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38.転生勇者の想い
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<<勇者目線>>
「勇者様に申し上げます!」
「なんだよもう、しつこいんだけど!」
オレの前に、鎧を着こんだグランデル王国の使者が膝をついている。
どうせ、魔王軍と戦えとかいうんだろ?
なんでそんなめんどくさいこと、オレがしないといけないんだよ。
「オレの仲間、戦士ベルガルドを送っただろ? それだけでも感謝してくれよな!」
「……しかし!」
「なんだよもう、しつこいぞお前」
まぁ、あいつは勝手に向かったんだけどな。
バカだよな、どんなに強くても大軍相手にどうするつもりなんだろうな。
あのさぁ。
所詮ああいうのは数が多い方が勝つんだよ。
戦いは数だよ!
これ、オレが前世のシミュレーションゲームで悟った勝つための秘訣ね。
「……勇者様……すごく困ってるみたいですし……お話だけでも……」
「シェラは優しいな。さすがオレの嫁だよね」
「……あん」
横に座っていたシェラを抱きしめると口づけを……え? なに?
横を向いてかわされたんだけど?
偶然だよな?
そうだよな?
「シェラがいうなら聞いてやってもいい。さっさと話せ」
仕方ないな。
ここは彼女に懐の大きなところを見せといてやるか。
まぁ、聞くだけだけどね。
「はっ! 魔王軍は南の国境を超えたあたりで停止しており、動く気配はありません!」
「え? まだ動いてないの?」
「そのようです。ですから、今から王都に向かえばまだ間に合うかと!」
――どういうことだ?
勇者新聞の女記者から聞いた話だと、もう南にある国境の砦は落ちてたはずだ。
今までの魔王軍なら、ここから怒涛のように攻め入って一気にその国の王都を包囲している。
グランデル王国は、ほかの国と何かがちがうってことか?
「さぁ、勇者様! 一刻も早く王都ハイビスへ!」
「うるさいなぁ。今考え事してるんだから少し黙っててよ」
「しかし……」
考えろ。
考えろオレ。
あんなに裁判系のゲームもやってたんじゃないか。
異議があったりする例のあれとか!
「勇者様が怖くて、入ってこれないんじゃない?」
「そうよ! この国には勇者様がいるんだから!」
料理人の女の子二人が、嬉しそうにオレに抱きついてきた。
はっ、そうか。
そういうことか!!
真実はいつも一つだぜ!!
「どうやら、計算通りだ。魔王軍はオレが怖くて王国に入れないようだな」
「……なるほど、そういうことだったのですね。さすが神に選ばれし勇者様」
伝令の兵士が、感動した表情で顔を上げた。
「あたりまえじゃないか、オレが魔王軍を恐れたりするわけがないだろ。なにせ勇者だからな!」
「キャー! 勇者様ステキ!」
「勇者様、カッコイイー!!」
なんだなんだ。
魔王のヤツ、オレを恐れてやがったのか。
そうだよな。なにせ奴を倒せる聖剣を使えるのは、この世界でオレだけだしな。
「まぁ、今すぐ王都に向かってやってもいいが、条件がある」
「条件といいますと?」
「料理人をあと一人追加してくれ。それと荷物持ちの調教師《テイマー 》もだ」
「はぁ? ともうしますと?」
使者男は不思議そうな首をひねる。
「オレが王都まで快適に移動するのに必要だろうが。気が利かないなぁ……」
オレは使者の肩をがっちりつかんだ。
「あともう一つさ、大事な条件があるんだけど」
使者の耳元に口をあてて、オレの大事な要件を伝える。
「なんと! そんなこと陛下がお許しになるはずがありません!」
「へぇ? 別にさ、ほかの国に行ってもいいんだよ? 魔王軍に攻められたくなかったら、さ?」
「……しかし!」
「いいから伝えてよ。伝令でしょ?」
「承りました……」
伝令の兵士は、肩を落としながらとトボトボと歩いていった。
失礼なやつだな。
もし願いが叶ったら、あいつは首だな……。
「勇者様……料理人と調教師《テイマー 》を増やすのでしたら……ショコラさん連れ戻せばいいだけでは?」
「いいや、あいつはダメだ!」
シェラの言葉に、大きく首を振る。
「……なぜですか? あんなに仲が良かったのに……」
「だからだよ!」
はじめて出会った時、心臓が本当に止まるんじゃないかと思うくらい可愛かった。
薄い桃色の柔らかそうな髪。
大きくてぱっちりとした水色の瞳。
少しロリっぽさも感じるすげー可愛らしい顔。
まるで大好きなゲームのヒロインが飛び出してきたような、とびきりの美少女だった。
オレは一切の迷いもなく、神にもらったスキル『「魅了《チャーム 》』を使いまくってやった。
ああ、それは隙あらばいつでも使ってたとも!
