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第二章 二人の過去
一 寿
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白亜城はその名の通り、純白の漆喰で塗り固められた外壁を持つ。屋根瓦までが白く、きらびやかで美しい。天守がそびえる様を見上げると、組の威光を示すような迫力があった。
お堀を渡る橋を超え、城門のところで藤が名乗ると、組長側付きの小姓がやって来て、城の中へと案内された。
城の敷地内は広大だ。つづら折りになっている坂道を登り、いくつもの門をくぐり、建物の横を通って向かうのは、天守閣。小姓の先導に従って歩きながら、藤は城内部の様子を興味深く観察する。
本来、天守閣というものは戦における防衛施設であって、人が居住するところではない。しかし、白虎の組長は天守閣に住んでいる、というのは有名な話だった。
「お足元と頭上にお気をつけください」
階段に差し掛かると、小姓が丁寧な口調で注意を促す。
その注意が必要なほど、木で組まれた急な階段は上りにくい。藤も今まで天守閣には入ったことがなかったが、実際に上がってみて、確かに人の住むとこところではないなと改めて実感した。
階段を上り三階につくと、窓から城下町の様子が一望できた。多くの家々が立ち並び、大通りを人や馬が行き交っている。今日は雨が降り続いているが、晴れた日であれば、さらに見事な眺望だろうという予想はつく。白虎の町の繁栄が、肌でわかる光景だ。
四階。すなわち天守閣の最上階へ上がる階段の前で、小姓が足を止めた。
「刀をお預かりいたします」
恭しく両手を差し出され、藤は一瞬ためらった。だが、すぐに腰から携えていた刀を抜いて、小姓の掌の上に乗せる。組長の前で帯刀が許されないことくらいは理解している。
「この上で、寿様がお待ちです。私はここで控えておりますので、どうぞお進みください」
小姓の言葉に従い、藤は神妙な面持ちで最後の階段を上る。
四階は三階よりも狭く、階全体が一つの部屋になっていた。板張りの床の上に一部畳が敷かれ、その上に座布団を敷いて、男が座っている。脇には、また別の長身の男が立っていた。
その立っている方の男を、藤は見知っていた。名は冠。藤の所属している部隊の大隊長であり、組の幹部だ。
座布団に座る男の歳は四二。髷を結い上げ、金糸の織り込まれた豪奢な着物と袴を身にまとう。脇息に凭れ、部屋に上がってきた藤の様子を興味深げに見守っている男が、寿だ。
「藤、ただいま参上いたしました。お急ぎとのこと、雨の中、鍛錬をしていた身なりそのままで参りました。見苦しい姿で申し訳ございません」
藤は男の前まで進むと、板張りの上に正座をし、平伏しながら挨拶を述べる。
「おお、そなたが藤か。常日頃、鍛錬を惜しまぬ勤勉な性格であると、噂は聞いている。格好などどうでも良い、頭を上げよ」
促されるままにゆっくりと顔を上げ、藤は寿の表情を伺った。
太くつり上がった眉を持つ寿は、怒りを露わにすれば恐ろしい形相になる。だが今は藤に友好的な態度を見せている。
「鍛錬とはどのようなことを行っているのだ」
「真剣で五〇〇本の素振りをしておりました。日課の一部にしております」
「ほお、それはなかなか骨が折れそうだ。他にはどのようなことを?」
ここに呼び出された真意が掴めぬまま、寿はゆったりとした口調で関係なさそうなことを話す。藤も「ご用件は」とは聞けず、困惑しながらも問いかけに答えていく。
「可能な限り野山を走り込み、足腰を鍛えます。刀を失った時でも敵を倒せるよう、そこにおられる冠さんなどに、格闘術の教授を願ったりもしております」
「それはけっこう。頼もしい限りだ」
ここまで上機嫌な様子で話を聞いていた寿の表情が、不意に変わった。
