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学園編
でも、犯罪は良くないと思うのですよ
しおりを挟むその後、『ろりこんとは何か』というどうでもいい議題で会議を始めたアルカティーナ達を何とか宥めたリサーシャだったが、その心境は複雑である。
考えてもみて欲しい。自分の浅はかな発言のせいで、純粋無垢な美少女達の会話の中にロリコンロリコンと変な単語が飛び交い始めたのだ。リサーシャは深く反省した。
ーーもう今後、気軽に前世の単語を使うのはやめよう。
それにしても、とリサーシャは考えを巡らせる。まさかルデア様がロリコンだったとは…。初耳だ。そんな設定、あっただろうか?ルデア様はゲームでは所謂『お色気キャラ』で、属性的にはチャラ男ポジションに位置していた。まあチャラ男と言っても女性の褒め方が巧みだったというだけで、決して浮気とか女性関係が乱れているとかそういうのではなかったが。
寧ろ彼はガードが固かった気がする。
口では『チャラ男』感満載なのだが、それ以外では女性を寄せ付けない不思議な人物として有名だった。
それを考えると彼はアメルダに相応しくないとも言い切れないどころか、寧ろ相応しい。
でも、彼が攻略対象であるがための不安要素はどうしても残る。
…………………どうしたものか。
「リサーシャ、どう思います??」
「う~ん…取り敢えず様子見ようとしか言えないねぇ」
現在、二人は寮の一室にて『ルデア様対策会議 ~アメルダを守ろう~』の真っ最中だ。予想もしなかったこの状況下においてアルカティーナ達にできるのは、これくらいしかなかった。
アルカティーナはリサーシャの意見に頷きつつ、眉をハの字にする。
「でも、犯罪は良くないと思うのですよ」
「それは私も同意見!でもこの世界じゃあ犯罪じゃないらしいからね~。それに私自身ロリコンかつショタコンだから人のこと言えないし。でも可愛いアメルダを取られた気がしてなんか気に入らない!よし、ルデア様のあだ名を『変態ロリコン教師』にしよう!ふはははは!ばーかばーーか!」
溜息をつきながら尤もらしい事を言っているように見えるが、リサーシャはただ自分の趣味を暴露し、かつスクレリズ公爵の悪口を言っただけである。
「ふふ…アメルダを取るから変なあだ名をつけられるのよ!ざまぁ!」と高らかに叫ぶリサーシャ。
その一方で、アルカティーナは首を傾げた。
「しょたこん?暑田婚??」
脳内であり得ない文字変換を行なったアルカティーナは、自分の間違いに気がつくことはない。それどころか「真夏の田んぼで結婚式なんて、珍しい事をする人もいるのですね」などと、意味不明な事を考えていた。
そこまで考えたところで、アルカティーナはとんでもないことに気がついてしまった。
ーーあれっ?リサーシャは、路裏婚かつ暑田婚?二回結婚している…………?ということはつまり、バツイチ!!そんなっ……!
今世では彼女は結婚していないから、それは前世でのことだろう。リサーシャを可哀想に思ったアルカティーナは慰めの言葉をかけた。
「あの…リサーシャ、あまり自暴自棄にならないでくださいね。今世はきっと、いい人が見つかりますよ……!」
唐突に涙ぐんだ美少女に慰められたリサーシャというと………。
「うん!よくわかんないけど可愛いからいいや!ありがとうございますっ!!」
その理由を深く考えることは一切せず、目の前の美少女を「むふふふ…」と怪しい声を漏らしながら見つめ返したのだった。
結局、この日の会議で得られたものは『変態ロリコン教師』というルデアにとっては不名誉でしかないあだ名のみであった。
☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆
ルデア・スクレリズ公爵様はまだ本人は登場すらしていないというのに、新たな称号《変態ロリコン教師》を手に入れました!
さっすが公爵様!So cool!
そろそろ本人が登場しますw
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