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出会い編
爆炎よ、舞え!
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肉体的実害は何一つないのに、精神的ダメージが尋常ではないようです。
マドモアゼルのパフォーマンス?であるクネクネダンスは相当目によろしくないらしく。
皆さんは「やめろぉー!やめてくれぇ!キモいいい」と叫んでいます。まさに阿鼻叫喚。
……早くこのロボットを何とかしないと!
アルカティーナは頭を悩ませる。
また聖霊さんを呼び出して…?いえ、でも今日3回目ですし。申し訳ないですよね。
んんー…あ。そう言えば本で読みました。
ーーー聖女候補はある程度の力であれば、聖霊を呼び出さずとも行使することができるーーー
ある程度の基準が分からなかったので試した事はありませんが…いい機会ですからちょっと試してみましょうか。
ま、ダメ元ではありますが。
使うのは…そうですね、手っ取り早く「火属性」にしましょうか。爆発させれば一発でしょう。
考えをまとめきったところで、アルカティーナはスッと瞳を閉じ集中力を高める。
まるで血流を一筋一筋操っていくように、力を手元に集めます。
一筋でも操作を誤れば、力は暴走してしまいます。
間違えないように、間違えないように、慎重に力を貯めるのです。
その操作をし続けていると、段々と手元に熱がこもり体もポカポカしてきました。
そっと目を開けると、自分の体がうっすらと紅色に光り、キラキラと光の粒が辺りを舞っているのが目に入りました。
よし、多分これくらいで大丈夫なはず…!
失敗したらゴメンなさいっ!!
アルカティーナはぐっと掌を突き出すと、ロボットが爆発する図をイメージしながら唱えた。
「爆炎よ、舞え!」
瞬間、アルカティーナは体内から熱が出ていくのを感じた。
そして、ドォオン…!と大きな爆発音が遅れて響く。
爆煙によってロボット本体は見えないが、それがボロボロと崩れていく音は聞こえた。
惑う事なき最高だ。
「ぉ…おおおおお!!!」
「すっ…げぇーー」
「やったぞ!聖女候補様万歳!」
「さようならキモロボット!」
「そしてこんにちは、俺のハッピーライフ!」
辺りは歓喜に包まれる。
しかし、爆煙が収まりロボットの現状を見た事で一同はギョッと目を見開くことになる。
先程までマドモアゼルがいた場所には、あちこちにネジが散らばりバラバラになった金属板の数々と、大きなクレーターがあったのだ。
床は大きくえぐれ、プスプスと音を立てている。
この時、一同の心は一つになった。
「「「「聖女候補様、マジパネェ……」」」」
その言葉にアルカティーナは頭を抱える。
ですよねー。これ、やり過ぎですよね。
なぁにが「ある程度」ですか。
聖霊さん居なくてこれって、相当ヤバくないですか?
あと、誰ですかダメ元とか言った人。
成功どころか、これただの弱いものいじめなんですけど。
「あぁぁぁ…やっちゃったぁぁーーー」
「まぁまぁお嬢。元気出せって。成功したんだから良かったじゃないか?」
「良くないですよぉ!…あれ?良いのかも。だってこれで邪魔者はいなくなったわけですし」
「だろ?」
うん。確かにゼンの言う通り、成功して良かったんですよ!
やり過ぎたとか考えちゃ負け負け!
大体やり過ぎたからと言って別に問題は無いはず!
廃墟ですしね!ねっ!!!
弁償とか無いですよね!!
「さぁ、マドモアゼルちゃんも消えたことですし。行きましょうか」
「「「「マドモアゼル、ちゃん…??」」」」
今度こそ、目指すは2人がいるはずの突き当たりの部屋。
待っててください、アメルダ、リサーシャ。
今助けます!
アルカティーナは、歩き出した騎士達を追って駆け出そうとしたところで足をピタリと止めた。
足に何か固いものが引っかかったからだ。
「ん??足元に何か転がって…って、これマドモアゼルちゃんの頭部!?頭部だけ焼けてない!!すごい!」
奇跡的に、マドモアゼルは頭部のみ無傷だったらしい。
だから何だという話ではあるが、アルカティーナにはそれが嬉しかった。
全部焼けてしまわなくて良かった、と心から喜んだ。
「テレポート」
アルカティーナは、マドモアゼルの頭部目掛けて力を使った。
その直後にはもう、そこにあったはずの頭部は姿を消していた。
「お嬢、何してるんだ?早くいくぞー」
先に進んでいたゼンが振り返り、アルカティーナに声をかける。
アルカティーナは、突き当たりの部屋の扉を見据えてから返事を返した。
「はい!今行きます」
いよいよ、戦場へ。
アルカティーナは気を引き締めた。
☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆
本作には、つけ忘れていたタグがあります。
それは、「主人公無自覚チート」です。
マドモアゼルのパフォーマンス?であるクネクネダンスは相当目によろしくないらしく。
皆さんは「やめろぉー!やめてくれぇ!キモいいい」と叫んでいます。まさに阿鼻叫喚。
……早くこのロボットを何とかしないと!