会話の度に、寝ているすきに、食事をしてるときにも。
――結果。
最初は避けるように距離を取ってたあいつが、最後にはオレに気があるように見えたんだよなぁ。
……見えたんだよ!
……なんであれで拒否られるんだよ!
「……勇者様?」
「ああ、すまない、シェラ。嫌なことを思い出していたんだ」
「……そう……ですか」
オレはシェラの銀色の髪を優しくなでる。
くくくくっ。
魅了《チャーム 》で落とせないならさ、ほかの要素で惚れさせてやるよ。
選ばれた勇者として魔王を倒して世界でただ一人の英雄になってさ。
うーん、そうだな。
ついでにこの王国も手にいれておくか。
これなら、さすがのアイツも……今度こそオレに惚れるだろ。
あの柔らかそうな小さな唇。
ほんのり朱色を帯びた美しい白い肌。
可愛らしくはにかみながら微笑む仕草。
あれが……あれが全部オレのものになる……。
想像しただけで、熱い感動が押し寄せてくる。
あはははは、アイツを迎えに行く日が楽しみだ。
おとなしく待ってろよな、オレの嫁!
「勇者様に申し上げます!」
「なんだよもう、しつこいんだけど!」
オレの前に、鎧を着こんだグランデル王国の使者が膝をついている。
どうせ、魔王軍と戦えとかいうんだろ?
なんでそんなめんどくさいこと、オレがしないといけないんだよ。
「オレの仲間、戦士ベルガルドを送っただろ? それだけでも感謝してくれよな!」
「……しかし!」
「なんだよもう、しつこいぞお前」
まぁ、あいつは勝手に向かったんだけどな。
バカだよな、どんなに強くても大軍相手にどうするつもりなんだろうな。
あのさぁ。
所詮ああいうのは数が多い方が勝つんだよ。
戦いは数だよ!
これ、オレが前世のシミュレーションゲームで悟った勝つための秘訣ね。
「……勇者様……すごく困ってるみたいですし……お話だけでも……」
「シェラは優しいな。さすがオレの嫁だよね」
「……あん」
横に座っていたシェラを抱きしめると口づけを……え? なに?
横を向いてかわされたんだけど?
偶然だよな?
そうだよな?
「シェラがいうなら聞いてやってもいい。さっさと話せ」
仕方ないな。
ここは彼女に懐の大きなところを見せといてやるか。
まぁ、聞くだけだけどね。
「はっ! 魔王軍は南の国境を超えたあたりで停止しており、動く気配はありません!」
「え? まだ動いてないの?」
「そのようです。ですから、今から王都に向かえばまだ間に合うかと!」
――どういうことだ?
勇者新聞の女記者から聞いた話だと、もう南にある国境の砦は落ちてたはずだ。
今までの魔王軍なら、ここから怒涛のように攻め入って一気にその国の王都を包囲している。
グランデル王国は、ほかの国と何かがちがうってことか?
「さぁ、勇者様! 一刻も早く王都ハイビスへ!」
「うるさいなぁ。今考え事してるんだから少し黙っててよ」
「しかし……」
考えろ。
考えろオレ。
あんなに裁判系のゲームもやってたんじゃないか。
異議があったりする例のあれとか!
