紅茶を飲んでいたゼンが唐突に聞いた。
「口を挟むようで悪いが…何で夜会のお誘いをお嬢がうけただけでそんなに喜ぶことがあるんだ?」
「言われてみればそうですね。リサーシャ、アメルダ。何か事情があるのですか?」
すると彼女らは二人してサッと明後日の方向を向きました。
…………怪しいです。
あまりに怪しいので問い詰めてみたところ、「落ち着いて聞いてね?」と念に念を押してからリサーシャは教えてくれました。
「実は、その夜会の主催者に頼まれたんだよね。ティーナに出席するよう頼んでくれって。」
「それは何でだ?」
すかさず聞いたゼンに、リサーシャはウッと息を詰まらせ、そして答えました。
「ティーナと話がしたいって。あと、ティーナは凄く人気があるでしょ?だから、人気者の出席によって他の貴族の出席率もよくなるから、だって」
「んー?ちょっと待ってください。わたくしが、人気者?あれ?幻聴ですかね?あり得ない単語が…」
「え、それ本気で言ってる?だって、ティーナはタダでさえ見た目が天使じゃない?」
「目、腐ってます??」
いや、「じゃない?」って言われましても。
実際わたくしの見た目は天使じゃないのですが。
平凡な顔立ちなのですが。
ちょっとそこの従者ゼン!何が「確かにそうだな」ですか!貴方も腐ってるんですか、目。
「しかも、公爵令嬢でしょ?」
「それはまあ、そうだな」
「はい。そうですね」
その前に悪役令嬢ですけどねー。
「それから何より、今をときめく『聖なる歌姫様』じゃない?史上最年少の聖女候補じゃない?」
「今をときめくって何ですか」
と言うかまた出ましたよ『聖なる歌姫』!
わたくしの二つ名!
すごい恥ずかしいやつ!!
うぴゃーーーーーーーーー!
「ね?だからティーナは今や国中から人気を集める大スターなんだよ。ちなみに言っとくけど、ゼンもそうだよ?知ってた?ほら、ゼンは史上最年少の第一騎士団員だからね。」
うそーーーーお!
えーーーーーーーーーーー!
何それ知りませんよぉ~!?!?
国中から?人気を?集める?
大スタァーー!?
それは誰のことですか!?
わたくしじゃないですよ、そんなの!
でもゼンは納得ですね!
だってゼンはすごいですもん!
流石です、ゼン!
「はぁ、まあ良いですよ。夜会は苦手なんですけど…二人が参加するなら出席します」
「本当に!?やった!」
「あ、ゼンも出席するように伝えて欲しいって言われたわ。」
「げ」
ゼンが顔を大きく引きつらせました。
うんうん、気持ちはすごーくわかります。
「えーと、欠席したいんだが…?」
苦虫を噛み潰したような顔のまま言ったゼンに、リサーシャは無慈悲な一言を言った。
「あ、無理無理。ゼンの出席は確定だよ。王命だもん」
「「王命………………????」」
ん?なんでそこで陛下が登場するのですか?
夜会の出席が王命?
と、言うことは……
あれ?何でしょうか、すご~く嫌な予感が。
「そう言えば良い忘れてたけど、その夜会の主催者。陛下だから」
その言葉に、ゼンは固まりました。
文字通り、カピーーンと固まりました。
そしてわたくしはと言えば…
「それを最初に言ってくださいよぉ!」
淑女にあるまじき行為ですが、絶叫しました。
何てこと!
陛下主催の夜会??
そんなのヤバヤバじゃないですか!
多分攻略対象様も多数参加する筈ですよね?
ヤバイヤバイ!ヤババババ!
攻略対象様と関わるのは危険です!
それに陛下の前でボロが出たら大変!
ヤババババ
落ち着け落ち着け
落ち着くのです、アルカティーナ。
今からでも遅くありません。
出席宣言を取り消しましょう!
「あのぉ、やっぱり欠席ということで…」
「あ、もう参加の旨を書いた書状、陛下に送っちゃった」
「アメルダのバカーーー!」
「えぇ!?」
嫌な予感が的中しました。
誰か助けてください。
☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆
たくさんの方から感想をいただいております。
ありがとうございます!凄く嬉しいです。
これからも是非『聖なる歌姫は嘘がつけない。』を宜しくお願いします。
そして、近いうちに久々に王子が登場します。
そろそろヒロイン様も出さないとなぁ…
頑張ります…!
全然どうでも良い話ですが、最近アイスばかり食べています。
大して暑くもないのに食べています。
アイスじゃないと思えば、ス◯バのフラペチーノを飲んでいます。
因みに私はお腹が弱いです。
アイスを食べれば当然のように腹痛を起こします。
ですが、アホな私はそれでもアイスを食べ続けます。
そしてその度にお腹を痛めます。めっさ痛い。
はい、アホですね、アホ。
でも期間限定の味をだすのがそもそもの原因だと思うのです。
すみません。どうでも良いお話でした( ˊ̱˂˃ˋ̱ )
お読みいただきありがとうございます!