アルカティーナは頭を悩ませる。
また聖霊さんを呼び出して…?いえ、でも今日3回目ですし。申し訳ないですよね。
んんー…あ。そう言えば本で読みました。
ーーー聖女候補はある程度の力であれば、聖霊を呼び出さずとも行使することができるーーー
ある程度の基準が分からなかったので試した事はありませんが…いい機会ですからちょっと試してみましょうか。
ま、ダメ元ではありますが。
使うのは…そうですね、手っ取り早く「火属性」にしましょうか。爆発させれば一発でしょう。
考えをまとめきったところで、アルカティーナはスッと瞳を閉じ集中力を高める。
まるで血流を一筋一筋操っていくように、力を手元に集めます。
一筋でも操作を誤れば、力は暴走してしまいます。
間違えないように、間違えないように、慎重に力を貯めるのです。
その操作をし続けていると、段々と手元に熱がこもり体もポカポカしてきました。
そっと目を開けると、自分の体がうっすらと紅色に光り、キラキラと光の粒が辺りを舞っているのが目に入りました。
よし、多分これくらいで大丈夫なはず…!
失敗したらゴメンなさいっ!!
アルカティーナはぐっと掌を突き出すと、ロボットが爆発する図をイメージしながら唱えた。
「爆炎よ、舞え!」
瞬間、アルカティーナは体内から熱が出ていくのを感じた。
そして、ドォオン…!と大きな爆発音が遅れて響く。
爆煙によってロボット本体は見えないが、それがボロボロと崩れていく音は聞こえた。
惑う事なき最高だ。
「ぉ…おおおおお!!!」
「すっ…げぇーー」
「やったぞ!聖女候補様万歳!」
「さようならキモロボット!」
「そしてこんにちは、俺のハッピーライフ!」
辺りは歓喜に包まれる。
しかし、爆煙が収まりロボットの現状を見た事で一同はギョッと目を見開くことになる。
先程までマドモアゼルがいた場所には、あちこちにネジが散らばりバラバラになった金属板の数々と、大きなクレーターがあったのだ。
床は大きくえぐれ、プスプスと音を立てている。
この時、一同の心は一つになった。
「「「「聖女候補様、マジパネェ……」」」」
その言葉にアルカティーナは頭を抱える。
ですよねー。これ、やり過ぎですよね。
なぁにが「ある程度」ですか。
聖霊さん居なくてこれって、相当ヤバくないですか?
あと、誰ですかダメ元とか言った人。
成功どころか、これただの弱いものいじめなんですけど。
「あぁぁぁ…やっちゃったぁぁーーー」
「まぁまぁお嬢。元気出せって。成功したんだから良かったじゃないか?」
「良くないですよぉ!…あれ?良いのかも。だってこれで邪魔者はいなくなったわけですし」
「だろ?」
うん。確かにゼンの言う通り、成功して良かったんですよ!
やり過ぎたとか考えちゃ負け負け!
大体やり過ぎたからと言って別に問題は無いはず!
廃墟ですしね!ねっ!!!
弁償とか無いですよね!!
「さぁ、マドモアゼルちゃんも消えたことですし。行きましょうか」
「「「「マドモアゼル、ちゃん…??」」」」
今度こそ、目指すは2人がいるはずの突き当たりの部屋。
待っててください、アメルダ、リサーシャ。
今助けます!
アルカティーナは、歩き出した騎士達を追って駆け出そうとしたところで足をピタリと止めた。
足に何か固いものが引っかかったからだ。
「ん??足元に何か転がって…って、これマドモアゼルちゃんの頭部!?頭部だけ焼けてない!!すごい!」
奇跡的に、マドモアゼルは頭部のみ無傷だったらしい。
だから何だという話ではあるが、アルカティーナにはそれが嬉しかった。
全部焼けてしまわなくて良かった、と心から喜んだ。
「テレポート」
アルカティーナは、マドモアゼルの頭部目掛けて力を使った。
その直後にはもう、そこにあったはずの頭部は姿を消していた。
「お嬢、何してるんだ?早くいくぞー」
先に進んでいたゼンが振り返り、アルカティーナに声をかける。
アルカティーナは、突き当たりの部屋の扉を見据えてから返事を返した。
「はい!今行きます」
いよいよ、戦場へ。
アルカティーナは気を引き締めた。
☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆
本作には、つけ忘れていたタグがあります。
それは、「主人公無自覚チート」です。
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