うちの天使に近寄るな~影と風に愛された死神はうちの子を守りたいだけなんだ~

朱音 アキ

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第11話 冒険者ギルド

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「ついたぞ、ここが冒険者ギルドだ」

 目の前には、堅牢な面持ちの石造りの大きな建物があった。
 ズカズカと扉をあけ、ルイが入っていくので、慌てて俺たちはついていく。

 ギルドに入ると、図体のデカい人がたくさんいた。
 鎧を装備している者、ローブをきており杖を持っている者、様々なタイプの人がいる。
 それに加え、獣人とよばれる、オオカミや、猫の顔をした人間も見られた。

「人多いな」
「そりゃー、夕方だからな、仕事終わりのやつが金もらいにきてんだよ」

 なるほどね。
 来る時間ミスったな。
 テトモコシロは初めての環境で楽しいのか、あちこち見て鳴き声を上げている。

「元気だな、お前の従魔たちは」
「初めて来たからな、新しいものに興味津々なんだよ」

 周りの冒険者はテトモコシロをみて、驚いているやつもいるが、だいたいは興味なく、となりのやつとの話しに戻っている。

 受付のようなものは三か所あり、空いている一つの受付にルイは進んでいく。
 他の二つが美人さんの受付なんだけどな。あっちがいい。
 そんな願いもむなしく、年老いたおじいさんの受付の前へとついた。

「おおー、ルイが冒険者ギルドにくるなんて珍しいな」
「こいつらを連れてきただけだ。オレは案内人」
「ほぉー、なるほどの。ルイが連れてきてくれてよかったの」
「だろ。絶対問題を起こす」

 なんか俺たち抜きに会話をしているが、問題児扱いされている。
 俺はまだ問題おこしてないだろ。
 ルイがはやまって、国賊にしようとしただけだ。

「で、坊主と嬢ちゃんはなんのようでここにきたんだ?」
「俺とティナの冒険者ギルドへの加入と、テトモコシロの従魔の証が欲しい。あと、お金がないから、魔物の死骸を売りたいんだけどどうしたらいい?」
「加入はこの用紙に記入してくれ。従魔については軽く試験がある。今見る限り大丈夫そうだから心配せんでもよい。魔物はあとで買い取り受付にだしとくれ」

 用紙には名前と年齢、スキルを書けばいいのか。
 ソラ・カゲヤマ 十歳 風魔法と。
 影魔法については記載しない。

「ティナ何歳だっけ?あとスキルなんかある?」
「ティナは五歳だよ?スキルは……回復魔法」
「回復魔法つかえたのか?初めて知ったぞ」
「……聞かれなかった」

 うう、ティナが拗ねている。そんな姿も天使だぞ。
 それにしても俺はティナのこと何も知らなかったんだな。
 あんまり深く聞いたら母親のことを思い出すと思って、避けてはいたんだが、さすがにもっと聞いとけばよかった。

 ティナリア・カゲヤマ 五歳 回復魔法と。
 一応ティナは俺の妹として登録する。
 モンフィールなんてつけたら後々めんどくさいことになりそうだ。
 ドーラも偽名でギルドカード作ったらしいからこれでも大丈夫だろ。

「ソラは十歳か。ならFランクスタートだな。ティナリアはGランクからだ」
「それはどうゆう風に決まっているんだ?」
「ギルドランクは、SからGまである。Gは十歳以下の子供向けのランクだ。十歳以上はFランクからのスタートが一般的だ。もちろん例外はあるが、それには試験や、功績が加味されれる場合だ。Sランクは英雄 A、Bランクは上位冒険者、C、Dが中堅、E,Fが初心者と呼ばれておる。ランクを上げるのは依頼の成功数と、失敗数が関係しておるが、成功していけばおのずとCランクぐらいまではあがるだろう。逆に失敗数が多くなるとギルドから注意勧告とランク降格になるからきをつけよ」
「ランクをあげるのは依頼をしていけばいいんだな?」
「そうだ。それに加えDランクからは試験があり、それに合格すると昇格する」
「なるほど」



「冒険者のルールは主に一つだけ、一般市民に暴行を行うなだ。破ると、ランクの降格、賠償金、ひどい場合は冒険者資格のはく奪だ。バカが多いからあんまりルール増やしても理解しないやつが出てくるからこれだけにしている」
「冒険者同士の喧嘩や殺害は禁止されてないのか?」
「殺害はどの国でも犯罪だ。冒険者のルール以前に処罰される。それに冒険者の喧嘩なんか日常茶飯事だ。周りに迷惑かけなきゃ勝手にやればいい。」

 思ったより、冒険者は自由なんだな。
 生きやすそうで何よりだ。

「ほかに聞きたいことがないなら、従魔の試験をするがいいか?」
「なんかあったらまた聞くよ、試験をさせてくれ」

 ついてこいとおじいさんが言うので俺たちはその後を追う。
 入口から見えていたギルドの奥に進んでいくと、そこは闘技場のような広い空間があった。

「今から試験を開始する。初めに、従魔に命令して、奥の壁までいき、自分のところにもどってくるようにしてくれ」

「テトモコ聞いてたな?行ってくれ」
「シロちゃんわかった?あの壁にタッチして、ティナのところに戻ってくるんだよ??」
「にゃっ」
「わふー」
「きゅうきゅう」

 三匹はわかったーと元気に鳴き、楽しそうに走り戻ってきた。
 ちなみにシロはティナの従魔扱いだ。

「シロちゃんよくできましたぁー」
 
 戻ってきたシロをよしよしと撫でているティナ。
 テトモコもほめてほしいのか、俺の体にスリスリしてくる。
 いや、お前たちにとってこんなの簡単だろ。
 といいつつも、撫でてしまう。

「賢い従魔だ。じゃー次に移るぞ」
 そういうと、おじいさんはいきなり自らの腕にナイフを当てた。
 血がしたたり、地面へと落ちる。
 これはなんの試験だ?

「反応はないな。よし合格だ」
「それは何を見ているんだ?」
「魔物は血の匂いに敏感だ。それに従魔と言っても、血の匂いで興奮し、相手に飛び掛かることもあるのだ。血の匂いで興奮してしまうような魔物を街の中にいることを許可することはできん」

 血の匂いか。テトモコが反応して、魔物に襲い掛かっているところを見たことがない。
 知能がある魔物はあまりそういう生体を見せないのかもしれないな。
 シロの方を見てみるが、匂いなどまったく気にしておらず、ティナとおしゃべりしている。

「ギルドカードの裏側に従魔登録を行う。種族名を記さねばならんのだが、種族はなんだ?」
「テトはアサシンタイガー。モコはシャドーキングウルフ。シロに関してはわからないんだよな」
「ア、アサシンタイガーとシャドーキングウルフだと?ど、どこでそんな魔物と出会ったんだ。しかも従魔だと?ふざけるのも大概にせい」
「テトモコは知り合いにもらったんだ。シロは死の森で出会ったから種族がわからない」
「鑑定ができるものをすぐに呼べ、何かしておっても、無理やりつれてこい」

 おじいさんが傍に控えていた、メガネの女性に命令している。
 たしか、テトモコは種族的に数が少ないっていってたよな。
 まあ、鑑定ができる人が来るなら嘘ではないとわかってくれるだろう。
 俺たちは、闘技場の床に腰かけ、優雅に間食を食べている。
 まだ時間がかかりそうだからな、夜ご飯までのつなぎだ。
 おじいさんがブツブツ言っているが、俺に話しかけている感じではないのでスルー。

「もう、じじぃ、なんだよ。帰るところだったんだけどな?」
「あれ?ルイだ。お疲れ様」

 闘技場に行く前に別れたはずのルイが、メガネの女性に引っ張られながらやってきた。

「重要案件みたいなので、すでに事情を知っていそうなルイさんをお連れしました」
「エレナでかした。ルイこやつらに鑑定をしたか?」
「あー。したぞ。だからオレが連れてきたんじゃないか」
「お前はいつも言葉が足らないといっておるだろうに、重要なことは伝えてからいけ。こっちはその坊主の魔力だけが問題だと思っておったわ。で、結果はどうだったのだ?」
「黒い猫みたいなやつはアサシンタイガー。黒いウルフはシャドーキングウルフ、その白いキツネがエンペラーフォックスだ」
「エ、エンペラーフォックスだと?……ほかの者に鑑定させなくてよかったわ」
「もう終わりか?ならオレは帰るぞ?」
「あー、もうよい。ただし今度問題ごとをもってくるなら、ちゃんと書面にのこしてから解放するからの」
「げっ、めんどくせー」
「バカもん、あとから知るこっちの身にもなってみろ。」
「へいへい、じゃーな」
「ルイまたねー」
「またねっ」
 
 俺たちはのんきにルイへとお別れの挨拶をする。
 テトモコシロも器用に右前足を振っている。

「な。嘘じゃなかっただろう?まあ、シロに関しては今知ったんだけど」
「そうだの。もうわしは疲れたぞ。ソラとティナリアの冒険者カードの作成はエレナがすべて行ってくれ。そして周りには、ブラックキャット、シャドーウルフ、ホワイトフォックスという情報を伝えてくれ」
「また仕事を私に……いいえわかりました。ソラ様とティナリア様の件は承りました。今やっている仕事の半分をマスターの机の上に置いとくのでお願いしますね?」
「ぬ……今日は孫が家に来ているのだが……」
「ギルドにある最高級のお菓子をマスターに差し上げますので、それで機嫌をとってください」
「わかったわ。ソラ、カードを作っている間に魔物の死骸をひきとろう。ちなみになんの魔物だ?」
 
 魔物の名前なんてしらんし、いっぱいあって答えれないな。
 とりあえず。
 
「死の森にいる魔物」
「もう、何もいわんぞ。解体倉庫にいってグスタに検品してもらえ」
「はーい」
 
 
 そう告げるとおじいさん、マスターって呼ばれてたから多分ギルドマスターのおじいさんがギルドの階段を上っていく。
 俺たちはエレナと呼ばれた女性に案内され、倉庫へと向かう。
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