「勇者様が怖くて、入ってこれないんじゃない?」
「そうよ! この国には勇者様がいるんだから!」
料理人の女の子二人が、嬉しそうにオレに抱きついてきた。
はっ、そうか。
そういうことか!!
真実はいつも一つだぜ!!
「どうやら、計算通りだ。魔王軍はオレが怖くて王国に入れないようだな」
「……なるほど、そういうことだったのですね。さすが神に選ばれし勇者様」
伝令の兵士が、感動した表情で顔を上げた。
「あたりまえじゃないか、オレが魔王軍を恐れたりするわけがないだろ。なにせ勇者だからな!」
「キャー! 勇者様ステキ!」
「勇者様、カッコイイー!!」
なんだなんだ。
魔王のヤツ、オレを恐れてやがったのか。
そうだよな。なにせ奴を倒せる聖剣を使えるのは、この世界でオレだけだしな。
「まぁ、今すぐ王都に向かってやってもいいが、条件がある」
「条件といいますと?」
「料理人をあと一人追加してくれ。それと荷物持ちの調教師《テイマー 》もだ」
「はぁ? ともうしますと?」
使者男は不思議そうな首をひねる。
「オレが王都まで快適に移動するのに必要だろうが。気が利かないなぁ……」
オレは使者の肩をがっちりつかんだ。
「あともう一つさ、大事な条件があるんだけど」
使者の耳元に口をあてて、オレの大事な要件を伝える。
「なんと! そんなこと陛下がお許しになるはずがありません!」
「へぇ? 別にさ、ほかの国に行ってもいいんだよ? 魔王軍に攻められたくなかったら、さ?」
「……しかし!」
「いいから伝えてよ。伝令でしょ?」
「承りました……」
伝令の兵士は、肩を落としながらとトボトボと歩いていった。
失礼なやつだな。
もし願いが叶ったら、あいつは首だな……。
「勇者様……料理人と調教師《テイマー 》を増やすのでしたら……ショコラさん連れ戻せばいいだけでは?」
「いいや、あいつはダメだ!」
シェラの言葉に、大きく首を振る。
「……なぜですか? あんなに仲が良かったのに……」
「だからだよ!」
はじめて出会った時、心臓が本当に止まるんじゃないかと思うくらい可愛かった。
薄い桃色の柔らかそうな髪。
大きくてぱっちりとした水色の瞳。
少しロリっぽさも感じるすげー可愛らしい顔。
まるで大好きなゲームのヒロインが飛び出してきたような、とびきりの美少女だった。
オレは一切の迷いもなく、神にもらったスキル『「魅了《チャーム 》』を使いまくってやった。
ああ、それは隙あらばいつでも使ってたとも!
会話の度に、寝ているすきに、食事をしてるときにも。
――結果。
最初は避けるように距離を取ってたあいつが、最後にはオレに気があるように見えたんだよなぁ。
……見えたんだよ!
……なんであれで拒否られるんだよ!
「……勇者様?」
「ああ、すまない、シェラ。嫌なことを思い出していたんだ」
「……そう……ですか」
オレはシェラの銀色の髪を優しくなでる。
くくくくっ。
魅了《チャーム 》で落とせないならさ、ほかの要素で惚れさせてやるよ。
選ばれた勇者として魔王を倒して世界でただ一人の英雄になってさ。
うーん、そうだな。
ついでにこの王国も手にいれておくか。
これなら、さすがのアイツも……今度こそオレに惚れるだろ。
あの柔らかそうな小さな唇。
ほんのり朱色を帯びた美しい白い肌。
可愛らしくはにかみながら微笑む仕草。
あれが……あれが全部オレのものになる……。
想像しただけで、熱い感動が押し寄せてくる。
あはははは、アイツを迎えに行く日が楽しみだ。
おとなしく待ってろよな、オレの嫁!
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