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紅の剣士と恐怖の剣
凄惨な戦場3
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後方からの爆発音……
航太は咄嗟に、音の正体を見極める。
どこから放たれたのか……火の粉を撒き散らしながら、火の玉がガイエンに向かって飛んで行く。
「火の玉? ファイア・ボールってヤツか? いよいよファンタジーしてきやがったな! なら、やれるかもしれねぇ!」
航太は、エアの剣で風を起こす。
風に煽られた火の玉は、火力を増してガイエンに強襲した!
「なにっ? くそがっ!」
火力を増しながら加速して強襲するファイア・ボールを、ガイエンはヘルギで辛うじて切り裂く。
予想外の攻撃範囲の増加と加速は、余裕を持って躱わそうとしたガイエンの右腕を軽く焼いていた。
航太がファイア・ボールの飛んできた方を見ると、エリサが松明を高く掲げている。
「航太様、大丈夫ですか? 皆さん、一度後退を! ここは私達が!」
「エリサさん、ありがとう! でも、来ちゃ駄目だっ!」
近寄ろうとするエリサを、航太が必死に止める。
ガイエンの焦りの表情から、予測不能の遠距離攻撃が有効であることを直感したのだ。
「エリサさん、医療班だった筈だよな? なんで戦場に?」
「私達ホワイト・ティアラ隊の任務は、戦場で傷ついた兵や人々の傷を癒す事。当然、危険でも戦場に出ますよ。救うべき人達が、そこにいるのなら!」
海辺で会った時の優しい表情とは違い、今は凛々しく力強さも感じる。
オゼス村に向かっていた筈なのに、異変を感じて来てくれたのだろう。
その臨機応変の対応にも、航太は感謝した。
「智美、絵美、エリサさんの援護攻撃に合わせて、ここまで下がれ!」
松明の火が、まるで意思を持っているかのように分裂し火の玉になる。
「飛べっ!」
エリサの声に反応して、火の玉がガイエンに向かって飛んでいく。
「で、今度は2段加速だっ!」
1つ目の風で加速し、2つ目の鎌鼬がファイア・ボールを拡散させる。
「ちっ、厄介な攻撃を考えやがって! 腐ってもMyth Knightって事か!」
拡散されるファイア・ボールを、ヘルギで弾くガイエン。
足止めは出来ているが、ダメージを受けずに捌いているのは流石と言える。
ガイエンの足止めに成功し、智美と絵美が航太と合流する。
「エリサさん、ありがとうございます。助かりました!」
「ほんと、ナイスタイミングだったねー! でも、これからどーする?」
智美と絵美はエリサに感謝を述べ、航太に顔を寄せる。
「まだ具体的な対策は考えてねぇんだけど、とりあえず遠距離攻撃は効果的だと思う。あいつの剣は、マジで強ぇ……オレ達が弱いだけの可能性はあるが、どっちにしても、近距離でヤツに勝つのは難しい」
「それは分かるけど、火の玉攻撃だけで何とかなるの? 全く効いてないように見えるんだけど……」
智美の言葉に、絵美もウンウンと力強く頷いている。
「だが、ヤツの剣の効果……よく分かんねぇけど、あの光を浴びるのはヤバい。できるだけ近寄らない方がいい」
航太はヘルギの効果が、剣を振るう時や距離を置けば無効化されるのではないかという仮説を立てていた。
つまり剣が動いてなければ使えず、その効果範囲は然程広くない。
「まずは、出来る事からやってみるか! エリサさん、火の玉を何発か撃ってくれ!」
航太の言葉にエリサは頷き、松明から火の玉を何個か作り出す。
エリサは複数の火の玉を放ち、航太が風と鎌鼬を飛ばす。
ガイエンは2方向からの変則的な遠距離攻撃の猛攻に、防戦一方となった……ように見えた。
「智姉……ネイアさんとも相談したんだけど、ガイエンが出て来た民家に入ってみる! まだ中の人が生きてるかもしれないし、もしそうなら治療を待ってるかもしれない」
ガイエンの足止めが成功したと見て、一真が唐突に智美に提案してきた。
ネイアは既に何個かの医療道具の準備を終え、一真の後ろで待機している。
(こんな時にも他人の心配? でも、カズちゃんらしいのかな? 確かに、ガーゴは女の人と赤ちゃんが……って言ってたけど、殺されてたとは言ってないか……)
「了解したわ。航ちゃんにも伝えておく。でも私達じゃ、援護も出来ないと思う……ネイアさん、カズちゃんをお願いします。危険だと思ったら、逃げるのよ」
「智美様、一真様は私が必ず守ります」
智美はネイアの言葉に安心し、一真に目配せした。
「ありがとう、智姉! ネイアさん、行きましょう!」
智美の合図で、2人は民家に向かって駆け出す。
民家に消えていく一真の背中を見送りながら、智美は前方から聞こえてくる荒々しい息遣いが激しくなるのを感じた。
「はぁっ……はぁっ………」
その荒々しい息遣いが聞こえる方に視線を移すと、そこには肩で息をするエリサの姿があった。
魔法は、彼女の体力を急速に奪っているのだろう。
「航ちゃん、エリサさんが限界よ! 他の作戦考えて!」
「ガイエンの野郎……手も出さずに防御してたのは、この状況になるのを知ってたんだ……すまねぇ、エリサさん!」
弱々しい火の玉を最後に撃ち出したエリサは、膝から崩れ落ちる。
額には、無数の汗が輝いていた。
限界までファイア・ボールを放っていたのが、その状態で分かる。
火の玉の力が衰えた瞬間、そのファイア・ボールを切り裂きながら、倒れたエリサ目掛けて猛然と突進する。
「ナメた真似をしやがって! あの世で後悔させてやる!」
ガイエンの剣が、エリサに迫る!
「きゃあああ!」
エリサは恐怖で、その瞳を閉じた……
航太は咄嗟に、音の正体を見極める。
どこから放たれたのか……火の粉を撒き散らしながら、火の玉がガイエンに向かって飛んで行く。
「火の玉? ファイア・ボールってヤツか? いよいよファンタジーしてきやがったな! なら、やれるかもしれねぇ!」
航太は、エアの剣で風を起こす。
風に煽られた火の玉は、火力を増してガイエンに強襲した!
「なにっ? くそがっ!」
火力を増しながら加速して強襲するファイア・ボールを、ガイエンはヘルギで辛うじて切り裂く。
予想外の攻撃範囲の増加と加速は、余裕を持って躱わそうとしたガイエンの右腕を軽く焼いていた。
航太がファイア・ボールの飛んできた方を見ると、エリサが松明を高く掲げている。
「航太様、大丈夫ですか? 皆さん、一度後退を! ここは私達が!」
「エリサさん、ありがとう! でも、来ちゃ駄目だっ!」
近寄ろうとするエリサを、航太が必死に止める。
ガイエンの焦りの表情から、予測不能の遠距離攻撃が有効であることを直感したのだ。
「エリサさん、医療班だった筈だよな? なんで戦場に?」
「私達ホワイト・ティアラ隊の任務は、戦場で傷ついた兵や人々の傷を癒す事。当然、危険でも戦場に出ますよ。救うべき人達が、そこにいるのなら!」
海辺で会った時の優しい表情とは違い、今は凛々しく力強さも感じる。
オゼス村に向かっていた筈なのに、異変を感じて来てくれたのだろう。
その臨機応変の対応にも、航太は感謝した。
「智美、絵美、エリサさんの援護攻撃に合わせて、ここまで下がれ!」
松明の火が、まるで意思を持っているかのように分裂し火の玉になる。
「飛べっ!」
エリサの声に反応して、火の玉がガイエンに向かって飛んでいく。
「で、今度は2段加速だっ!」
1つ目の風で加速し、2つ目の鎌鼬がファイア・ボールを拡散させる。
「ちっ、厄介な攻撃を考えやがって! 腐ってもMyth Knightって事か!」
拡散されるファイア・ボールを、ヘルギで弾くガイエン。
足止めは出来ているが、ダメージを受けずに捌いているのは流石と言える。
ガイエンの足止めに成功し、智美と絵美が航太と合流する。
「エリサさん、ありがとうございます。助かりました!」
「ほんと、ナイスタイミングだったねー! でも、これからどーする?」
智美と絵美はエリサに感謝を述べ、航太に顔を寄せる。
「まだ具体的な対策は考えてねぇんだけど、とりあえず遠距離攻撃は効果的だと思う。あいつの剣は、マジで強ぇ……オレ達が弱いだけの可能性はあるが、どっちにしても、近距離でヤツに勝つのは難しい」
「それは分かるけど、火の玉攻撃だけで何とかなるの? 全く効いてないように見えるんだけど……」
智美の言葉に、絵美もウンウンと力強く頷いている。
「だが、ヤツの剣の効果……よく分かんねぇけど、あの光を浴びるのはヤバい。できるだけ近寄らない方がいい」
航太はヘルギの効果が、剣を振るう時や距離を置けば無効化されるのではないかという仮説を立てていた。
つまり剣が動いてなければ使えず、その効果範囲は然程広くない。
「まずは、出来る事からやってみるか! エリサさん、火の玉を何発か撃ってくれ!」
航太の言葉にエリサは頷き、松明から火の玉を何個か作り出す。
エリサは複数の火の玉を放ち、航太が風と鎌鼬を飛ばす。
ガイエンは2方向からの変則的な遠距離攻撃の猛攻に、防戦一方となった……ように見えた。
「智姉……ネイアさんとも相談したんだけど、ガイエンが出て来た民家に入ってみる! まだ中の人が生きてるかもしれないし、もしそうなら治療を待ってるかもしれない」
ガイエンの足止めが成功したと見て、一真が唐突に智美に提案してきた。
ネイアは既に何個かの医療道具の準備を終え、一真の後ろで待機している。
(こんな時にも他人の心配? でも、カズちゃんらしいのかな? 確かに、ガーゴは女の人と赤ちゃんが……って言ってたけど、殺されてたとは言ってないか……)
「了解したわ。航ちゃんにも伝えておく。でも私達じゃ、援護も出来ないと思う……ネイアさん、カズちゃんをお願いします。危険だと思ったら、逃げるのよ」
「智美様、一真様は私が必ず守ります」
智美はネイアの言葉に安心し、一真に目配せした。
「ありがとう、智姉! ネイアさん、行きましょう!」
智美の合図で、2人は民家に向かって駆け出す。
民家に消えていく一真の背中を見送りながら、智美は前方から聞こえてくる荒々しい息遣いが激しくなるのを感じた。
「はぁっ……はぁっ………」
その荒々しい息遣いが聞こえる方に視線を移すと、そこには肩で息をするエリサの姿があった。
魔法は、彼女の体力を急速に奪っているのだろう。
「航ちゃん、エリサさんが限界よ! 他の作戦考えて!」
「ガイエンの野郎……手も出さずに防御してたのは、この状況になるのを知ってたんだ……すまねぇ、エリサさん!」
弱々しい火の玉を最後に撃ち出したエリサは、膝から崩れ落ちる。
額には、無数の汗が輝いていた。
限界までファイア・ボールを放っていたのが、その状態で分かる。
火の玉の力が衰えた瞬間、そのファイア・ボールを切り裂きながら、倒れたエリサ目掛けて猛然と突進する。
「ナメた真似をしやがって! あの世で後悔させてやる!」
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「きゃあああ!」
エリサは恐怖で、その瞳を閉じた……
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