喪女と野獣

舘野寧依

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第三章:初めての恋に

第38話 桜のお礼2

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「カレヴィ!」

 カレヴィがハルカの寝室へ行くと、手持ちぶさたな感じで寝台に座っていたハルカがぱっと顔を輝かせた。
 それがあまりにも彼を待ちわびた感じだったので、カレヴィは一瞬、自分がハルカに愛されているような感覚に陥った。

 ──いや、ハルカは酔っているだけで、俺にそんな感情は持っていないだろう。

 自分にそう言い聞かせるのは空しくもあったが、下手に勘違いなどして正気になったハルカになんとも思ってないなどと言われたら、カレヴィとしても大打撃である。

「ね、カレヴィ、早くこっちに来て座って?」

 楽しそうにハルカが手招きするので、カレヴィはいそいそと寝台のハルカの隣に腰掛ける。
 すると、ハルカがカレヴィにしなだれかかってきて彼の唇に口づけた。

「ハルカ……ッ」

 まさかのハルカからの口づけに、カレヴィは我慢できなくなり、寝台の上に彼女を押し倒した。

「んっ、あ……っ」

 唇をむさぼり、鎖骨から胸元へと唇を移動しながら寝間着を開くと、魅惑的な胸が大きく揺れた。
 いつものように我慢できずにそれにむしゃぶりつくと、ハルカは堪えきれないように背を反らせた。
 だがそれは、ハルカの豊かな胸をさらに強調するだけだった。

「あぁんっ、それだめえ……っ」

 カレヴィがハルカの胸を揉みしだきながら、主張する両方の頂点を引っ張ったり、押しつぶしてやる。

「あっあっ、やあぁんっ、ああ…っ」

 さらにカレヴィはハルカの両胸を寄せ、二つの頂点を舌で苛めてやる。

「やっ、は…ぁっ、んんん、かれ、う゛ぃ……っ」

 甘く名を呼ばれるのが最高に心地よく、カレヴィは、ハルカの胸をやわやわと揉みながら色づいた頂点を口に含み、そして強く吸った。

「んん…っ、あ、ああ…っ!」

 カレヴィの責めに堪えきれなかったハルカが背を仰け反らせて軽く達する。
 既にハルカは胸でもイくようになっていた。

「ぁ……ん…」

 カレヴィは恍惚とした表情のハルカの寝間着をはぎ取り、下着へと手をかける。
 その下着は蜜で塗れそぼり、引き剥がすときに透明な糸が伝う。
 その光景は何度見ても息を呑むほど淫らだった。

「……カレヴィも、脱いで……?」

 先程の絶頂から回復したハルカは首を傾けて可愛らしくカレヴィにおねだりをした。
 もちろん、それを無下にする彼ではない。

 俺が欲しいのだな?
 待っていろ、ハルカ……!

 慌ただしくカレヴィは衣装を脱ぎ去ると、再びハルカに覆い被さろうとした。
 ……のだが。

「や。待って、カレヴィ」

 ここまで煽っておいて、お預けか! とカレヴィはハルカを切なく見つめる。
 ここで無理にしてしまってもいいが、愛しているハルカに後でどう思われるかと思うとそれははばかられた。

「あのね、桜のお礼をしたいの。……いい?」

 頬を染めてそう言うハルカはとても健気に見えて、可愛らしい。

「……ああ、いいぞ」

 ハルカに覆い被さっていたカレヴィはハルカの上から退くと、今度は起きあがった彼女に転がされた。

「……っ、ハルカ?」

 気がつけば形勢逆転して、カレヴィはハルカに押し倒される形になっていた。
 ハルカはカレヴィの脚の間に体を入れると、いきり立つカレヴィのものをその豊かな胸で挟み込んだ。そして、そのままむにむにと剛直を揉みしだく。
 その気持ちよさといったら、視覚的にも最高だった。

「ハ、ハルカ……ッ」
「今日は本当にありがとう。嬉しかった」

 酒に酔ったとろんとした目で、けれど割合冷静にハルカは笑って礼を言う。

「いや……、おまえのためなら……うぁっ」

 言おうとした言葉はハルカによって途切らされた。
 ハルカがカレヴィのものを胸で揉みながら、先端に何度も愛しそうに口づけを落としたのだ。
 さらにはハルカはその裏側まで舌で責めてきた。

「あ……っ、ハル…カッ、く、ぅあっ」

 それがあまりにも気持ちよすぎて、カレヴィは喘いだ。

「ハル、カ……ッ、くっ、もう、出る…っ」

 カレヴィがそう言った途端、ハルカはカレヴィのものを咥えると、白濁液をその口腔内に受け止め、飲み干した。

「カレヴィ、おいしかったよ」

 そう言って嬉しそうに口元に残った白濁液を指ですくいとって舐めとるハルカの姿はまさに淫猥で、カレヴィは思わず息を呑んでしまう。
 最初の頃は吐き気をもよおす程だったというのに、ハルカのこの変わりようはなんだ。

 酒か、酒のせいなのか……?
 だが、この手管はなんだ。ハルカ、こんないやらしいことをどこで覚えてきた。
 まさか男ではないだろうが、気にかかる。

「あれ、桜のお礼、気に入らなかった……? わたし、カレヴィのために頑張ったのに」

 目に見えてハルカがしょんぼりとしたので、カレヴィは慌てた。
 そうか、これはハルカが恥ずかしさを堪えてした行為なのだ。
 そういう結論に至ったカレヴィは身を起こしながら笑った。

「いや、最高に気持ちよかったぞ」

 そう言うと、ハルカがぱあっと顔を輝かせ、とても可愛らしく笑った。
 その途端、彼女に対する愛しさがカレヴィを突き抜ける。

「俺も礼をしたい。……ハルカ」

 そして今度はハルカを下にすると、カレヴィは今の行為の礼に、彼女をたくさん可愛がってやろうと心に決めた。
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