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第1章
閑話
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我は母と別れ一人立ちしてから、ずっと独りだった。
フェンリルという種族は強く、個体数も少ない、同族のメスに出会うこともまれであったため、広い魔境の中を好きに過ごしていた。
魔境での独り生活にも慣れ、そこそこの強さを得て、まれに会う強者との戦闘が楽しみの日々に、転機が訪れた。
『≪フェンリル≫よ、お前の少しの時間を、人と一緒に過ごしてみないかい?』
神気をともなう声がした。
辺りを見回すが、気配は無い。
『私はこの世界の神だよ、今から送る人族を守って欲しいんだ。どうかな?』
よく解らんが、確かに神気を感じる。
我に人族のお守りをしろと言うのか?
《ふん!我に人族のお守りをやれと言うのか!》
『そうだね、きっと楽しい時間が送れると思うよ。どうかな?』
《まぁいいか、退屈していたんだ、少しの時間人族のお守りをしてやろう》
『そうかい!ありがとう。ある場所に送るから、待ってておくれ。君の足なら直ぐに着くだろう。よろしく頼むよ』
声と共に神気が消えた。
さて、人族が来る場所まで走るか!
・・・。待っていた我の前には、確かに人族がいる。
だが、メスだとー。
聞いて無いぞーーー。
目覚めるのを待つ事しばし。
退屈だ・・・・。
いつまで待てば良い?
ッ!人族のメスの瞳が開く!
琥珀色の瞳が我を見つめる。
メスは≪神崎 綾乃≫と名乗り。
「乗り物で良いのか?」と聞いてきた。
退屈していたし、≪神≫と名のる者からはお守りをしろ、と言われたし、何でも良い。
我はこの人族の≪綾乃≫となるものが、気に入った!
何でかは解らぬが、瞳の中の琥珀色を見た瞬間にこの人族を守ってやりたい!と思ったのだ。
我はこの≪綾乃≫を主とする事にした。
後で聞いて知ったのだが、犬族の習性らしい。
主が言うのだから、間違いないだろう。
≪ウォルフ≫と言う名をもらった。
我は≪ウォルフ≫だ!
主と一緒に過ごしていると面白い、飯も美味く快適だ!
守ってやるつもりだったのだが、かなり主は強い!
我は必要か?
少々不安になる・・・・。
ある日、「力のコントロールが解ったから、町に行く!」と、主が言い、町の近くまで走り、その後影の中に入る。
影の中は主の魔力の中だ、心地良い空間、呼ばれれば直ぐ出ていける。しかし、状況が解りにくいな。
一度呼ばれ出て行くと目の前に男がいた!
主を傷つけようとしたみたいだ!
許さん!
「グルゥ、ゥゥゥ」
歯を剥き出し、威嚇してやると、小物だ、戦意が消失していく。
その後もギルドマスターという奴と話したり、宿で食事をしたり、色々愉快な事が有った。
んっ?この気配はドラゴンか!
何故、何故主は我を呼ばん!
ドラゴンの気配を感じながら、主が我を呼ぶ声を待つが、一向に呼ばれない!
何故?何故なんだーーー!
フェンリルという種族は強く、個体数も少ない、同族のメスに出会うこともまれであったため、広い魔境の中を好きに過ごしていた。
魔境での独り生活にも慣れ、そこそこの強さを得て、まれに会う強者との戦闘が楽しみの日々に、転機が訪れた。
『≪フェンリル≫よ、お前の少しの時間を、人と一緒に過ごしてみないかい?』
神気をともなう声がした。
辺りを見回すが、気配は無い。
『私はこの世界の神だよ、今から送る人族を守って欲しいんだ。どうかな?』
よく解らんが、確かに神気を感じる。
我に人族のお守りをしろと言うのか?
《ふん!我に人族のお守りをやれと言うのか!》
『そうだね、きっと楽しい時間が送れると思うよ。どうかな?』
《まぁいいか、退屈していたんだ、少しの時間人族のお守りをしてやろう》
『そうかい!ありがとう。ある場所に送るから、待ってておくれ。君の足なら直ぐに着くだろう。よろしく頼むよ』
声と共に神気が消えた。
さて、人族が来る場所まで走るか!
・・・。待っていた我の前には、確かに人族がいる。
だが、メスだとー。
聞いて無いぞーーー。
目覚めるのを待つ事しばし。
退屈だ・・・・。
いつまで待てば良い?
ッ!人族のメスの瞳が開く!
琥珀色の瞳が我を見つめる。
メスは≪神崎 綾乃≫と名乗り。
「乗り物で良いのか?」と聞いてきた。
退屈していたし、≪神≫と名のる者からはお守りをしろ、と言われたし、何でも良い。
我はこの人族の≪綾乃≫となるものが、気に入った!
何でかは解らぬが、瞳の中の琥珀色を見た瞬間にこの人族を守ってやりたい!と思ったのだ。
我はこの≪綾乃≫を主とする事にした。
後で聞いて知ったのだが、犬族の習性らしい。
主が言うのだから、間違いないだろう。
≪ウォルフ≫と言う名をもらった。
我は≪ウォルフ≫だ!
主と一緒に過ごしていると面白い、飯も美味く快適だ!
守ってやるつもりだったのだが、かなり主は強い!
我は必要か?
少々不安になる・・・・。
ある日、「力のコントロールが解ったから、町に行く!」と、主が言い、町の近くまで走り、その後影の中に入る。
影の中は主の魔力の中だ、心地良い空間、呼ばれれば直ぐ出ていける。しかし、状況が解りにくいな。
一度呼ばれ出て行くと目の前に男がいた!
主を傷つけようとしたみたいだ!
許さん!
「グルゥ、ゥゥゥ」
歯を剥き出し、威嚇してやると、小物だ、戦意が消失していく。
その後もギルドマスターという奴と話したり、宿で食事をしたり、色々愉快な事が有った。
んっ?この気配はドラゴンか!
何故、何故主は我を呼ばん!
ドラゴンの気配を感じながら、主が我を呼ぶ声を待つが、一向に呼ばれない!
何故?何故なんだーーー!
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