0
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
【完結】ドアマットに気付かない系夫の謝罪は死んだ妻には届かない
堀 和三盆
恋愛
一年にわたる長期出張から戻ると、愛する妻のシェルタが帰らぬ人になっていた。流行病に罹ったらしく、感染を避けるためにと火葬をされて骨になった妻は墓の下。
信じられなかった。
母を責め使用人を責めて暴れ回って、僕は自らの身に降りかかった突然の不幸を嘆いた。まだ、結婚して3年もたっていないというのに……。
そんな中。僕は遺品の整理中に隠すようにして仕舞われていた妻の日記帳を見つけてしまう。愛する妻が最後に何を考えていたのかを知る手段になるかもしれない。そんな軽い気持ちで日記を開いて戦慄した。
日記には妻がこの家に嫁いでから病に倒れるまでの――母や使用人からの壮絶な嫌がらせの数々が綴られていたのだ。
悪役令嬢の慟哭
浜柔
ファンタジー
前世の記憶を取り戻した侯爵令嬢エカテリーナ・ハイデルフトは自分の住む世界が乙女ゲームそっくりの世界であり、自らはそのゲームで悪役の位置づけになっている事に気付くが、時既に遅く、死の運命には逆らえなかった。
だが、死して尚彷徨うエカテリーナの復讐はこれから始まる。
※ここまでのあらすじは序章の内容に当たります。
※乙女ゲームのバッドエンド後の話になりますので、ゲーム内容については殆ど作中に出てきません。
「悪役令嬢の追憶」及び「悪役令嬢の徘徊」を若干の手直しをして統合しています。
「追憶」「徘徊」「慟哭」はそれぞれ雰囲気が異なります。
王女の中身は元自衛官だったので、継母に追放されたけど思い通りになりません
きぬがやあきら
恋愛
「妻はお妃様一人とお約束されたそうですが、今でもまだ同じことが言えますか?」
「正直なところ、不安を感じている」
久方ぶりに招かれた故郷、セレンティア城の月光満ちる庭園で、アシュレイは信じ難い光景を目撃するーー
激闘の末、王座に就いたアルダシールと結ばれた、元セレンティア王国の王女アシュレイ。
アラウァリア国では、新政権を勝ち取ったアシュレイを国母と崇めてくれる国民も多い。だが、結婚から2年、未だ後継ぎに恵まれないアルダシールに側室を推す声も上がり始める。そんな頃、弟シュナイゼルから結婚式の招待が舞い込んだ。
第2幕、連載開始しました!
お気に入り登録してくださった皆様、ありがとうございます! 心より御礼申し上げます。
以下、1章のあらすじです。
アシュレイは前世の記憶を持つ、セレンティア王国の皇女だった。後ろ盾もなく、継母である王妃に体よく追い出されてしまう。
表向きは外交の駒として、アラウァリア王国へ嫁ぐ形だが、国王は御年50歳で既に18人もの妃を持っている。
常に不遇の扱いを受けて、我慢の限界だったアシュレイは、大胆な計画を企てた。
それは輿入れの道中を、自ら雇った盗賊に襲撃させるもの。
サバイバルの知識もあるし、宝飾品を処分して生き抜けば、残りの人生を自由に謳歌できると踏んでいた。
しかし、輿入れ当日アシュレイを攫い出したのは、アラウァリアの第一王子・アルダシール。
盗賊団と共謀し、晴れて自由の身を望んでいたのに、アルダシールはアシュレイを手放してはくれず……。
アシュレイは自由と幸福を手に入れられるのか?
悪役令嬢が美形すぎるせいで話が進まない
陽炎氷柱
恋愛
「傾国の美女になってしまったんだが」
デブス系悪役令嬢に生まれた私は、とにかく美しい悪の華になろうとがんばった。賢くて美しい令嬢なら、だとえ断罪されてもまだ未来がある。
そう思って、前世の知識を活用してダイエットに励んだのだが。
いつの間にかパトロンが大量発生していた。
ところでヒロインさん、そんなにハンカチを強く嚙んだら歯並びが悪くなりますよ?
断罪まであと5秒、今すぐ逆転始めます
山河 枝
ファンタジー
聖女が魔物と戦う乙女ゲーム。その聖女につかみかかったせいで処刑される令嬢アナベルに、転生してしまった。
でも私は知っている。実は、アナベルこそが本物の聖女。
それを証明すれば断罪回避できるはず。
幸い、処刑人が味方になりそうだし。モフモフ精霊たちも慕ってくれる。
チート魔法で魔物たちを一掃して、本物アピールしないと。
処刑5秒前だから、今すぐに!
私が王子との結婚式の日に、妹に毒を盛られ、公衆の面前で辱められた。でも今、私は時を戻し、運命を変えに来た。
MayonakaTsuki
恋愛
王子との結婚式の日、私は最も信頼していた人物――自分の妹――に裏切られた。毒を盛られ、公開の場で辱められ、未来の王に拒絶され、私の人生は血と侮辱の中でそこで終わったかのように思えた。しかし、死が私を迎えたとき、不可能なことが起きた――私は同じ回廊で、祭壇の前で目を覚まし、あらゆる涙、嘘、そして一撃の記憶をそのまま覚えていた。今、二度目のチャンスを得た私は、ただ一つの使命を持つ――真実を突き止め、奪われたものを取り戻し、私を破滅させた者たちにその代償を払わせる。もはや、何も以前のままではない。何も許されない。
悪役令嬢のビフォーアフター
すけさん
恋愛
婚約者に断罪され修道院に行く途中に山賊に襲われた悪役令嬢だが、何故か死ぬことはなく、気がつくと断罪から3年前の自分に逆行していた。
腹黒ヒロインと戦う逆行の転生悪役令嬢カナ!
とりあえずダイエットしなきゃ!
そんな中、
あれ?婚約者も何か昔と態度が違う気がするんだけど・・・
そんな私に新たに出会いが!!
婚約者さん何気に嫉妬してない?
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる