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学園編
準備はできた?
しおりを挟むリリアム学園は全寮制の学校である。
だから、アルカティーナもリリアム学園に通う6年間は家を出ることになる。
そして現在。
対面式の後、自クラスにて自己紹介等を終えて解放されたアルカティーナは帰宅していた。
一度荷物を取るために帰宅したのだが、いよいよ寮へ出発する!という段階で、行く手を阻まれていた。
「ティーナ!!行かないでっ!僕を捨てるの!?捨てないで!!」
ダンボールの中の子犬みたいなことを言い出したのはーー最も、子犬は喋らないがーーお父様です。涙目でしがみ付いて来られても、全寮制なので仕方ないのですけど。
すると何を思ったのか、今度はお兄様が勝ち誇ったように言いました。
「はは、残念でしたね父上!僕は生徒だから毎日ティーナ会うことができる!」
それを見て、呆れた様子で溜息をつくお母様はいつも大変そう。
「そうは言っても、ルイジェルは今年で最高学年でしょう?たかだか一年ぽっきりのことじゃない」
「たかが一年、されど一年、ですよ母上!」
息子のドヤ顔に再び溜息をつき、諦めたように首を振るお母様。「あぁダメだわ、この子もう末期ね。気がついてたけど」とか何とかいう呟き声が聞こえたのは気のせいだと信じたいですね。
気を取り直して、マーガレットはアルカティーナに笑いかける。
「さ、ティーナ。準備はできた?」
「はいお母様!わたくし、学園で立派なレディになって帰ってきますから、待っててくださいね」
にっこり笑ってそう伝えると、未だに腰にしがみついたままのマリオスが叫んだ。
「僕も!僕も待ってるよおおお!」
続いてルイジェルである。
「僕も待ってるよ!」
「嬉しいですけど、お兄様は待たずに学園に行ってくださいね?」
アルカティーナの最もな言葉に、ルイジェルはしょんぼり肩を落とすと「はい、ごめんなさい」と小さな声で答えた。
そもそも、既に寮入りしているルイジェルは、対面式が終わった今、帰宅する必要は一切なかったのである。それを、「ティーナが寂しくないようについて行かないと!」だの何だのと言って、無理矢理アルカティーナをつけてきたのだ。シスコンにも程がある。
「ティーナが居なくなっちゃうなんて寂しいわね…連休には帰ってくるって約束してちょうだいね?」
「はい、勿論ですお母様!」
元気よく返事をしたアルカティーナを見たマーガレットは、安心したように微笑む。
ルイジェルの「いや、帰らずともいい。連休は僕と一緒にデートをしよう、そうしよう」という台詞に、その笑顔はすぐに凍りつくこととなったが。
「では、そろそろ行きますね。行ってきますお母様、お父様」
「「行ってらっしゃい!」」
手を振って、お兄様と一緒に家を出ます。
門の前で待ってくれていた馬車に二人で乗り込むと、馬車はすぐに動き出しました。
小さな窓から外を覗くと、涙と鼻水でベトベトの顔で手をブンブン振るお父様と、綺麗で、でも寂しげな顔で手を振るお母様がいました。
二人が小さくなって見えなくなるまで手を振った後は、何だか眠くなって…ふと目が覚めた頃にはもう、学園寮前に着いていました。
☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆
次はいよいよアメルダちゃんのターン!
婚約者様について詳細がわかります、多分!
それにしても東京行きたい。
行きたい行きたい行きたい行きたい。
池袋か横浜か渋谷か新宿に行きたいよお。
って、あれ?
ほか三つはともかく横浜って行ってどうするんでしょうかね。横浜港に向かって「海だー!」とか叫ぶんですかね?あ、あれです。青春の1ページ的な。
うん、やめとこう。
以上、水瀬のくだらないコメント欄でしたw
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