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8. 梓、一難去ってまた一男(難)…!?

梓、一難去ってまた一男(難)…!? ⑦ 【R18】

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 真顔の怜にねちっこく身体を洗われるのは、拷問以外の何者でもなかった。
 まず無機質と言っていいくらい表情が見えないのが、恐怖を煽り立ててくれる。そこに持って来てやたら優しい手付きで、身体のパーツ一つ一つを時間を掛けて丁寧に洗われる。お陰で肌が異常なくらい敏感に反応するのだけど、感じた素振りの一つでも見せてしまうと、「なに感じてるの? これはお清めなんだよ?」と窘められる。怖いのに感じてしまってるのだ。

 鏡の中の梓の瞳が潤んで蕩けている。
 被捕食者が捕らえられ、死に逝く時の恍惚とした目を思い出した。

(所謂、脳内麻薬がわんさか出ている状態……?)

 脳からドーパミンやらβエンドルフィンやらセロトニンやらが、えっさえっさと出てくる馬鹿な想像をして、口元に自嘲の笑みが浮かぶ。でもこうでもしないと快感に意識を持って行かれそうになってしまう。

 怜が清めていると言うのは、意地でも強がりでもないようだ。その証拠に、偶に腰に当たる彼の半身はピクリともしてない。
 まさに心頭滅却。無我の境地とでも言うのだろうか?
 この半年の怜は、気が付けばいつも盛っているようなイメージしかない。セルフコントロール出来るなら、毎回梓を抱き潰してしまう前に何とかして欲しいものだと切実に思う。
 尤も今は妊娠初期の不安定な時なので、抱き潰される事はないけれど、油断するとすぐにお触り放題になる。

 そんな彼が、無になって洗い清めたくなる程、城田と会っていたのが気にくわないと言うのは解った。

 背後から回された怜の手指が触れる所は、どこを触られても気持ちが良くて、知らず吐息が漏れてしまう。
 時折、彼の吐息が耳殻を擽る。
 身体中が熱くて、ゾクゾクと痺れが走り、肌が泡立つ。お腹の奥に溜まった熱が限界値を超え、ジュクジュク疼いて淫口が涎を垂らす。勃って赤く膨れた花芯を弄り倒して欲しくて、頭が変になりそうだ。

 快感をやり過ごそうとすればする程、意識がそちらに向かってしまう。
 臍の穴まで万遍なく撫でさするように洗っていた手指が、下生えにまで伸びてきた。柔らかな茂みの中まで、指先がやんわりと掻くように洗う仕草がもどかしい。合わせる膝に力が入って必死に遣り過ごそうとするのに、下腹が勝手にピクッピクッと波打ち、どんなに堪えようとしても吐息が漏れてしまう。

 鏡に映った怜は淡々とした面持ちなのに、一緒に映っている梓は頬を上気させ、淫らに潤んだ瞳が情欲を訴えている。自分ばかりが怜を欲しがっているようで、羞恥で鏡が直視できずに項垂れた。するとそのタイミングを狙ったかのように、怜の手が梓の脚を左右に大きく開き、露わになった彼女の秘所をぱっくりと曝け出してしまう。
 怜は指を滑り込ませ「お清めだって言ってるのに」と溜息混じりに呟いた。
 すっかり濡れそぼってしまっている花淫から、くちゅくちゅと卑猥な水音がする。丁寧なのに素っ気ない指先が、焦れったくて仕方ない。

「もおヤだぁ」

 怜の手を退かそうとする梓の手を躱すと、彼はシャワーヘッドに手を伸ばし、蛇口を捻った。温度設定されている湯を確かめると、怜の指によって曝け出された花淫へ叩きつけるような水流を押し当てて来た。
 腰がカクカク震え、背中を怜に預ける。彼の手を退かせようとするのに、もどかしさを訴えていた身体があっさり快楽を受け入れてしまって、指に力が入らない。

「…ふ……ぁぁ、ん……」

 襞の隅々まで怜の指が這い、腫れ上がっていた花芯をさらに引き出そうと抓む。梓の身体が大きく戦慄いた。まるで水圧と指の腹でくりくりと真珠を磨くように転がされ、自分ではどうにもならない震えに、頭を振る。

「や……れい、くん」
「嫌じゃないでしょ。ちゃんとキレイにしないと。こんなにグジュグジュにして」

 指がつぷりと挿し込まれた。短い吐息混じりの声が洩れ、掴んでいた怜の腕に指を立てる。水圧で花芯を刺激されたまま、膣内に潜り込んだ指がだらしなく溢れる淫液を掻き出し始めた。弱い所を蠢く怜の指に容赦なく擦られ、その度にキレイになるどころかますます淫らな蜜が汚していく。

「終わらないよ、梓」

 呆れの混じった声に、梓が肩を揺らす。淫乱を責められているようで、涙がじわりと浮かんだ。

(厭らしくなったの、怜くんのせいなのに……)

 心の中で反発しても、身体は快感から逃れられず、涙を零しながら甘く喘いでる。

「れぃ…んっ……も、だめぇ……ぁあ、ん…はぁ……っ」
「厭らしいな梓は」
「ふぇぇぇ…れいく……した……ぁ…」

 梓の身体がガクガク震え、四肢に力が入る。背中が弓反りになり、喉を曝け出す刹那、指は引き抜かれ、シャワーも遠ざけられた。達せなかった虚無感が襲って来、彼女の双眸からボロボロと涙が溢れる。そうしている間にも後ろの秘孔に怜が指を突き立てようとしているのに気付き、正気に戻った梓は慌てて身を捩った。

「やっ! そこはヤだ」
「全部キレイにしないと」
「ダメ。絶対ヤだ」

 硬く引き絞られた孔に当てられた指が、妖しく蠢いている。時々指先に力を入れて孔を押され、梓は喉の奥で悲鳴を上げた。

「やぁ……出ちゃう、からぁ」
「いいよ。出しても」
「絶対イヤッ! そんな事したら…ッ」
「したら?」
「したら…………嫌い…なる……ちょっと、だけ……多分…?」

 怜に脇から顔を覗き込まれて、段々尻すぼみになった。
 横目に怜を見ると彼は溜息を吐き、梓の耳朶にキスをする。

「ちょっとでも梓には嫌われたくないから、いいよ。ここは譲歩してあげる」

 あっさり諦めて、次は太腿に手を滑らせた。
 また身体が快感を拾い始め、梓は身を捩って怜を見上げる。彼のキレイな腹筋に指を這わせ、下へ滑らせた。茂みの向こうにある彼の半身に触れ、何の昂りも見せていない事に少なからずショックを受けている。
 怜の腕の中で梓一人だけが煽られ、悶えて達しそうになっていたのが滑稽だった。

「あたしばっかり…怜くん狡い」

 淫茎を手の中でくにくにと弄ぶ。それは次第に硬さを持ち始め、生き物の様に動き出した。

「あずぅ」
「お願い、怜くん。意地悪しないで?」

 脈を打ち、瞬く間にその質量を変えた怜の半身を指で扱き始めると、怜の唇から微かな吐息が漏れた。

「いつもの怜くんが良い」
「あ~ず。ホントに君はぁ……っん…これだから、心配で、堪らなく、なるッ」

 怜は怒ったような困ったような、複雑な表情を浮かべると、彼女の唇を啄む。梓は口元に笑みを這わせ「ダメ?」と小首を傾げると、彼は息を呑んで「ダメじゃない」と完敗の苦い笑みを浮かべた。

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