わたしは不要だと、仰いましたね


十七年、全てを擲って国民のため、国のために尽くしてきた。何ができるか、何が出来ないか。出来ないものを実現させるためにはどうすればいいのか。
試行錯誤しながらも政治に生きた彼女に突きつけられたのは「王太子妃に相応しくない」という婚約破棄の宣言だった。わたしに足りないものは何だったのだろう?

国のために全てを差し出した彼女に残されたものは何も無い。それなら、生きている意味も──

生きるよすがを失った彼女に声をかけたのは、悪名高い公爵子息。

「きみ、このままでいいの?このまま捨てられて終わりなんて、悔しくない?」

もちろん悔しい。
だけどそれ以上に、裏切られたショックの方が大きい。愛がなくても、信頼はあると思っていた。

「きみに足りないものを教えてあげようか」

男は笑った。



国を変えたい、という気持ちは変わらない。
王太子妃の椅子が使えないのであれば、実力行使するしか──ありませんよね。

*以前掲載していたもののリメイク
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