伯爵令嬢ヘレナの幸福論
あなたにとって、私は何?
尋ねても、きっとあなたは「僕の大切な婚約者だよ」としか答えないのでしょう。
知っている。知ってるから、私も聞けずじまい。
あなたは、私を大切だと言う割に私の気持ちを無視する。私は、あなたが何を考えているのか分からない。ずっと、分からないの。
(私の幸せは、どこにあるの)
伯爵令嬢ヘレナは自身の幸福のあり方について考えた。考えの末、導いた答え。
それは、ひとりで生きていくこと。
ヘレナは、自分のために人生を歩むことにした。すなわち、好きに生きると決めたのである。
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