「しかし、鍛錬と実戦では、随分勝手が違うと見える」
「と、言いますと?」
「この冠が言うには、そなたは相当の実力の持ち主だとか」
「いえ、そのようなことは……」
「その実力を発揮すれば、今すぐ自分と同じ大隊長になってもおかしくはないと、こうまで申しておった。だが、そなたはいつまでたっても戦果をあげられていない。先の向日原での六堂との戦でも、敵を一人も斬ることができなかったと」
「それは、わたしの非力のいたす所。大変申し訳ございません」
藤は恐縮し、再度頭を下げて小さくなる。床に顔を伏せながら、藤は自身の心臓がどくどくと鼓動を大きくしているのを感じていた。
「冠は訝しんでおった。そなた程の実力がありながら、何故戦にあって敵を斬れないのか、と。その話を聞いて、おれは思ったのよ。敵が斬れないのではなく、六堂の者を斬ることができないのではないか、と」
藤の謝罪の言葉など耳にも入っていない様子で、寿は続ける。
「白虎にも、六堂程ではないが忍はいる。彼らは情報収集に長けておる。そなたの出自を調べていくと、面白い事実が分かった」
ここまで話が進めば、藤が何故ここに呼び出されたのか、その理由も分かるというもの。
藤は顔を下げたまま、思考を巡らせていた。考えているのは、刀も持たず、天守閣からいかに逃げおおせられるか、ということだ。
「表向きは戦争孤児になり白虎組に入ったということになっておったが、事実は違う。そなたは六堂タ出身の忍。村を滅ぼした仇を探すため、単身六堂を離れ、白虎に紛れ込んだ。そうであるな?」
藤が身構え、意を決し顔を上げた瞬間。その喉元に刀が突きつけられた。身動きがとれない。
いつの間にか藤の横に移動してきていた冠が、刀を持ったまま無言で藤の様子を監視していた。
「早まるな、藤よ。おれはなにも、そなたを処刑するつもりはない。冠が認める程の実力、勤勉な性格に聡明な頭、一〇年にわたり己を律し仇を追い続ける執念。どれをとっても殺すには惜しい男」
喉元に刀の鋭く冷たい感触を覚えながら、藤は寿を睨み据えた。
「それに何より、そなたは白虎に何も害を成していない。そなたが六堂の誰とも連絡を取り合っておらんことは、わかっている。情報を漏らすこともせず、ただただ白虎に仕えてきた」
「ならばなぜ呼び出した」
藤は敬語をやめた。居直ってしまえば、先程まで感じていた恐怖が鳴りを潜め、鼓動も落ち着いていた。
そんな藤の様子に、寿が目を細めた。一際興味深そうに笑う。
「おれの頼みを聞いてほしい」
「わたしは六堂を裏切るつもりはない」
要件を言われる前に、藤はそうキッパリと言い切った。
「おお、構わぬとも。この頼みに六堂は関係ない。むしろ六堂にも……いや、この世全ての者にとって益になる話よ。藤、そなた浄を知っておるか」
問いかけられ、藤は軽く眉を寄せる。
「大隊長の一人だろう。白虎の組員でその名を知らぬ者はいない」
即答すると、寿は神妙な表情で頷いた。そして、頼みの内容を口にする。
「浄を、暗殺して欲しい」
その端的な言葉に、藤は一瞬何を言われているのかが分からず、目を瞬いた。
「は?」と短く声を漏らし、一拍遅れて、内容を理解した。
「何故だ。浄大隊長といえば、羅刹という異名を持つ、白虎でも随一の実力者だろう。直接の面識はないが、大隊長ながら隊を率いず、単身で敵の陣中へ突っ込んでいくというお方。勇猛な噂は枚挙にいとまがない。わたしを殺すのを惜しむならば、彼を殺す方がいっそう惜しいはず」
「そうとも、実に惜しい」
寿が唸った。
「おれは奴の力が惜しくて、今まで、幾多の常識はずれな奴の行動にも目をつむってきた。だがな、今回ばかりは許すわけにはいかないのだ」
先程までどっしりと構えていた寿の、心底苦々しく思っているような様子に、藤は興味を惹かれた。
「いったい彼は、何をしたのだ」
