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学園編
一昨日来やがれ、ですわ!!
しおりを挟む「♪おーべんと、おーべんと、おーいしーいなぁ~~」
ご機嫌な様子で次のおかずに箸をのばすアルカティーナの横で、ユーリアは半ば強引に分けられたお弁当のおかずをつついていた。
その目は『もう何も言うまい。言っても通じない』という悟りの境地へと達しており、まるで死んだ魚のような目である。
「あっお昼それで足ります?成長期の女の子には少し少ないですかね…。よし、サービスでこれも分けてあげましょう!」
ユーリアのお昼のおかずが、そんな言葉と共にまた増える。ユーリアは、死んだ魚のような目で、ギギギギとアルカティーナの方を見た。
「あの…アルカティーナ様?私、お弁当をたかるためにアルカティーナ様をお呼びしたのでは無いのですけど」
「?はい!分かってますよ?」
お箸片手に満面の笑みで頷くアルカティーナに、ユーリアは力無く首を振った。
分かっていない。
その顔は、絶対に分かっていない。
ユーリアがそう思ったのも仕方ないだろう。
でも、取り敢えずは目の前のおかずを食べてしまわないと話が進まない。ユーリアは必死に口をもぐもぐと動かした。そして、あのもう少し!!と言うところで
「あっ完食ですか?流石ですユーリア様!ご褒美にわたくしからのサービスで、この卵焼きと唐揚げとローストビーフとエビチリとお握りも差し上げますね!」
という悪魔の声が横から入ってくる。
ユーリアはもう、死んだ魚のような目ではない。涙目である。
だが、矢張り食べないことには話が進まない。今度こそ完食…!と意気込んだその時。
予鈴がなった。
「あらあら。もうそんな時間でしたか~。残念、お話はまた明日、ですね!」
ごめんなさい、わたくしのお弁当のせいで……と謝罪の言葉を口にするアルカティーナに、ユーリアは慌てて涙を拭う。
「本当ですわ!せ、折角お昼休みを削ったというのに全くですわね。…お弁当は美味しかったですけれど」
小声で告げた最後の言葉を、アルカティーナは聞き逃さなかった。
弁当を作ったのはアルカティーナではなく、料理長なのだが、何だか自分まで嬉しくなってしまう。アルカティーナは照れたように微笑んだ。
「はい、料理長も喜びますね!」
「…ま、そんなことはどうでもいいですわ。私のお話ししたいことは一切お伝えできませんでしたから、また明日、同時刻にお待ちしておりますわ。絶っっ対に、いらしてくださいね!お弁当は持たずに!!」
念を押すようなユーリアの言葉に、アルカティーナは目を丸くする。
「お弁当、こんなに美味しいのにですか?」
「美味しいのに、ですわ!」
「お腹空きますよ?」
「そんなの私、知りませんわ」
「……そうですか、わかりました」
あぁ、こんなに美味しいのに、お弁当は持たずに来なければいけないなんて。
アルカティーナはションボリと肩を落としながら、ユーリアの念押しを飲んだ。
ーー…って、あれ?
わたくしはそもそも、どうしてお弁当を持ってきたんでしたっけ…。あ、そうそう。
腹が減っては戦はできぬってことで…。
でも、戦すらしてないような…や。
ま、いっか!!
アルカティーナはにっこり笑顔で、ユーリアにお辞儀をした。
「では、楽しい時間をありがとうございましたユーリア様。また明日、お会いしましょう」
では失礼しますね、と大きなお弁当箱を両手で持って立ち去ったアルカティーナの背中に、ユーリアは手を伸ばす。
その手は、空を切った。
どこにも届かなかった、誰にも気づかれなかった手を、ぎゅうと握りしめる。
「…私も楽しかったですわ。明日を、楽しみにしております………」
アルカティーナに届けたかった言葉を一人呟いて、矢張り誰にも届かなかったそれに少し虚しさを感じつつ。
ユーリアは先程より少し遠くなったアルカティーナの背中目掛けて、力一杯声を張り上げた。
「一昨日来やがれ、ですわ!!」
思わず足を止めて振り返ったアルカティーナの目に飛び込んで来たのは、悪戯に成功した子供のような、無邪気なユーリアの笑顔だった。
☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆
クーデレデレデレ、ユーリアたん。
アルカティーナの前で初デレですね。可愛い。
ふふ、そうそう。
ユーリアに会ったら、是非伝えてあげましょう。
リサーシャに気を付けなさい、と。
それはそうと、表紙リニューアルしたんですよ。
あんまり変わってない?その通り☆
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