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学園編
黙って聞いていれば
しおりを挟む「あぁ…なんて麗しいの、私。最高だわ、私。超かわいいわ、私」
壁ドン体勢絶賛続行中のロゼリーナは、まさかその姿を誰かに見られているとは思ってもいないのだろう。惚れ惚れとした様子で鏡を…正確には鏡に写り込んだ自分を、見つめていた。
「んふふ…やっぱり私って最高にイイ女!これはもうファンクラブのひとつやふたつ、出来ててもおかしくないわね!…それなのに、どうしてあいつばっかり…………」
しばらくニマニマと角度を変えながら自分を見つめていたロゼリーナだったが、突然その表情から笑みが剥がれ落ちた。続いて紡がれたのは、憎しげな声。
それまで呆然と目の前のナルシストを見つめるばかりだったアメルダとリサーシャも、これには顔を引き締めた。
「何もかもあいつばっかり!何なの!?そんな設定じゃないはずなのに…!少しの差異は考慮してたけど、あれはおかしいでしょ!?何で入学前から人気アイドル見たく扱われてんのよあいつ!しかもファンクラブまで出来てるし、会員も多いし…!しかも!?Sクラス!?成績まで良いなんて聞いてないし!」
目を大きく見開きながら暴言を吐くロゼリーナに愕然とする。しかも、その内容は明らかにアルカティーナの悪口ではないか。
これは、本人様に聞かせて良いものかとリサーシャとアメルダは気まずげに顔を見合わせ、揃ってアルカティーナに目を向けた。
しかし、それは杞憂に終わる。
当の本人アルカティーナはと言うと、
ーー入学前から人気で、アイドルみたいで成績優秀……………そんなすごい人が…!!一度お会いしたいですね!それにしても『ふぁんくらぶ』ってなんでしょうか?funk love ですかね?
と、いつも通りの天然っぷりを発揮しており、キラキラとしたその表情からそれを何となく察知したアメルダ達はガクリと肩を落とした。『この天然!心配して損した!』と2人同時に思ったことは本人には秘密だ。
「……絶対潰してやる。私の味方につくなら、って思ってたけどもう知らない。潰してやる、何をしてでも」
地を這うような声でそう呟いたロゼリーナに、3人は思わず肩を震わせた。
ーーあぁ。本気なんですね、ロゼリーナ様。
その『本気』の矛先が誰に向けられたものなのかには全く気が付かず、『本気』に気が付いたアルカティーナは、目を細めた。
ーーわたくしはロゼリーナ様の味方にはなりませんけど、敵になるつもりもありませんでした。ですがロゼリーナ様。もし貴女が無闇に誰かを傷つけようと言うのなら、その時わたくしはー………………
「はぁ…それにしても」
地を這うような声から一転、明るくなった声色に思わず顔を上げるとロゼリーナがうっとりと鏡を見つめていた。
「怒ってる私も美しい!やっぱり美形は何をしても映えるわよね、うふふふ…」
ナルシスト・タイム、再び。
だが、その時だった。
うんざりとしたアルカティーナ達の思考を遮るように、その声はホールに響いた。
「黙って聞いていれば。さっきから何なんですの貴女は。失礼にもほどがありましてよ」
アルカティーナ達が隠れている場所とは反対に位置する、もうひとつの死角から現れたその人影に、アルカティーナはハッと息を飲んだ。
その話し方も、ストレートの銀髪も、冷たい氷のような瞳も、変わることのない表情も。
他の誰かとは間違えようがない。
「貴女、本当に聖女候補ですの?耳を疑いましたわ」
普段は無表情のその顔に、隠しきれないほどの燃える怒りの色を宿したその少女は言うまでもなくユーリア・ルゼスタその人だった。
☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆
はい、ユーリアたん参上です。
頑張れユーリア、go-goユーリア。
ロゼリーナなんか吹っ飛ばせー!
てな訳で次回はユーリアたんが頑張ります。
多分、頑張ります。
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