藤が話を聞く姿勢を示したのを感じて、冠はその喉元に突きつけていた刀を引き、鞘に納める。そして、無言のまま再び寿の横へと戻った。
「あやつは朝廷の間者からの依頼を受け、孫副組長を城内で殺した」
お堀を渡る橋を超え、城門のところで藤が名乗ると、組長側付きの小姓がやって来て、城の中へと案内された。
城の敷地内は広大だ。つづら折りになっている坂道を登り、いくつもの門をくぐり、建物の横を通って向かうのは、天守閣。小姓の先導に従って歩きながら、藤は城内部の様子を興味深く観察する。
本来、天守閣というものは戦における防衛施設であって、人が居住するところではない。しかし、白虎の組長は天守閣に住んでいる、というのは有名な話だった。
「お足元と頭上にお気をつけください」
階段に差し掛かると、小姓が丁寧な口調で注意を促す。
その注意が必要なほど、木で組まれた急な階段は上りにくい。藤も今まで天守閣には入ったことがなかったが、実際に上がってみて、確かに人の住むとこところではないなと改めて実感した。
階段を上り三階につくと、窓から城下町の様子が一望できた。多くの家々が立ち並び、大通りを人や馬が行き交っている。今日は雨が降り続いているが、晴れた日であれば、さらに見事な眺望だろうという予想はつく。白虎の町の繁栄が、肌でわかる光景だ。
四階。すなわち天守閣の最上階へ上がる階段の前で、小姓が足を止めた。
「刀をお預かりいたします」
恭しく両手を差し出され、藤は一瞬ためらった。だが、すぐに腰から携えていた刀を抜いて、小姓の掌の上に乗せる。組長の前で帯刀が許されないことくらいは理解している。
「この上で、寿様がお待ちです。私はここで控えておりますので、どうぞお進みください」
小姓の言葉に従い、藤は神妙な面持ちで最後の階段を上る。
四階は三階よりも狭く、階全体が一つの部屋になっていた。板張りの床の上に一部畳が敷かれ、その上に座布団を敷いて、男が座っている。脇には、また別の長身の男が立っていた。
その立っている方の男を、藤は見知っていた。名は冠。藤の所属している部隊の大隊長であり、組の幹部だ。
座布団に座る男の歳は四二。髷を結い上げ、金糸の織り込まれた豪奢な着物と袴を身にまとう。脇息に凭れ、部屋に上がってきた藤の様子を興味深げに見守っている男が、寿だ。
「藤、ただいま参上いたしました。お急ぎとのこと、雨の中、鍛錬をしていた身なりそのままで参りました。見苦しい姿で申し訳ございません」
藤は男の前まで進むと、板張りの上に正座をし、平伏しながら挨拶を述べる。
「おお、そなたが藤か。常日頃、鍛錬を惜しまぬ勤勉な性格であると、噂は聞いている。格好などどうでも良い、頭を上げよ」
促されるままにゆっくりと顔を上げ、藤は寿の表情を伺った。
太くつり上がった眉を持つ寿は、怒りを露わにすれば恐ろしい形相になる。だが今は藤に友好的な態度を見せている。
「鍛錬とはどのようなことを行っているのだ」
「真剣で五〇〇本の素振りをしておりました。日課の一部にしております」
「ほお、それはなかなか骨が折れそうだ。他にはどのようなことを?」
ここに呼び出された真意が掴めぬまま、寿はゆったりとした口調で関係なさそうなことを話す。藤も「ご用件は」とは聞けず、困惑しながらも問いかけに答えていく。
「可能な限り野山を走り込み、足腰を鍛えます。刀を失った時でも敵を倒せるよう、そこにおられる冠さんなどに、格闘術の教授を願ったりもしております」
「それはけっこう。頼もしい限りだ」
ここまで上機嫌な様子で話を聞いていた寿の表情が、不意に変わった。
「しかし、鍛錬と実戦では、随分勝手が違うと見える」
「と、言いますと?」
「この冠が言うには、そなたは相当の実力の持ち主だとか」
「いえ、そのようなことは……」
「その実力を発揮すれば、今すぐ自分と同じ大隊長になってもおかしくはないと、こうまで申しておった。だが、そなたはいつまでたっても戦果をあげられていない。先の向日原での六堂との戦でも、敵を一人も斬ることができなかったと」
「それは、わたしの非力のいたす所。大変申し訳ございません」
藤は恐縮し、再度頭を下げて小さくなる。床に顔を伏せながら、藤は自身の心臓がどくどくと鼓動を大きくしているのを感じていた。
「冠は訝しんでおった。そなた程の実力がありながら、何故戦にあって敵を斬れないのか、と。その話を聞いて、おれは思ったのよ。敵が斬れないのではなく、六堂の者を斬ることができないのではないか、と」
藤の謝罪の言葉など耳にも入っていない様子で、寿は続ける。
「白虎にも、六堂程ではないが忍はいる。彼らは情報収集に長けておる。そなたの出自を調べていくと、面白い事実が分かった」
ここまで話が進めば、藤が何故ここに呼び出されたのか、その理由も分かるというもの。
藤は顔を下げたまま、思考を巡らせていた。考えているのは、刀も持たず、天守閣からいかに逃げおおせられるか、ということだ。
「表向きは戦争孤児になり白虎組に入ったということになっておったが、事実は違う。そなたは六堂タ出身の忍。村を滅ぼした仇を探すため、単身六堂を離れ、白虎に紛れ込んだ。そうであるな?」
藤が身構え、意を決し顔を上げた瞬間。その喉元に刀が突きつけられた。身動きがとれない。
いつの間にか藤の横に移動してきていた冠が、刀を持ったまま無言で藤の様子を監視していた。
「早まるな、藤よ。おれはなにも、そなたを処刑するつもりはない。冠が認める程の実力、勤勉な性格に聡明な頭、一〇年にわたり己を律し仇を追い続ける執念。どれをとっても殺すには惜しい男」
喉元に刀の鋭く冷たい感触を覚えながら、藤は寿を睨み据えた。
「それに何より、そなたは白虎に何も害を成していない。そなたが六堂の誰とも連絡を取り合っておらんことは、わかっている。情報を漏らすこともせず、ただただ白虎に仕えてきた」
「ならばなぜ呼び出した」
藤は敬語をやめた。居直ってしまえば、先程まで感じていた恐怖が鳴りを潜め、鼓動も落ち着いていた。
そんな藤の様子に、寿が目を細めた。一際興味深そうに笑う。
「おれの頼みを聞いてほしい」
「わたしは六堂を裏切るつもりはない」
要件を言われる前に、藤はそうキッパリと言い切った。
「おお、構わぬとも。この頼みに六堂は関係ない。むしろ六堂にも……いや、この世全ての者にとって益になる話よ。藤、そなた浄を知っておるか」
問いかけられ、藤は軽く眉を寄せる。
「大隊長の一人だろう。白虎の組員でその名を知らぬ者はいない」
即答すると、寿は神妙な表情で頷いた。そして、頼みの内容を口にする。
「浄を、暗殺して欲しい」
その端的な言葉に、藤は一瞬何を言われているのかが分からず、目を瞬いた。
「は?」と短く声を漏らし、一拍遅れて、内容を理解した。
「何故だ。浄大隊長といえば、羅刹という異名を持つ、白虎でも随一の実力者だろう。直接の面識はないが、大隊長ながら隊を率いず、単身で敵の陣中へ突っ込んでいくというお方。勇猛な噂は枚挙にいとまがない。わたしを殺すのを惜しむならば、彼を殺す方がいっそう惜しいはず」
「そうとも、実に惜しい」
寿が唸った。
「おれは奴の力が惜しくて、今まで、幾多の常識はずれな奴の行動にも目をつむってきた。だがな、今回ばかりは許すわけにはいかないのだ」
先程までどっしりと構えていた寿の、心底苦々しく思っているような様子に、藤は興味を惹かれた。
「いったい彼は、何をしたのだ」
藤が話を聞く姿勢を示したのを感じて、冠はその喉元に突きつけていた刀を引き、鞘に納める。そして、無言のまま再び寿の横へと戻った。
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